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漫才台本「竜宮城」

琴葉姉妹のために書いた漫才の台本です(最後に動画がありますので御覧ください)

台本

茜・葵「はいどーも」
茜「目から鱗な話を聞きたいです。琴葉茜です」
葵「話を聞くなら耳から鱗では?琴葉葵です」
茜「慣用句というものご存知ない?」
葵「二人合わせて」
茜・葵「琴葉家です!よろしくおねがいします!」
葵「最近浜辺をよく歩くんですよ」
茜「目的もなく浜辺を歩くのはええねぇ。景色をみて癒されるし」
葵「いやいや、ちゃんと目的があるんだよね」
茜「あ、そうなん?どんな目的?」
葵「浜辺でいじめられてる亀を探してるんだよね。竜宮城に行きたいからさ」
茜「おとぎ話の住人か!?おるわけないし、おったとしても竜宮城に連れて行ってもらえるわけないやろ!」
葵「そんな夢のないこと言わないでよ。竜宮城が存在するにしてもしないにしても亀を助けないことには行くこともできないんだから」
茜「まあそうなんかもしれへんけど。相手が多かったりしたら危ないで?1人ってことはないやろうし、3人がかりでいじめてたら止めに入って返り討ちにされる可能性もあるし」
葵「多勢に無勢っていうことだったら別に浦島さんだって同じことでしょ?」
茜「いや浦島太郎を実在の人物みたいに呼ぶなよ」
葵「でも確かに。お姉ちゃんに言われるまで気づかなかったけど、相手は子供とはいえ、人数差はどうやって覆したんだろうなぁ」
茜「よく気づいてくれたわ。危ないからもう竜宮城サーチング浜辺散歩はやめとき?」
葵「そうか!浦島さんは長ものを持ってたんだ!」
茜「釣り竿持ってたけど!あれを武器と捉えるなよ!あんなもんでいじめてた子供叩いたりしたらそっちが加害者やないか!」
葵「じゃあ私も浜辺にはさすまたもっていくようにするよ」
茜「現代の長ものやけど!普段からさすまた持ち歩いてる人おらんて!」
葵「とりあえず亀さんを助ける算段はついたし、竜宮城に行ける可能性が高まったね」
茜「まあそうかも知れへんけどな。なんでそんなに行ってみたいんや?うちが知ってる話やと歳取る箱渡されたりで案外大変なイメージもあるんやけど」
葵「その点については心配いらないよ?私竜宮城に行きたいだけで、亀さんを助けたお礼のもてなしとか全部断るつもりだから」
茜「それじゃあますますなんで行きたがってるんかようわからんやないか」
葵「私竜宮城の間取りがすごい気になってるんだよねぇ」
茜「まさかの内見目的!?せっかくあるかもわからん竜宮城に行って内見するだけ!?」
葵「いやー考えるだけでもワクワクするね、3LDKよりは広いと思うんだけどどうだろう」
茜「そんな庶民的なわけないやろ!仮にもお城やねんから!」
葵「あ、さすがお姉ちゃん!いい視点だね!」
茜「いい視点か知らんけど、どう考えてもお礼受け取った方がええて。内見もちょっとさせてもらうぐらいの時間あるはずやから」
葵「いやいや、竜宮城の人たちに大したお礼ができるわけないんだから」
茜「いや竜宮城なめてるやろ!そんな事ないって!」
葵「よく考えてみてほしいんだけどさ、魚の舞が披露されるってことは魚を常食してるとは考えられないじゃん。共食いみたいになっちゃうわけだから」
茜「それはたしかにそうか?」
葵「となってくると私達が食べられるもので期待できるのは山の幸中心になると思うんだけど」
茜「いやそれこそ魚に取れそうにない代物やないか!」
葵「そうなんだよ!最悪のケースだとプランクトンのお吸い物とか出されて「これが絶品なんですよ」なんて事になりかねないんだよ!」
茜「竜宮城信じてる割に変なところリアルに考えすぎやろ!乙姫が頑張って地上にでて買い出しとかしてくれるって」
葵「それじゃあ別に普段食べてるものと変わらないってことじゃん!とにかく料理は食べない!」
茜「頑なやな。でも魚と乙姫の舞は地上でみることはできんのとちゃうか?」
葵「どう考えてもももクロのライブの方が盛り上がってるよ」
茜「いや!いや?確かにそうか?」
葵「でしょ?結局昔から価値観アップデートできてないから大した感動体験を生めるわけがないんだよ」
茜「いや竜宮城のことめちゃくちゃディスってんなぁ!その感じで来られたら絶対迷惑やて!」
葵「それがわかってるからこそちょこっと内見だけさせてもらって帰ろうっていってるんだよ」
茜「それでも間取り気にしてるのは珍しいて。」
葵「お姉ちゃんが言ってくれたようにお城なんだから普通の間取りじゃないとなると余計にワクワクしてきたなぁ」
茜「まあ楽しそうやからええんかもしれへんけど」
葵「内見させてもらうときは気をつけないとね。よく知らないお城を歩き回ってたら危ないから」
茜「まあそら迷ったりしたら取り返しつかんしな」
葵「いやいや、堀に落っこちちゃうかもしれないじゃん」
茜「堀?それは大丈夫やろ」
葵「なんでよ!お城なんだから外敵から守るために堀で囲まれてるはずじゃん!」
茜「いや海の中の城やねんから堀で防げる外敵なんておらんねん!」
葵「なんて賢い!こんな姉が欲しかった!」
茜「ずっとこんな姉ですけど!?」
葵「実はまだ心配してることがあるんだけどね」
茜「この際やから全部出しとき?」
葵「もしかしたら本丸に通してもらえないんじゃないかなって…」
茜「いや日本の城に本丸二の丸ってあるけど!」
葵「唐突な客人が曲者である可能性も考慮して三の丸までしか見せてくれない可能性も十分ありうるよなぁ」
茜「そこ考慮するならそもそも中に入れるなよ!」
葵「まぁ三の丸に通してもらったとしても乙姫様に誰が建築したのかだけは聞いとかないとなぁ」
茜「知ってるかぁ!うちもうちが住んでる家誰が作ったとか知らんわ!」
葵「なんで!?私達の家は須藤武夫さんが建築してるじゃん!」
茜「こっちこそなんで!?まじで知らん人の名前が出てきたんですけどぉ!?」
葵「もう!なんでそんなに興味ないの!?信じられない!」
茜「いやこっちのセリフやねんそれは!竜宮城までせっかく行けたのに内見だけして帰るってところからようわかってへんねんから!」
葵「そっか、竜宮城だからお姉ちゃんにわかってもらえないのか。実は私、鬼ヶ島の間取りも気になってるんだよね」
茜「いやおとぎ話の間取りシリーズにそもそも興味ないねん!もうええわ!」
茜・葵「どうもありがとうございました」





あとがき

龍宮城に内見目的で行くっていうだけで面白いなとは思ったんですけど、もっと面白くできた気も?
それで面白くできたら全く苦労せんわけですが。個人的にはプランクトンのお吸い物が好きです

動画

この台本から作った動画です。どうぞ御覧ください


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