幡ヶ谷だったら行かなかった - 2024/01/11
深夜に無心で散歩していたら、知らないお姉さんに声をかけられた。
普段は誰かに声をかけられても基本的に耳を傾けないが、女の人の声だったのでつい振り向いてしまった。
内容としては「カットモデルになってくれませんか?」との打診だった。
どうやらお姉さんは美容師の卵らしい。
おそらく一目見ただけで、私が半年間美容院に行ってないことを見破られたようだ。
ヘアケア等なにもせず、半年間ひたすら伸ばしっぱなしのため、髪が乾燥していて箒みたいな髪になっている私の髪の毛を見て、切りがいのありそうな頭だと思われたに違いない。
私も美容室にちょうど行きたいとは思っていたけれど、急に声かけてきた人の誘いに乗るのもなあ……と迷った。どうやって断ろうかなと頭の中でぐるぐる考えながらお姉さんと会話をしていた。
「カラーも無料でおつけします!」と押してくるお姉さんにたじろぎつつ「どこでやってるんですか?」と私が聞くと
「表参道です」と返ってきた。
表参道かあ。そっかあ……。表参道……。
キラキラしたおしゃれなイメージが、私の頭の中で一瞬で展開される。
私が「じゃあ、行きます」と答えて交渉成立となった。
同じ渋谷でも表参道じゃなくて「幡ヶ谷です」と返ってきたら、私は行かなかっただろうなと思った。
私はこの類の権威に弱いんだとわかった。
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私の散歩コース内に、やたら手書きPOPを多用しているファミマがある。
その中に、ファミリーマートをFMと略して書かれた手書きPOPがあることに気づいた。
個人的にはファミリーマートをFMと略すことに違和感があった。でも店員さんは使っているらしい。
コンビニ業界もそういう業界用語や隠語があるのだろうか。
金融関連の人間が三大メガバンをコーポレートカラーで呼ぶように、
はたまたHR関連の会社の人間がリクルートのことを「Rさん」と呼ぶように、
ファミマではローソンのことをLさん、セブンイレブンのことをSさんみたいに呼んでたらなんか嫌だな〜〜うげげ〜とちょっと思った。
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元日に発生した能登半島の地震関連の募金箱がコンビニのレジ前に設置されていた。
その中にはお札が何枚も入っていてびっくりした。そんなの初めて見たかもしれない。
私は、貧乏な年寄りとチンピラしかいないような、とある大阪の街出身だ。
昔、地元で、その市のスピーカー付き広報車?みたいなのが走っていたので内容を聞いてみると
「◯◯市(地元)は、大阪府下で一番ひったくり件数が多い街です、みなさん十分に気をつけましょう」
という内容だった。
今はどうか知らないけど、そのころの大阪は日本で一番ひったくりが多い都道府県で有名だったので、実質ワーストワンが私の地元だったといっても差し支えないと思う。
そんなひったくりの街で育った私は、地元のコンビニの募金箱では10円玉以上の貨幣が入っているのを見たことがなかった。
そもそも、あの募金箱の入り口も硬貨を入れるサイズになっているから、まあそんなものなのかなと思っていた。
そんな募金箱に札がたくさん入っているなんて、東京の人ってすげーなと思った。
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コンビニでニンテンドーダウンロードカード売り場をなんとなく眺めていると、
「アナザーコード」の文字を見つけて思わず目が釘付けになった。
「アナザーコード」は約20年くらい前に出たニンテンドーDSソフトだ。それがまさかSwitchでリメイクされて出るなんて、思ってもいなかった。
しかも、アナザーコードの開発元であるCINGはすでに倒産しているため、もうリメイク等が作成されることはないと思っていたので嬉しかった。
しかし、こんなことを言っておきながら、私はアナザーコードをプレイしたことがない。
じゃあ何にそんなに嬉しくなったのかというと、
私の大好きなDSのゲーム「ウィッシュルーム」シリーズもCINGが開発したゲームなので、
アナザーコードのリメイクが出るならいつかウィッシュルームも……!というかすかな希望が生まれたからとても嬉しかった。
ウィッシュルームはいい。謎解きゲームだけど難しすぎなくて、小説を読んでる気分になる。
なにより、主人公のカイル・ハイド(33歳)が一見ハードボイルドな感じで無愛想でカッコいいんだけど、でもだらしなくてちょっとヘタレでお人好しでめちゃくちゃいい。
やたらといい笑顔でご飯を食べるところもいいし、鏡を見た時に自分の顔を見て「なかなかいい男だな」みたいなこと言うところも面白くて好き。
死んだ(とされている)親友に執着して、いつまでも消息を追っているという設定もなんかいい。
登場人物からちょっと怒られただけでメンタルやられて「ああ……駄目だな、俺って」となってGAME OVERになるハイドさんが好きなんだ。
私はウィッシュルームシリーズの続報をいつまでも待ってます。もちろん新作でもいいので何卒よろしくお願いします。
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年末、とある会社から「資源削減のために年賀状をハガキで送るのやめます」という旨のハガキがうちの会社に届いててちょっと面白かった。
いらなくない?それ。と思いました。
おわり。
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