生まれ変わったら何になりたいですか

小学校の卒業アルバム(と書いてブラックヒストリー玉手箱)のとある欄にあった、「生まれ変わったら何になりたいですか」という質問。よくある質問だ。
小学6年生の私は、「もう一度私として生まれて、私として生きたい」と書いてあった。12年という短い期間を生きてそれなりに後悔もしたし反省もあった。今でもその後悔を思い出そうと思えば思い出せる。

今はどうだろう。17年生きた私は、この質問にどう答えるだろう。ただが5年、されど5年。見える世界が、感じ取るものが変わったことを信じたい。

じゃあ肝心の答えはというと、「人間でも生き物でもないものになりたい」です。

できれば音楽か宝石かサイダーの泡でお願いします。

音楽も宝石もサイダーの泡もきらきら、透明で綺麗で、いくら目に入れても(耳に入れても、と表現するのが合うものもひとつありますが)全く痛くない。私は青くてきらきらしてる綺麗なものが大好きです。

もっと深い理由は、こんな感じだ。
まず音楽。音楽は人を救える。正直、音楽はそこにいる碌でもない人より偉いと思う。でも「私が思うに、音楽は人より偉いので生まれ変わったら音楽になりたい」ということではない。簡単。好きだからなりたい。綺麗だからなりたい。それ以上でもそれ以下でまない。一曲まるまる!とかフレーズとかじゃなくていい。休符とかスタッカートとかスラーとかのそういう、ほんの一部分になりたい。その代わり、今世の私が感じ取っている「美しい」曲の中でお願いします。
次は宝石。集めてるわけではないです。たま〜にインターネットで宝石の画像をチラッと見るくらいです。でも好き。好きだからなりたい。あと、宝石は永く生きるし人間ほど感情を持たないと思う。だから世界を長い目で見ていたい。悲しいことや悲しいことが起こっても、きっと動じることがないと思う。でもその分嬉しいことや楽しいことに今ほど気づけないのはつまらないかもしれない。
最後のサイダーの泡。ここまでの流れで行くと、そうです。好きだからなりたいです。綺麗だからなりたいです。
でもそれ以上に大きな理由がもうひとつある。

私が大好きなバンド、UNISON SQUARE GARDENの4枚目のフルアルバムであるCIDER ROAD。
単刀直入に言えば私はこのアルバムに相当な執着心を抱いているし、その執着心はきっと恋に近いと思う。
このアルバムの世界に住んでいる色、音、匂いを全て愛している。きっとその世界は、サイダーの泡が絶え間なくシュワシュワと爽快な音を立てて次々と生まれて弾けてを繰り返している。上を見上げれば光が降り注いで、その光と泡が反射している。耳をすませば愛おしい、何千回と聴いたメロディーが聴こえる。
生まれ変わったらCIDER ROADの世界に住みたい、という願いはあまりにも烏滸がましすぎる。でも私が死んだら、天国でも地獄でもなくCIDER ROADの世界に生きたい。じゃあその間を取るとすれば、サイダーの泡になって生まれて弾けてを繰り返したいね、という思考に至る。

ここまで読んでくださった方の中で何言ってんだコイツ頭沸いてんじゃねぇのか?と思った人、少なからずいらっしゃるだろう。我ながら私もそう思う。音楽と宝石の話はまだ比較的まともだけど、サイダーの泡に関してはだいぶ夢を語らせていただいた。しかしこれ、割と真面目に見ている夢だ。



「人間でも生き物でもないものになりたい」。そう思うようになったのは本当につい最近だ。
自分が抱く負の感情に嫌気が差して仕方がなくなった。相手に向ける嫉妬のせいで、自分の好きなものに真っ正面から向き合えなくなった。好きなことが好きなように出来なくなるって、まるで私が死んでいるみたいだ。だから来世は感情を持たないもの、できれば例に挙げた3つに生まれ変わりたい。人である限り、誰かを妬むことは何回もあるから。その妬みで自分の自由がなくなってしまうなら、最初から感情なんてない方が良い気がする。その分、楽しい、嬉しい、美しいを感じることが出来ないのは辛いが。

2023年1月19日の私は転生先をこんな風に考えているらしいです。
まぁ転生先がどうであれ、今世を最後までしっかり生ききるということには変わりないんだけどね。


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