見出し画像

[全起きSundayはASTROWORLD!?]  (ト)ラップミュージックの導入をハロプロに担ってほしいという暴論

文化の井の中の蛙、日本語ネイティブ(飛ばし読み推奨)

ほぼ自国固有の言語である日本語という言語をもち、国内で消費されるエンタメのほとんどが(本当に定量的な測定ができるわけではないが)その日本語で作られるというのが現在の日本のエンタメの文化構造である。
音楽でいうところの現在のJ-POPの市場の独占が好例だろう。
こういった状況下では、自国のエンタメだけ消費していれば十分楽しいという、経済学でいえば「独占による平和」のような現象が起きる。この中で文化を消費している者の多くは言わずもがな「井の中の蛙」状態に陥り、他の言語によって築かれた文化には興味を示さない。これでは、文化の異種交配が起きる蓋然性は限りなく低くなる。
文化は、その異種交配を重ねて成り立ち、成長するものであり、これがなく孤立化した文化は廃れていくし、残るとしても化石のように外界からは非常に退屈な文化とみなされるようになるものである。
また、J-POPを例に取れば、J-POPの原義は「西洋、特に英語圏の影響を受けた日本語の楽曲」であるくせに、今のJ-POPやJ-ROCKときたら先人たちが数十年前に海外のロックやポップ、ソウル、R&Bを日本語で頑張ってやろうとしたものをどんどん二番煎じ、三番煎じと繰り返しただけのサウンドも多く、かつて、はっぴいえんどが米国ロックを直輸入でやろうとしたり、YMOがテクノで実験したり、井上陽水がニューミュージックをやったりみたいな活気みたいなのは今のJ-POPシーンからはあまり感じられない。
逆に言えば、海外から積極的に文化を取り入れた韓国は映像産業にせよ音楽産業にせよ、かなり凄まじくなっていて、西洋>東洋というような凝り固まった価値観だったり、日本でいうところのBABYMETALに代表される西洋でのオリエンタリズム的な消費に止まっていた東洋から西洋への文化の輸出の風潮を打ち壊しつつある。
もっと簡単な言葉で言えば、西洋に住む人々にとって、韓国とか東洋の文化もいいよねーレベルから、韓国の文化こそすごいんじゃないかというレベルにまで達しているのである。
だからこそ、現在のような日本のエンタメは再構築される必要があり、その初期段階の方策として英語圏または西洋のそれに拘らず、いろいろな文化を日本語でやってみるということは効果的なものであろう。

導入すべき"インフラ"サウンド、「(ト)ラップ」

ここからは、音楽について絞って話をする。
では、今の日本の音楽産業はどのような海外音楽のサウンドを取り入ればいいのか。
その答えの一つとして間違いなくあげられるのは「トラップ」であろう。
トラップはもともと米国サウスのラップの一ジャンルであるが、米国のラップ席巻に伴って、もはやラップのジャンルの域を出てR&Bやポップのジャンルにまで影響を与えている今の米国を代表するサウンドである。どういったサウンドかを言葉で説明するのは難しいが、ハイハットを多用した打ち込みビートと特異なベースラインを特徴とするのがトラップであり、BPMもさほど速くないこともあって、高い汎用性を持ち合わせており、その汎用性が今の英語圏のやジャンルレス化を促している。
とりあえず、Migosを貼っておきます。
(てかMigosのこの曲だってもう約4年前なんだよねー、、と思ったり)

日本の音楽産業は、EDMという船の来航以来、再びの鎖国が続いていて、2015年以降の英語圏の音楽の流行をうまく導入できていないわけであるが、次にやるなら間違いなく(ト)ラップ(トラップおよびラップミュージックの意)であろう。流行も相まって、2020年現在は(ト)ラップから最も多く革新的なサウンドが生まれてきているのも事実であるし。なお、確かにトラップは一般的にはラップのジャンルであるが、「トラップをやれ=ラップの楽曲を増やせ」ではなく、「トラップサウンドをベースとした日本語楽曲を増やせ」と言うのが僕の主張であるということは注記しておこう。

