名前、名前、名前。
ネーミングセンスはありませんが
A子だのB子だのというのは味気ないし、なによりわかりにくいから。あだ名をつけようと思う。
思いつき次第、人物紹介も編集しようと思う。
あのときわたしに屈辱的なニックネームをつけてくれたお返しだ。つまりはこれも復讐の一環ということで。
羨ましいレベルの悪知恵
あいつらの「ニックネーム」は実に悪意に満ちていた。
その名前はわたしの本名にかすりもしていなかった。どうやら、ぽっちゃりとした有名キャラクターをもじったものらしかった。
その名前はわたしと奴らのいる場所でしか使われなかった。
もしわたしがその名前に抗議したなら「あんたのことじゃないから」と言い逃れされただろう。
もしその名前を万が一だれかが聞いたなら、「キャラクターの話をしていただけだ」とごまかすつもりだったんだろう。
一枚の写真
わたしの小3から小5にかけての記憶は、かなり断片的だ。その数少ない記憶のひとつが昼休みの風景。動画というよりほとんど写真に近いと思う。
その写真は、わたし視点のたった一枚。俯いた視点には、木でできた古い机。内容の読めない本。
投げつけられる言葉は聞こえているが聞き取れない。
他の記憶で補填しながら、状況を説明してみよう。
一枚の写真(別視点)
時間は昼休みだ。わたしは人気のない教室にひとり座り、図書館で借りた、大して興味もない本を読んでいる。たしか偉人の伝記を漫画にしたものだ。そんなことだけ覚えている。
他に座っている生徒はいない。
同級生も先輩も後輩も多くは校庭で遊んでいる。遠くではしゃぐ声が聞こえているかもしれない。
奴らは教室の後ろ側、ロッカーの前にたむろしているらしい。らしい、というのは私が一度たりとも振り返ることができなかったからだ。奴らはこちらに聞こえる大声で悪口を言い、嘲り笑う。言葉の内容は聞こえていたはずなのに、思い出せない。
歪む
当時のわたしは標準体型だった。顔立ちは平凡そのものだが、とりたてて醜いということはなかったと思う。
けれど当時のわたしは自分を「デブ」で「ブス」で恥ずかしいと思っていた。原因はどうかんがえてもさっきの「写真」だろう。
あとは「暗い」とも思っていたが、まあこれは事実だ。
わたしは今に至るまでかなり内向的だし、おまけに陰湿だし、過去に囚われまくりだ。
今でこそ(悪口として成立しないくらいには)全く気にならないのだが、当時はかなり気にしていたと思う。
動機がわたし自身だというなら
わたしはすごく視野の狭い子どもだったと思う。
おまけにトロかった。人に合わせるのが苦手だった。楽しい話ができなかった。
そのくせ勉強は得意ときたものだ。ついでにいうとうちの家族はすごく仲がよかった。
家にいる時が一番幸せだったから、奴らと校外で遊んだ記憶はあんまりない。
あいつらをイラつかせる理由は、本人が思いつくだけでも枚挙にいとまがない。
結局のところ、動機はどれだったんだろう。
わたしの性格か、態度か、配慮のなさか、鈍臭さか。あるいは嫉妬させる何かがあっただろうか。「なんとなくムカつく」とか、「感性が合わない」とか、だから単純に一緒にいたくないとか、そんな感じだったかもしれない。
ちゃんと名前のある理由を求めるなんて、無理な話なのかもしれない。
それはそれとして
でもあのときわたしは、心に一生残るほどの傷をつけられた。
そして、そんなことをされる正当な理由なんてなかったと思う。
わたしは欠陥のある人間だったろうけど、ムカつくクラスメイトだったかもしれないけど、一方的に虐げていい人間ではなかったはずだ。
そもそもそんな人間、存在しないと思うが。
シリアスが向いてないといったそばから、シリアス決めちゃった気がする。コメディすぎず、重すぎないあだ名を考えることにしよう。
筆者の性格のせいでちょこちょこコメディ調が混ざるけれど、いじめなんてものを扱った文章が喜劇であって良い訳ないものな。
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