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漫才台本「モヤの濃い日」

琴葉姉妹のために書いた漫才の台本です(最後に動画がありますので御覧ください)

台本

茜・葵「はいどーも」
茜「犬こうてみたいですねぇ。琴葉茜です」
葵「犬見てみたいですねぇ。琴葉葵です」
茜「見たことないん!?」
葵「二人合わせて」
茜・葵「琴葉家です!よろしくおねがいします!」 
葵「少し前の話なんですけど、すごいモヤが掛かってることがありまして」
茜「モヤ?」
葵「モヤがすごすぎて、そんな状態もう、やです。なんて言ってみたり」
茜「ごめんちょっとモヤがかかってるってのがいまいち伝わってないのにそのダジャレは早いかも」
葵「だからモヤだよ」
茜「なんか白い霧みたいなのが出て視界が悪かったみたいなこと?」
葵「そうそう。その日はもうモヤがすごすぎてね。なんにも見えないの」
茜「そんな日あったかなぁ?」
葵「なんにも見えないから、もしかして目が悪くなっちゃったかなぁって思ってまずメガネ屋さんに行ったんだよね。」
茜「シンプルになんでやねん!原因がもやってわかってんのになんでメガネ屋に行くねん!」
葵「メガネ屋に一旦行ったんだよ」
茜「ちょこちょこ挟むそのダジャレなんやねん!話わかりにくなるからいらんて!」
葵「今のメガネ屋ってすごいんだよ!メガネ屋に入った瞬間めちゃくちゃ見える様になって」
茜「そりゃ外のモヤが原因なんやからそうやろ!メガネ屋に限らずどの屋内に入っても解決する問題やねん!」
葵「そんで店員さんに「ごめんなさい!目が見えないと思って入ってみたらすごくよく見えるんで帰ります」って伝えたんだよ」
茜「とんでもない変人やけどそうするしかないわな」
葵「そしたら店員さんも笑顔で「こういうモヤがかかってるときはそういう方多いんですよねぇ」って送り出してくれてね」
茜「葵だけやなかった!モヤ近眼をメガネで直そうとする人葵だけやなかった!」
葵「とりあえず外に出たらやっぱりモヤでなにも見えないのよ」
茜「さっきのメガネ屋で何一つ事態は好転してへんからな」
葵「何も見えないから右往左往してたら、突然知らない人と手を繋いじゃったのよ」
茜「こわっ!お互い見えない人から触られるだけでも結構怖いのに何その状況」
葵「そしたらその人も「ちょ、こんなところで積極的だなぁ」って言ってきて」
茜「きっっっっっっしょ!!きしょすぎ!勘違い甚だしい!」
葵「私もむかついたから「は?ばーか!ばーか!」って返して」
茜「あっっっっっほ!あほすぎ!語彙力なさすぎ!」
葵「その人も嬉しそうに「つ、ツンデレかぁ」とか言うわけ」
茜「きっっしょ!!!お前の趣味カテにこっちを勝手に合わせるなよ」
葵「そんなこと言われたこと無いしどうしたらいいかわからないから、「そ、そんなわけないでしょ!勘違いしないでよ!」って返してさ」
茜「楽しんでるやろその状況を!魔性の女!」
葵「その人舞い上がっちゃったみたいで、「す、好きです!」って突然告白してくるわけ」
茜「露骨に恋愛経験少ないタイプやな。モヤが与えてくれた一筋の光に猪突猛進やわ。」
葵「私もまさかそんな事言われると思ってないし、「ご、ごめんなさい、顔も見えてないのにそんなこと言われても」ってすぐに帰ろうとしたんだよ」
茜「モヤ濃過ぎやろ!手をつなげる距離でも顔見えへんって自然災害レベルやないか!」
葵「そしたらその人手をぐいと引き寄せて」
茜「なんで小説家口調やねん」
葵「「この恋を逃したらもうチャンスは来ないと思うんだ」とか言い出すんだよ」
茜「知らねぇーーーーー!!!なんやその稀代の勘違い非モテ人間!」
葵「私もそんな理由で引き寄せられてたまるかと思って抵抗して」
茜「モヤの中で取っ組み合いの喧嘩とかアニメの最終回みたいになってきたな」
葵「一言言ってやったのよ「私にはまだチャンス来るんで離してください!」って」
茜「言うたらあかんことを…こいつ自分の若さに絶対の自信をもってやがる」
葵「相手も意地なのか絶対に手をはなさないのよ。「君の手は目にわさびを塗られても絶対に離すもんか!」とか言ってさ」
茜「死んでも離すもんかとかでええやろ!なんでとっさに思いつく例え香辛料やねん!」
葵「私も「わさびが柚子胡椒だったらどうします?」とか聞いてみて」
茜「仲よなっとるやないか!やっぱりボディタッチが効いてるんか?」
葵「普通に「わさびよりは柚子胡椒のほうが好みです。あなたの好きな香辛料はなんですか?」とか会話が始まって」
茜「香辛料お見合い始まってるやん!なんやそのモヤモヤハンドシェイクおしゃべり会!」
葵「そっからなに話したかあんまりおぼえてないんだけど、気づいたらモヤが晴れてきてて」
茜「盛り上がって時間も忘れてるやん!ベストカップルやん!」
葵「2人で大声で話してたみたいで、モヤが晴れてみるといろんな人が周りを囲んでるわけよ」
茜「まあモヤがかってたとはいえ町中やし、野次馬集まってたんや」
葵「そしたらなんか私達が仲直りしたと勘違いしたのか周りの人達手をたたきながら「コングラッチュレーションズ」って口々に言い出すのよ」
茜「なんで海外版のエヴァンゲリオンみたいになってんの!?」
葵「やっと顔見えたし狙いが定められるってことでビンタして帰ったんだけどね」
茜「いやめちゃくちゃムカついとるやないか!あと暴力はあかんで!あかんから終わりましょ」
茜・葵「どうもありがとうございました」




あとがき

葵ちゃんの不思議体験話シリーズとでもいうのか、ナルトが増えたり困ったもんです。このネタ序盤ちょっと失速気味かなって思うんですけど、香辛料ぐらいから謎の盛り上がり見せてくれるので予想外に良かったっていうネタですね。

動画

この台本から作った動画です。どうぞ御覧ください


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