ランダム小噺「ホテル」

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 旅行の楽しみの一つはホテルに泊まることである。もちろん観光名所を巡ったり、その土地の料理を楽しむのは旅行の際たる楽しみではあるが、それにつけてもホテルに泊まることができるという特別感が一層旅を魅力にさせてくれる。

 シンプルなワンルームに備え付けられた机やテレビ、温度調整の難しい冷房、そして何故かベッドの中にまで入り込んでいるシーツ。一体なぜホテルのベッドはシーツがベッドに入り込んでいるのだろうか。毎回結構な力で引っ張って取り出すのだが、いつも疑問に思っていた。

 温度調整が難しいといえば去年アメリカのホテルに泊まった時のことである。観光から帰ってホテルの自室に入ると、えげつない程冷房が効いていた(18度ほど。ちなみにこの時、外は真夏の35度である。)。どうやらアメリカ人は夏場に冷房をフルで働かせて、ベッドで暖かくして寝るのが好きらしい。これで環境問題に関して言及しようとしているのだから笑ってしまう。

 もう一つアメリカのホテルで驚いたのは水回りの問題である。NYのホテルに泊まった時、久しぶりにバスタブにでも浸かろうと思いシャワーの水を湯船に溜めていた。するとなんと、溜まっていく水がどんどん黄色くなっているのではないか。NYでもそこそこ歴史のあるホテルに泊まっていたとはいえ、まさか出てくる水が黄色くなっているとは思わなかった。歴史があると言うもの考えものである。ホテルの部屋を加湿しようと思いシャワーを出しっぱなしにしていると、火災報知器がなったこともあった。割とアメリカホテルあるあるらしく、シャワーをする時はきちんとシャワー室と部屋のドアを閉めておかないと火災報知器が反応してしまうのだ。日本のホテルと違って妙なところで融通が効かない。

 一番ホテルを利用したことのある国は日本だが、その次は中国である。中国のホテルは玄関、フロントは大変豪華だが部屋はフロントほどお金をかけていない印象だ。特に昔は酷くて自室のトイレはトイレットペーパーを流すことができなかった。トイレットペーパーをトイレに流すことができないのは、割と中国あるあるではあるのだが、少し前に中国を訪れた時はしっかりトイレで紙を流すことができて大変感動した。

 後はそうだなぁ、プール付きのホテルに泊まった時は大変テンションが上がる。別に普段は市民プールに行くこともないし、なんなら泳ぐのはさほど好きではないのだけれど、ホテルにプールがついているとなると話は別である。よく分からない義務感に駆られて、絶対にそこのプールで泳ぐと決めている。

 コロナ自粛の影響で海外のホテルに泊まることは当分来ないだろう。また、国内に目を向けると、自粛の影響でホテル産業が大変だと聞いた。夏休みはどこかホテルに泊まって、特別感を感じながら勉強するのもありだよなぁ。

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