誰が海外音楽を広めるのか

今度は、誰が日本語で現在の海外音楽の流行りである(ト)ラップをやるのかについてである。
当然ながら、一番に上記の(ト)ラップをやるべきであるのは、日本語ラッパーであろう。そして、無知ながらも事実としてトラップサウンドをバックにラップしている日本語ラッパーがそれなりにいるのは知っている。
しかしながら、まともな日本語話者のミュージシャンがこれをやったところで世間に浸透しなかったりする。
例えば、ロックンロールの導入には、米国ロックを導入したはっぴいえんどや独特なファンダムを築いたキャロルまたは矢沢永吉がいるわけだが、これをより一般化し、お茶の間にもたらしてぶっちぎったのは少し面白おかしくツッパリ文化をレペゼンした横浜銀蠅であった。
また、同様に、EDMを日本に知らしめたのは日本を代表するテクノ系のDJではなく、一見してバンドの体裁をなしたSEKAI NO OWARIやアイドル性を帯びた3代目J Soul Brothersであった。
このように、日本語で海外からの音楽を導入するにあたっては、意外性や面白おかしい要素をはらんで話題を生みうる者が実演した方がより波及的な効果をもたらしたりするという事実が経験則上存在するのである。
この法則からすれば、(ト)ラップに関しても、KOHHくんやkZm、m-floが大真面目にそれをやっても、案外、同じファンダムにしか響かず、日本の音楽シーン全体の異種交配は起こりにくかったりするのかもしれない。むしろ、本来畑違いに見える者が(ト)ラップをやることが、そのファンダムのバリエーションと相まって、面白い化学反応を期待できる可能性がある

ハロプロに白羽の矢を立てる

では、ラッパー以外で誰が(ト)ラップをやるのか。
かなりの暴論であるが、ここで僕が白羽の矢を立てたいのが、女性アイドルグループ5つを抱える音楽事務所、ハロー!プロジェクトである。
ここでハロプロを持ち出したのは、当然ながら、僕がハロプロの狂信的な(割には詳しくないが)ナードであると言う理由が大きいのであるが、それ以外にもそれなりの理由がある。
それはハロプロは元々海外音楽の導入が得意な事務所であると言う理由である。
例えば、モー娘。初期のこの楽曲

2000年代初頭の大ヒット曲の一つであるが、まずその辺の2000年代J-POPという雰囲気はなく、これには当時のモー娘。のアイドルとしてのコミカルさとジョルジオ・モロダー×ドナ・サマー様のディスコの名曲"Hot Stuff"をオマージュしたサウンドが相まって独特な雰囲気を帯びた楽曲となっている。

(最近では日テレの有吉の壁のBGMとしても使われてますね)

また、最近のハロプロ楽曲にも海外音楽導入てんこ盛りの楽曲がある。それがその奇抜さで有線1位も獲得したJuice=Juiceのかの"ポップミュージック"
まあ、ハロオタにはもうおなじみであろうが。

僕が確認しただけで、下の6つの楽曲がオマージュされている。

他にも、例えば、こぶしファクトリーの『辛夷其ノ壱』は、アルバム全体として2000年代以前の英語圏の楽曲のオマージュ(念には念→T Rex/急がば回れ→ニルヴァーナ/懸命ブルース→ツェッペリン/押忍! こぶし魂→アース etc.)がてんこ盛りだったりして、ハロプロのこう言った海外音楽のオマージュだったり直接的なレファレンスのある楽曲は結構多いのである。音楽オタクは調べてディグると本当に楽しい。

さらに、間接的なレファレンス、と言えばいいだろうか、直接は特定のアーティストのオマージュがなくとも、明確にあるジャンルをベースにしていることがわかるような楽曲は、もうそれはそれは膨大な数、存在する。

二つのジャンルを例示するが、まずは、スカ
スカというジャンルは、日本での演奏人口は恐らくながらめちゃくちゃ少ない(海外も少ないだろうけど)。スカパラが氷結のCMで一般認知された今でこそ、人々があの早い裏打ちと管楽器を使ったサウンドがスカか!と認知できるようになっているが、それ以前から大衆がスカパラやKEMURIを聴くということはあまりなかったと思う。
しかしながら、当ジャンルの大衆化以前からハロプロ楽曲には結構導入されていた。それも、ここにいるぜぇ!とかまじですかスカ!とかピョコピョコウルトラなどなど本当に名曲ばかり。マイナージャンルでも、ハロプロはそれをきちんと吸収して自分たち自身の魅力に還元することができる。

