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刺し子

 今となっては最も身近な衣料素材の綿ですが、江戸時代では、とても貴重なものでした。

東北などの寒さが厳しい地域では、綿花の栽培に適しておらず、津軽藩は、農民に冬でも麻の着物を身に付けることを命じていました。

麻は、通気性が良く、夏場は涼しく快適に過ごすことができますが、厳しい冬の寒さに耐えることは困難でした。

さらに、繊維を取り出し、一枚の布に織るまで多大な時間を有するため、麻の衣類を大切に使わざるを得ませんでした。

津軽の女性たちは寒さに耐えるため、そして補強のために刺繍を施しました。これが「刺し子」の始まりとされています。

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