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「(わたしたち)生物から見た世界」嶋村桜さん編


「(わたしたち)生物から見た世界」?

演劇公演『花の咲かない原因と対策』の宣伝文は以下のように公開しております。

「人間以外の生物における環世界/幽霊の環世界」を想像することで、私たちが認識している世界以外への関心および拡張を促そうと考えるための演劇公演。
Q1.ほとんどの生物は、知覚している環世界こそが世界の全てだと信じて生きている。ただ私たち人間は、自身が認識する以外の世界を”想像”することが出来るらしい?
Q2.どんな生物も死後、生前に対しての後悔などがあると幽霊になるらしい。つまりは人だけでなく、全ての植物・生物も幽霊になる可能性がある?

そこで今回は、「(わたしたち)生物から見た世界」と題しまして、
出演者の方々の"環世界"についてトークした模様を、記事としてお届けします。

それでは、トーク本編をご覧ください。

本編

三橋 こんにちは〜。
宮ヶ原 こんにちは。
嶋村 こんにちは。

三橋 本日はね、「(わたしたち)生物から見た世界」ということでね、お話をしていきたいと思います〜。そして本日のゲストは『花の咲かない原因と対策』に出演いただく嶋村桜さん(写真中央)です。お相手は三橋(写真左側)と、
宮ヶ原 宮ヶ原(写真右側)です。よろしくお願いします。
嶋村 よろしくお願いいたします。
三橋 ではここから10分間のあいだ、お話しさせていただけたらなと思います。10分タイマースタート。

タイマースタート

三橋 それでは、「(わたしたち)生物から見た世界」という題名で、「環世界」についてお話しできたらなって思います。ま「環世界」って言っても、嶋村さんの視点で、今何か気になっていることはあるかな〜ということを簡単にお話しさせていただきたいんですけど。もしよかったら、最近何か気になっていることとか、面白いなーってこととか、あるいは私しかない視点だなって思うこととかあったりしたら、お話しいただけますか?
嶋村 気になることは、最近アイドルを推し始めてて、自分じゃない誰かの人生のことを考えるってめっちゃ楽しいんですよね。私じゃない誰かが頑張ってくれていることが私のことかのように嬉しいみたいな。でも、それって私は何にも一歩も動いてないから、結局何にもならなくねって最近思ってたりもしますね。推しは大好きなんだけど。逆にそういう点があるからこそ、好きになってる人たちがいっぱいいるんだろうなってのも、すごく感じる。頑張ることをしなくてもいいみたいなところというか。推すって感情は、そういうのが最近危ないかも?みたいな。うん。
三橋 推しっていいな。
嶋村 推しっていいんだよね。
宮ヶ原 推しの感情があんまりまだわからないんだけどさ、頑張っている人を見て、自分も一緒に進んでいるような気持ちになるって感じなの?
嶋村 そうだね、息子みたいな気持ちになってくるの。産んだこともないから分からないんだけどさ。「私の息子すごいわね。いいでしょ〜私の息子」みたいな感じで自慢したくなるというか、一個自分とは違うところで自分の代わりみたいな人が頑張ってくれてるみたいな気持ちになってくる。
宮ヶ原 なるほど、分身みたいな感じか。
嶋村 投影できる相手だからこそ推してるって部分もあるんだろうけど。
三橋 戻っちゃうけど、さっきの話は「悩み」って感じになってるのかな。さっき話してくれた、追体験しすぎて自分としては何が返ってくるのかなって、ふと我に帰っちゃうという感じのところ。そこら辺のバランスがどうなのかなって。意外とさ、追体験できている事自体にハッピーを覚えたら、満足なんじゃないかなとも思うけど。
嶋村 自分がどっかで頑張らなきゃいけないなって思ってるからなんだよね、きっと。そう思ってしまうのって。自分は今、頑張り切れていないんだろうなっていう自覚はあるんだけど、でも、何かをチャレンジするような元気が、今の私に残ってるかって言われると、今ちょっとゆっくりしたい期間というか。でも、どっかで彼のように頑張りたいという気持ちが自分の中にもあるからそういうことを感じてしまうんだよね。
三橋 あ〜めちゃめちゃ鼓舞されるね。
嶋村 すっごい鼓舞されてる。
三橋 強く食らいすぎちゃうとこがある?
嶋村 うん。そうね、立ち止まってる自分を感じすぎちゃうからっていうのが最近気になってるのかな、結局。
三橋 あ〜。推しがいることの強さってちゃんとあるんだね。趣味とかの話かなと思って聞いてたけど、それってもう趣味とかのジャンルの話じゃないよね。
宮ヶ原 心の養分というか、
嶋村 確かにね。