もう一つ語るべきなのは、近年のモー娘。楽曲に代表されるEDM路線であろう。
先述のように大きく分ければ最後に日本にやってきた海外音楽のジャンルはEDMであったが、ハロプロはこのジャンルを導入したことで大衆化まではいかなかったものの、新しいファン層を開拓した。
モー娘。のEDM曲といえばなんだろうと思ったが、やっぱり僕の好きな "A gonna"を貼ります。

そして、日本語楽曲で、最も海外のEDMをそのままにパフォームした楽曲は、おそらくJuice=Juiceのこの楽曲であろう。てかただのAviciiだよね、、名曲です。

上記のように、ハロプロは、そのレファレンスの直接性や、ジャンルの新旧、メジャーやマイナーに拘らず、海外音楽の様々なジャンルを消化する能力がある
この能力は当然ながら音楽制作陣の音楽的素養の高さや演者であるメンバーたちの持つパフォーマンスの素晴らしさに裏打ちされるものであり、簡単に他のアーティストがなし得るものではない。
また、彼女たちの一般的なレッテルはあくまでアイドルであり、アイドルが海外からやってきたホンモノの楽曲をやってみせるという点で、上記のような横浜銀蝿やセカオワのようなギャップを創り出す事ができる
これが暴論ながら僕がハロプロにトラップ導入の担い手になってほしい理由である。

トラップ導入の兆し?つんく作、"全起きSUNDAY"

僕個人が(ト)ラップとハロプロのクロスを意識するようになるきっかけとなったのが、昨年末発売のアンジュルムの"全然起き上がれないSUNDAY"であった。

曲名を見た限りでは陽気な二度寝の楽曲なのかなと思っていたが、いざ音源を聴いたら度肝を抜かれた。
歌詞の内容は、顔だけ爽やか男に遊ばれた女性の心情。サウンドはTravis Scottのアルバム『ASTROWORLD』のデラックス盤に入っていてもおかしくないような近未来的な電子音で構成されたシャレオツな音像。

歌詞はLil PeepやLil Uzi Vert、Juice WRLDに代表されるエモラップのような内容、そして音像はトラップのアーティストではないけれど、今のラップシーンで最も重要な人の一人であるトラヴィス・スコットライク
これはもはやつんくさん、ハロメンにラップサウンドやらせようとしてんのかなと思ったし、確かに、前のEDMのようにハロプロが海外での流行であるトラップやり始めたら面白いよなーと思わされた。

飽くまでも海外音楽とハロプロの兼任オタクの妄想です

この記事での主張はかなりの暴論であると言うことは十分に承知していますし、事実、このような事が実現する蓋然性は高くないでしょう。
ですので単に、海外音楽とハロプロが好きな21歳の野郎が、「ハロプロが(ト)ラップサウンドベースの楽曲作ってきたら、毎日のご飯とお酒がより美味しくなるよねー」と言って妄想しているだけの記事だと理解していただければ、、

でもさ、星部ショウさんとかもさ、BEYOOOOONDSのアルバムのベースとなってる歌謡曲サウンドやTKサウンドから、さらにこぶしの"辛夷の花"に代表されるフォークサウンドから、アンジュの"赤いイヤホン"みたいなEDMまで作れちゃうんだから、絶対にトラップサウンドをベースに楽曲作れそうですよね。
それに、つんく♂さんに関しては"KOKORO&KARADA"みたいな今の海外音楽よりもずっと未来的な構成をなした楽曲作ってきちゃうし。

さらに、たけちゃんが60try部で言うにはきしもんはバリバリにラップできるみたいだし、、
こう言うことばっか考えていると、いつかは、特徴的なあのリズムにTR-808のベースが効きまくったトラップサウンドのハロー楽曲が世に出るんじゃないかなんて思っちゃいますよね。
これは期待させるようなポテンシャルを持ち合わせているハロプロのメンバーと楽曲制作陣が悪いと思います。

暴論は異常です、、


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?