ひとつのことばとふたつの意味
ちょうど1年ほど前に、ある学びの場で一緒になって、3ヶ月その講座を共にした戦友から、作文指導について大人に対してもやってもらえるのかという連絡が来たのは読書・作文指導募集の告知をしてすぐのことでした。
これまで、学生でない人への作文・小論文指導などをしたことは実はありました。社会人枠として受験を考えている年上の方などの指導をしたことがあります。
今回のリクエストを受けて、その友人がどういうことを望んでいて、どういうことが僕が提供できるか、一度二人でお話をしました。
内容についてはかなり個人的なことも含まれているので詳細は割愛しますが、とにかくご自身の思いが表現と一致すること、読んでいる文献についての考察についてまとめていきたいということでした。
やることとしては一緒かなという思いと、ためしにやってみるということでお互い進んでみることにしました。
事前に文章を送ってもらって、対話をするというのがこの友人との流れになりました。
今朝から初めての対話。今回は直前に文章が届いたので、一緒に読み合わせしながら取り組みました。友人にも気づきがあったようでしたし、僕自身も気づきがありました。
たとえば、文法的なミスがないかチェックするというときも、語句の使い方を考えるとき、それが特に文脈に即しているかとらえるときに、僕は英語に直して考えていることがわかりました。もちろん、そんなに英語が堪能ではないので、全文訳をしていくわけではないのですが、文の構成や品詞的役割についてざっと考えてみる。次に、日本の慣用表現に即しているか考える。最後に、熟語についてはその単語の英語をイメージしてみる。
一旦、客観的に他言語で考えることで、その語句の持つ白いままの意味がとらえやすくなります。そして、そこにその人の思いが色のようについているのがわかると、そこからその人がどういうことを大切にしているのかも見える、というイメージが浮かびました。
それを繰り返す中で、友人の使う「安心」ということばには、どうも2種類の意味があるように感じたので、それを伝えたら、一瞬間が空いて
「ちぎちゃん、すごい!そうだ、安心には2つある」
受容がベースとなる受動的な安心と、自らの実践に基づく能動的な安心と、その2種類についての区別、つまり自分の中で理解が進んだようで、それを発見したときの友人の喜びを見て、こちらも嬉しく思いました。
写真は、いつものようにnoteから提供されているものから選びました。その友人がハッとなった瞬間のイメージと重なりました。
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