『キメハラ』なんてこわくない。【#いま私にできること】
「鬼滅、まだ見てないの?」
なんて、『キメハラ』なる言葉があると知ったのは、最近のことだ。
2020年、大人気の漫画&アニメと言えば『鬼滅の刃』。
先日、漫画の最終刊が発売されたのだが、書店のレジに並んだ人は皆、『鬼滅の刃 最終刊』を携えていて、ちょっと面白い光景だった。
本が売れない時代と言われる中で、まだまだ捨てたもんじゃないぞ!と勇気がでる。
でも作品を知らないと、「絶対見て!」とか「早く見なよ」とプレッシャーを与えてくる人がいるんだとか。
…うーん。
私も以前『鬼滅の刃』って、見ておいた方がいいの?とか、ぶつぶつ書いたことがある。だけど、それは誰かに強要された訳じゃない。元々、私は漫画やアニメといったエンタメが大好きだ。ちょっと遠ざかっているうちに、あれよあれよと乗り遅れただけなのである。
私は子どもの頃から読書が好きで、人に本をオススメするのも好きだ。
職場内で、同僚から『本のソムリエ』なんて称号(?)をいただいた時は、ホントに嬉しかった。
でも大事なのはオススメする時、それぞれの相手の性格に合った作品を選ぶことだと思っている。
・どんなジャンルでも作風でも、なんでもOK!な人。
・ある特定の限定したジャンルに、こだわりがある人。
・あえて「王道の作品は、ちょっと…」と躊躇する人。
みんな、さまざまだ。
だから、相手の好む作品を事前にリサーチしておいてから、「こういう作品、好きじゃないかなぁ?」と差し出している。
「面白かったよ!」ってハマってくれる人がいると嬉しい。
例えオススメした作品が、今ひとつ相手のどストライクじゃなくても、感想を聞かせてもらうことで「あ、この本が合ってるかも!」とひらめいたりして、相手の好みに寄り添うように心がけているつもりだ。
だから、いろんな方に本をオススメしてきて、相手の好きな本を選ぶって、ちょっと性格診断みたいだなぁと思っている。
私が感じる「面白い!」が、人も同じとは限らない。
そこは忘れないようにしたいものだ。
で、私にとって『鬼滅の刃』というと…。
見ておいた方がいいのか悩む。
映画みたけど関係性わからず、イマイチ乗り遅れる…。
いろんな変遷を繰り返し、日曜のお昼に再放送されていたアニメを、10何話?も進んでいるのに突然見始めた。
ファンの間では、神回と言われている(らしい)19話『ヒノカミ』という回を何の前情報もなく見て、ようやく人気の理由がわかったぞ!というキモチになった。
そもそも、2019年のアニメ放映時に1度だけ見た回の印象が悪過ぎたのだ。
主人公、可哀想すぎる。
絶望しかないやん、って。
その気持ちが強すぎたため、なんだか手を出せずにいたのだ。
かつて私が見た回は、何話だったんだろう?
ギモンがわいて、ようやく重い腰を上げて、アニメを第1話から見始めることにした。
見続けてからわかったのは、過去に私が見た回は『第4話 最終選別』。
鬼を退治する鬼殺隊という組織に入隊する為、山に集められた主人公たち。
その山には鬼がいて、喰われず7日間生き延びることが出来たら合格!という過酷な試験を描いた回である。
その中で主人公は、天狗の面を被った師匠から狐のお面を渡される。
実はそのお面を被った者への怨み辛みを持った鬼が登場して、主人公が絶体絶命にっ!?
てなストーリー。
当時、4話しか見なかった私。
前後の物語を知らないため、
怨みを持つ鬼が、「弟子の目印はお面で、その面を持つ者ばかり殺してきた」と語る描写から、勝手に
・師匠と思っていた人は、実は子どもたちを鬼に与える悪い人だった!?
と、大きな勘違いをしていたのである。
家族を殺され、妹も鬼になり、信じていた師匠にも裏切られ、なんて可哀想な主人公!と、私は大いなる誤解をしてしまっていた。
そして、そんな大きな誤解をしたまま、1年以上も『鬼滅の刃』人気を生暖かく見守っていたのである。
前後の回をちゃんと見ると、
あのお面、師匠の想いのこもった厄除けの面やったんかー。
とか
時々、出てくる狐面を被った得体の知れない子どもたちも、主人公を応援しとる!
とか、師弟の深い絆が描かれている。
覚えてた印象、事実と全然違う!!!
結論、めっちゃええ話やん!
これまで勘違いしていた自分に、がく然とした。
物語をほんの一部だけ切り取った部分を見て、勝手に思い込んだ。
それが原因だと思う。
こんな思い違い、日常生活でも起こっているのかも?って、自分で自分が、ちょっと怖くなった。
人に対してとか、起きた出来事に対して、先入観だけで判断してはいないだろうか?
作品に触れる触れないは、その人の自由。
見たくないものを流行りだからといって、無理して見る必要はない。
ましてや「いい話だから絶対見て!」と無理やり押しつけるのもよくない。
いい話かどうかを判断するのは、視聴した本人なのだから。
だけど、やっぱり自分で「こんな話なんだろう」と、勝手に決めつけてジャッジしてはいけないなぁと思う。
何事も、判断し選別するのは、きちんと事実を見極めてから。
自らの反省と戒めをこめて、書き残しておこうと思う。
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