見出し画像

例えばのはなし

わたしは、妄想している。

ねえ、そこのあなた、ちょっと付き合ってくれませんか?
復讐者の妄想ですから、気持ちの良いものではありません。それでも良ければ、ですが。

例えば。

あなたは、いつも通りにSNSを見ている。
すると、こんなアカウントを発見した。

自分とよく似た名前。
自分と同じ出身地。
住んでる地域や職業も一緒。
ほかにも共通点がちらほら。

あなたはアカウントの投稿を見てみる。
そして、「あなた」との違いに気づく。

そのアカウントは、大切な人の悪口を言っている。
自分はそんなこと思ってないのに。

そのアカウントは世間的に叩かれそうな発言を平気でしている。
自分はそんな馬鹿なことはしないのに。

そのアカウントは不特定多数に性的なアピールをする。
自分はそんなこと望んでないのに。

そのアカウントは、黒い本音や悪事を堂々と話している。
ーー自分は隠し通してきたのに。

妄想終わり。

わたしは最近、こんな妄想をしているんです。

どう思いましたか?
そんなアカウントがあったら、嫌な気持ちになりますよね?
不気味だし、怖いですよね?

偶然?
いたずら?
もしかして、自分の情報が誰かに漏れている?
不安は広がる、際限なく。

考えたくはないけれど、
信頼している誰かに、裏切られている?
なんて。

あなたならどうしますか?
とりあえず放置、でしょうか?

でも。
できたら、そんなアカウント、消えて欲しい。
そう思いませんか?

あなたが、直接そのアカウントを消すのは無理でしょう。
パスワードだってわからない。
だってあなたは本人じゃない。

その人は「たまたま」あなたと似ているだけの人。
あなたに消す権利はない。

「通報」してみましょうか?
SNSの機能でも、なんなら警察にでも。

けれど、そのアカウントは消えるでしょうか?
それほど重大な罪を犯しているでしょうか?

そのアカウントはあなたに似ている。
けれど、決してあなたが作ったものではない。
あなたは投稿なんてしていない。

その投稿の中に、あなたの真実が含まれていても。
あるいは、根も葉もないことで、あなたが傷ついても。

これは例えばの話です。
わたしの妄想なのです。

気を悪くしてしまったらごめんなさい。

復讐ちゃんより、愛を込めて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?