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No.6 自然農法無の会

団体紹介

自然農法無の会 + ZEN-BUによる共同研究
・自然農法無の会:創業2005年、福島県最大の有機水稲栽培面積を誇る農業法人。
16haの圃場にて、米、野菜、大豆、菜種、そば、果樹を全て有機栽培で育てている。
・ZEN-BU:2023年3月創業。無の会の若手メンバーによって設立された株式会社。
自らが当事者となり、社会の根幹を成す産業に新しい息吹を吹き込むために活動中。Regenerative Agricultureの会津における実験を行っている。



ローラークリンパーによるクリンプ(ライ麦の踏み倒し)
クリンプ後(踏み倒し後)

圃場紹介

自然農法無の会 + ZEN-BU

ライ麦圃場面積 約1.5反。
前年秋にライ麦の種まきをした圃場で、あやこがね(大豆)と野菜各種を栽培した。
【クリンパー作成→ライ麦のクリンプ】
ライ麦を倒すためのローラークリンパー作成のために4月より材料調達に乗り出し、5月中旬から田植え期間中の最後2週間ほどをかけて作成。
地元鉄工所のご厚意もあり、人生で初めて農機具の図面を引き、鉄を切り、溶接、塗装を行った。
材料はもう一台分が作れるパーツがあるため、もし欲しい方がいたら作成が可能。

6月上旬、ローラークリンパー納品日にそのままライ麦の倒伏作業を行なった。
2mの背丈に育ったライ麦たちが、「パリパリ」という音がする中、綺麗に倒された。

【野菜】
シャベルで穴をあけ、大分遅苗となったあまりの野菜苗(なす、ピーマン、ししとう、トマト、きゅうり、かぼちゃ、マクワウリ、モロヘイヤ等)をそれぞれ5~8苗ずつくらい植えていった。
野菜はおおむね初期生育が悪く、
原因の候補として、

1)ライ麦に窒素分を吸われすぎた。
2)ライ麦カバーによって地温が上がらず、発根が遅くなった。
3)遅苗だったため、そもそもの生育が悪くなりがちがった。

1)に関しては、7月中旬にアミノ酸肥料による追肥を図って改善を試みたが、その後雨が全く降らず、肥効がなかった。
収量としては、通常の無の会の畑の10分の1にも満たないくらいで、草丈もトマトとモロヘイヤ以外は通常の半分くらいの大きさ・長さであった。
来年以降は適期の苗をクリンプ後のタイミングで植えてみたい。

【大豆】
大豆の播種機がなかったため、無の会に遊びにきていた友人たちと一緒に手でライ麦をかき分け、土の部分に豆を押し付けて一箇所二、三粒くらいの割合で植えていった。
ライ麦にカバー厚みがあり、発芽後の大豆が上部まで伸びてこれるかが心配であったが、概ねライ麦の間をかき分けて発芽。
ライ麦をかき分けたままにしていたところの方が発芽率が良かった印象。
大豆はその後スクスクと成長。8月ごろに葉が虫に食べられている個体が20個体くらい見受けられたが、概ね良い生育状態のまま今に至る。
雨不足となる前までの7月上旬ごろまでは、茎の太さは耕運して植えた大豆の方が少し太く、歯の厚みもあったが、ライ麦畑の大豆は葉色を含めて極めて健康に育っていた印象。
雨不足と高温の7月下旬から8月いっぱいの間で、生育格差はかなり縮まった模様。
前半の生育の差は播種が耕運畑の大豆よりも2週間ほど遅かったことも一部起因するかもしれない。

まだ収穫を行っていないが、大豆の実のつき方はあまり良くない。通常の畑の半分くらいであった。大豆本体の生育は非常に良いため、実が入っていない原因はこれから調べていきたい。


草刈りはシーズンで計2回のみ。それも全面刈りというよりは、目に付くギシギシや、一部復活してきたライ麦のひこばえを刈るという感じであった。本当は頻度を少し上げて、計3回くらい草刈りをしても良かった。


苗の定植
栽培中の大豆

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