詩「離脱」
ベッドに横たわり 目を瞑り
心の目を開く
天井が見える
意識を軽く上昇させる
天井が目の前に見える
さらに上昇
建物を抜け出し 眼前に広がるのは
美しい月夜
どんどん昇ってゆく
振り返れば
マンションの屋上が見える
屋上はだんだん小さくなり
街明かりが宝石のようだ
あ これは地図で見たのと同じ地形だ
無数の星を背景にして
青い地球が遠のいてゆく
後ろから木星が追い越して行く
あたりいちめんの星
もう どれがどの星かもわからない
やがて
僕は温かい何かに包まれる
温かい何かに 今までの人生を労われる
そして 秘密の言葉を受け取る
充分に癒やしを得て
肉体の目を開くと
天井が見えていた
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