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漫才台本「完全接客マニュアル」

琴葉姉妹のために書いた漫才の台本です(最後に動画がありますので御覧ください)

台本

茜・葵「はいどーも」
茜「好きなきのこはしめじです。琴葉茜です」
葵「好きなきのこはたけのこです。琴葉葵です」
茜「それきのこちゃうよ?」
葵「二人合わせて」
茜・葵「琴葉家です!よろしくおねがいします!」
葵「ついに完成しました!」
茜「は?」
葵「誰もが待ちわびたでしょうね。安心してください、ついに完成したので」
茜「ちょちょちょ、何の話?」
葵「まあまあ。そうやって急くのもわかるけど、ステイステイ」
茜「いやなんの話かわかってへんから聞いてるんやけど?」
葵「そうやって!すぐに答えを求めるのが今の若者のだめなところなんだよ!」
茜「理不尽すぎるやろ!なんでキレられてんねん!気になりすぎる。何が完成したんや?教えてくれぇ」
葵「そこまで言うならしょうがないなぁ。完全接客マニュアルです」
茜「完全接客マニュアル?」
葵「そう。お客様のことを考えてない店員が多すぎるこの世の中。私はそういう世界を憂いて、ついに書いてしまったのがこの完全接客マニュアルなんだよ」
茜「さっきうちのこと考えられてない対応取ったばっかりやないか!めちゃくちゃ理不尽にキレられてるんですけど!?」
葵「まあまあ、そんな私でもこの完全接客マニュアルがあればすべてが解決するんだよ。完全接客マニュアルを身につけることでお客様の考えることはすべてわかってしまうんだから」
茜「そうはいうて…」
葵「そうはいっても本当にだれでも効果があるのかって疑問は拭えませんよねぇ?」
茜「そうやで?誰でもできるわ…」
葵「わけではない!接客には向き不向きがあるとお考えなのはわかりますよ?しかしそれでもこのマニュアルを使えばお客様の望むことが手に取るようにわかるわけなんです」
茜「うさんくさいなー。普通に店内マニュ…」
葵「マニュアルでいいんじゃないか?というお客様の声があることはわかっています。しかしそれだけでは不十分!」
茜「うちの考えを先回りして…これが完全接客マニュアルの力…?」
葵「興味出てきた?」
茜「いや気持ちがわかっても先回りされて…」
葵「気持ちのいいものではない…ですよね?」
茜「わかっとるなら先回りすな!超能力新興宗教教祖か!」
葵「じゃあ早速完全接客マニュアルの全貌を明らかにしていきたいと思います」
茜「なんで未解決事件検証番組調やねん。明らかも何も葵が作ったんやろ?」
葵「そもそも接客とは何か?」
茜「本の「はじめに」みたいな始まり方やでぇ。」
葵「かつてはお客様が欲しがるものを丁寧にお渡しするのが「接客」でしたが、ネットで買えてしまう昨今ではそれだけで十分とは言えないのが現状です」
茜「そうかも知れんけど、前置きが長いな」
葵「商品の知識を頭に入れてるだけなら誰にでもできる。この接客マニュアルの目指す場所はその先にあるのです。そもそも今どのようなコミュニケーションを取ればお客様が喜ぶのかということを真剣に考えると難しい」
茜「長いなーーー。はよ本題にはいってくれ」
葵「同じ言葉をかけて喜ぶお客様がいらっしゃれば、そうでないお客様もいらっしゃる。そう考えると完全な接客などというのは無いと言うのが現状でしょう」
茜「ほうほう…は?!」
葵「は?!」
茜「は?!」
葵「は!?」
茜「うちの「は?!」の先回りしようとせんでええねん!なんや今の「は?!」のデッドヒートは!長々聞いた挙げ句完全接客マニュアルの存在意義を根底から覆すようなことが最後にのってたんやけど?」
葵「そりゃそうじゃん。いかのお寿司頼んで生きたタコを渡されたときに喜ぶ人とそうでない人がいるんだから」
茜「いかのお寿司頼んだときはいかのお寿司出しときゃ誰でも喜ぶねん!なんで生きたタコ出すんや!頼まれたもの以外出して喜ばれることないから!」
葵「でもお姉ちゃんにコンビニおにぎり買ってきてって頼まれたときに代わりにダイヤモンド渡したらとんでもなく喜ぶでしょ?」
茜「とんでもなく喜びますけど!?そりゃダイヤモンドは大量のコンビニおにぎりになる可能性を秘めてますからねぇ!」
葵「それと同じじゃん。生きたタコも大量のタコずしになる可能性があるんだから」
茜「せめて大量のいかずしになる可能性のある生きたいかを渡してくれよ!生きたいかでも喜ばへんけど!」
葵「えぇと、お客様が怒ってるときは123万8923ページに載ってたかな」
茜「とんでもないページ数!!誰が読めるねんそんなもん!」
葵「個別のケースに対応してたらそれぐらいのページ数になるよ。えぇと、生きたタコの話をして怒ったお客様の対処法…」
茜「細かすぎるやろ!読み込めたとしても覚えてられへんわそんなん!」
葵「これだけ細かく分けてればみんな安心してお店を開くことができるでしょ?」
茜「そう簡単にいくかねぇ?」
葵「これで海開きが待ち遠しくなったんじゃない?」
茜「海開き?なんで?」
葵「海水浴場でちょっと高めの焼きそば売ったりするんじゃないの?」
茜「なんでうちが海の家開業したい前提で話すすめてんねん!うちのことなんにもわかってへんやないか!もうええわ!」
茜・葵「どうもありがとうございました」




あとがき

せめて大量のいかずしになる可能性がある生きたいかを渡してくれよ!っていうつっこみがすごい好きなんで満足っちゃ満足です。思ったより後半伸びなかったかも?なんかネタ書いてるのに他人事なのよくわからないんですが、自分でもたまに自分でネタ考えてるかわからない瞬間があるので

動画

この台本から作った動画です。どうぞ御覧ください


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