宮ヶ原 推しっていう感情はさ、「推し」って単語として一応表現されてるけどさ、実はいろんな思いで推している人がいるよね。
嶋村 そうなのよ。本当にすごくないですか、それって。いろんな人たちが、いろんな感情をぶつけるの、そのアイドルという存在に。それを彼ら彼女らは、受け入れて活動をしているわけなんだけど、それって各々の自己の満足の問題じゃん。不思議な関係だよね。家族でもなければ、恋人でもないのに、こんなにお互いのことを思うし、相手からエネルギーをもらえるって、なんか不思議な関係だなと思いますけど。
三橋 同じ宗教でも国によって信じられ方が違うみたいな。
嶋村 そうね、そういうとこあると思うんだよね。宗教っていうか、思想?
三橋 いいな〜推し。
嶋村 最近、推し活みたいなのがテレビでも取り上げられるようになって。推し活の仕方みたいなのをHow toみたいな感じで挙げられてるんだよね。例えば、誕生日に駅に広告を出すとか、推しの名前入りのボトルとか作ってくれる店舗があったりとか、推しの顔をプリントしてくれるラテアートみたいなところがあったりとかね。そうなると、インスタ映えみたいなところと繋がってくるわけですよ。となると、推している・好きであるという気持ちを外に見せることで、自分の承認欲求を満たすというか。それってもう、アイドル関係なくない?みたいな行動もあるわけですよ。
宮ヶ原 それすごい最近思う。推してるアイドルを中心にプラットフォームというか、そこでできた友達とかと一緒に共有する話題の一つとして捉えてる人めっちゃ多いなと思う。
嶋村 Twitterとか見てても、「お友達になりましょう」みたいな。実際にライブであったりしなくて、そのファンたちの集まりで部屋を借りて、みんなで見てみたいなことをして、仲間を作る。
宮ヶ原 そっちがメインだねみたいな。
嶋村 そうそう。お友達づくりがメインじゃんみたいな。
三橋 なるほど。自分対アイドルじゃなくて、アイドルを媒介とした自分対他人がある。
嶋村 そう。でもそこで築かれた関係性が、崩れてしまった場合とかファン同士が離れた時に、そのアイドル自体が攻撃される場合があることもあって、よくあるのが、「あそこのファンと合わなかったんだよね、だからあのアイドルグループ苦手だね」みたいになって。アイドル自体が価値を落とすというか。そういう危険性があるんだよね。
三橋 結果としてファンの民度がアイドル側に響くみたいな。
嶋村 そうそう。
宮ヶ原 めちゃめちゃあるよね。
嶋村 「もう、あそこの界隈の人には会いたくないから、降りるわ。」みたいな。でもそれって、頑張ってるアイドルとはまた別の次元の話だし。
宮ヶ原 本当にそう。
嶋村 ね。すごい共感してくれる〜。でも本当にそうなんだよね〜。
三橋 自分が見ない世代のYouTuberとかもそんな感じになっちゃってるように見えるね。もっと最近の新世代のYouTuberとか見てたりするとさ、そのファンは自分たちよりもっと若くて。あの頃の自分たちと同じ感じなんだろうけど、「なんだか若いな〜」と思うんだよね。
嶋村 私はただ純粋に頑張っている人を応援したいんだけど、そう思うと、自分の気持ちが介入してしまうよねってことが気になる。

三橋 さっきの、SNSに推し活を載っけるみたいなところだとさ、好きっていう気持ちとさ、承認欲求を満たしたいっていうところってさ、両方とも偽りじゃなくて、両方とも本当なんだよね。好きなんだけど、わんちゃんにすごい可愛い服着せてネットに載っけるみたいな。
嶋村 ガチなんだよ、常に。常に全ての感情に対してガチなんだよ。
宮ヶ原 それに対してさ、それを見られた時に他の人からどう思われてるんだろうなみたいなことってさあんまり考えないよね。
嶋村 考えないね。それを考えてたら多分、アイドルのオタクになってないと思うね。何かを好きってことは共通かもしれないけど。ガチになるじゃん、結局。

タイマーがなる

三橋 ここで10分経ったということで、途中ですが、終わりにしたいと思います。本日のゲストは嶋村桜さんでした。ありがとうございました。
嶋村 ありがとうございました。



以上です。
お読みいただきありがとうございました。

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【販売中】


譜面絵画 vol.12『花の咲かない原因と対策』

【会場​】     
アトリエ春風舎

【日時】
6月23日(木) 19:00★
6月24日(金) 19:00★
6月25日(土) 14:00★/18:00
6月26日(日) 13:00★/17:00
※受付開始、開場は開演の20分前
※上演時間は約50分を予定

【アフタートーク】
6月23日(木) 19:00 河野桃子(ライター・インタビュアーなど)・山﨑健太(批評家・ドラマトゥルクなど)
6月24日(金) 19:00 綾門優季(青年団リンク キュイ・青年団演出部)・中野成樹(中野成樹+フランケンズ)
6月25日(土) 14:00 出演者全員(宮ヶ原萌・川端真奈・嶋村桜・高橋星音)
6月26日(日) 13:00 児玉健吾(かまどキッチン)・中島梓織(いいへんじ)

【出演】
宮ヶ原萌(譜面絵画)
川端真奈
嶋村桜(三輪舎)
高橋星音(無名塾)

【スタッフ】 
脚本・演出・宣伝美術 三橋亮太(譜面絵画/青年団演出部)
舞台監督 島田曜蔵(青年団)
照明 緒方稔記(黒猿)
音響プラン 深澤大青(しあわせ学級崩壊)
音響オペレート 保延優希
制作 大川あやの(譜面絵画)
制作 河﨑正太郎(譜面絵画)
制作補佐 落合比奈
制作補助 小見朋生(譜面絵画)

協力 黒猿/三輪舎/しあわせ学級崩壊/青年団/無名塾

【チケット】
全席自由席
◎一般 3000円
◎U-25または学生 2500円

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