描いていた未来って

今日はLINEで予約をしてあった確定申告の相談のため、10時に間に合うように家を出て、てくてくと歩きだしました。
右足は安静に、左足は多少のリハビリをと言われているので、歩いてもいいものか、それとも全く動かない方がいいのか。
悩みつつも春の気配を感じたくて、今日は少しだけ自分に甘くなることにしました。
散歩を兼ねて会場の福岡タワーまでゆっくりと歩を進める。
花壇のお花も、幹や枝がふんわりと紅色をまとった桜の木も、甘い香りで存在を際立たせている梅の花も、みんな笑顔で語りかけてくれて、ちょこちょこ立ち止まってはスマホで撮影。

私の影も一緒に


陽だまりの中、平和な世界

目指すタワーは近未来のデザイン。
私が小さなころ描いていた未来はドラえもんの世界。

どこでもドアでいつでも好きな場所へ行ける
タケコプターでどこまでも飛んでいける

会いたい人にいつでも会える、食べたいものはすぐに届く、便利で明るい未来を想像していました。

今だって世界中の人と時差さえ気にしなければオンラインで顔を見て話せる。
スマホでピコピコ打ち込んだら食べたいものが自宅に届く。
現金を持ち歩かなくても買い物も移動もできる世の中。
子どもの頃から未来の乗り物と言われていたリニアモーターカーだって、工事が進み、完成したら日本の中がぐっと近くなる。

世界は広くて近い場所になるはずだった。科学の進歩で誰もが明るく過ごせると思っていたのに。人間の持つ悩みはなぜ大して変化しないんでしょうか。

確定申告も無事終了し、カフェで観葉植物を眺めながらお茶を飲む。
ぽっかりと空いた時間は自分のために使いたいと、そう思いながら
普段から持ち歩いているレターセットを出し、手紙をしたためました。

3通の手紙 行き先はまったく別の国

相手の顔を思いだしながら、今この瞬間の気持ちを閉じ込めた手紙。
SNSのように急ぎ足で流れていくものではないし、相手のところに届いたとき、書いた内容はもうすでに覚えていないかもしれない。
それでも、今あなたに宛てて書く言葉。
届いたときにどんな顔をして開いてくれるんだろうか、読んだときにどんな反応を示すだろうか。
ただ、私が書きたくて書いているだけなのに、やっぱり届いたときのことを想像してしまうのはわがままですね。

赤ちゃんの声や、通行人の電話の声、お店の方がお客様にかける声、小さな一つ一つを背中で受け止めながら、一人ひとりに向けて手紙を書き上げました。

ひさしぶりに海外に向けて荷物を送るのってなんだか緊張します。
重さやサイズを測って、宛名も自分の住所も「この順番で合ってたかしら」なんてちょっぴり不安に感じながら、なんとか支度をして郵便局に持ち込みました。

1つは国内なのでそのままポストへ投函。
残る2つは窓口へ行き、係の人に渡します。
まずは梱包した荷物。宛先ラベルを見ながら国名を聞かれ、答えます。計量し、危険物チェックの署名をおこない、こちらは何の問題もなく受け取ってもらいました。
しかし、もう一通の手紙は、国名を見た瞬間に係の人が後ろに走り、誰かに確認をしています。
他の受付の人もざわつきはじめ、私もことの重大さに気づくのです。

「ああ、周辺国には手紙を送ることすらできないんだ」と。

係の人も戻ってきて、申し訳なさそうに「こちらは今受け取ることができません」と手紙を返されてしまいました。

時間がかかってもいいから直筆の手紙がポストに届いていた時のあの喜びを味わってもらいたくて、他愛のないことを書いた手紙。
届けることすらできない現実、そんなことにも気づかずに自分のエゴとやるせなさを感じてしまいました。

世界を揺るがす大きな出来事が、私の身近な人たちにも影響している。恐怖で頭も心も真っ黒な闇に覆われてしまいそうで。

誰の心にも影を落としている現実。日々のニュースでも衝撃的なシーンが伝えられています。
目を逸らすだけではなく知ることが大事。知らずに無責任な態度で意見を述べることはできない。
ただ、すべてを受け止めすぎて自分の心を壊してはいけない。
忘れてはいけないことだから、2年前にそう備忘録に書いたはずなのに。

自分の浅はかさに気づき、心を暗くしてしまう。

なぜ人間は同じことを繰り返してしまうんでしょう。
悩みの種類は変わっても、大元は結局何も変わっていない。

苦しいです、もう以前とは違う時代になったと気づいてしまったから。

でも、いつか必ず届く日が来る。その日のために、これからも手紙を書きます。待っていてくださいね。

今の想いを書ききったら、少しはラクになるかと思ったのですが、余計に涙があふれてきます。

かならず、かならず私たちの未来を明るいものに。





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