議論の枠組みについて

20年くらい前だけど、議論をするっていうときに「プロコンやって検討しよう」みたいなwordが出ることがあった。
プロコンで簡単に検索すると、僕のグーグルさんはこんな感じのページを検索してくれる

(しかし、プロコンって今でも使われている用語なんだろうか。)
で、上記ページを見たときに感じたのは、議題の出し方について特に指摘は無いなぁってことだった。

20年ほど前、Debateっていうと大仰に過ぎるからPro Conやってみようって部活の勧誘がてらのミニイベントを仲間内でやったことがある。
この時のテーマ設定を「AとBどっちがよいか?」で組んだところ、全く収拾がつかなくなった。
例えば、「今度、観光旅行に行きます。東京に行くのと大阪に行くのどっちが良い?」みたいなテーマ設定を想定して欲しい。
で、これを具体的にAcademic Debateのルールで展開した場合、
「Aの良いとこ(①)、悪いとこ(②)」
「Bの良いとこ(③)、悪いとこ(④)」
の4つの論点が登場する。
例えばAを支持する立場で議論する場合、
①を主張しつつ、②に対して反論(反駁 refutation)する。
それと同時に、③に対して疑義(attack)を加えつつ、④を主張する、
という4つのActionを取る必要がある。

これが意外と煩雑かつ混乱的だった。
無制限に時間があるなら良いのだけど、5分とか限定的で話すルールだと議論の焦点が散漫になって対戦チームとの勝負所が分からない。
この経験を振り返って考えるに、A or B どっちが良い?という議論は、往々にして結論を出すのが難しい事が多い状況があると想像した。

Academic Debateがゲーム性を高めていると思うのは、論題(resolution)の設定は「ある主体者は特定の行動をとるべきか」?という置き方をしている点だと考えている。
(今度の観光旅行では東京に行くべきか?みたいな)
この場合、「Aの良いとこ」を肯定する側と、否定する側という立場に論点が限定されるため、議論の収拾が比較的付けやすくなる。

実際に組織内で何らかプロジェクト提案する時や、会議のときなんかに、
・「組織/私は○○というプロジェクト/業務/実験をすべきと考えます」という枠組みでAdvantageの議論を展開する。
・疑義や反論等についてはそれをAttack(Feasibilty workability), Turn around, Counter Plan, Disadvantageに整理して対応を考える
みたいな技術は上手くやれないもんだろうかと日頃思っていたりする。

現実的には個々の影響力や人間関係の力学が大きく作用するので、技術論だけでは進まないとは思う。ただ、自分の差配できる範囲での「引き出しの一つ」の技術として意識してみたい。


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