「日本再興戦略」を読んで 14 東洋のイメージをブランディングしよう
自動運転によって、近代という枠組みも変わってきています。
まず、移動の概念そのものが変わります。移動が自然に溶け込むのです。運転それ自体をあまり意識しなくなります。車に乗るという行動が、無意識に行われるわけです。
たとえば僕は、タクシーに乗っている時に、車に乗っているとは思いません。仕事をしよう、寝よう、と思ってタクシーに乗るのです。車はより生活に溶け込み、今は車に乗らない人でも車に乗るようになります。
人によっては住空間に特化してもいいし、寝る空間に特化してもいいし、仕事をする場所に特化してもいい。そこで何をするかはユーザーが決めればいいのです。
ただし、こうした大きな流れを日本の自動車メーカーはとらえきれていません。「ユーザーにどう車を使ってもらうか」をおせっかいに設定しすぎています。道具としての車にこだわりすぎているのです。
これからの自動車企業は、道具でなく、生活様式、ライフスタイルを定義するブランドみたいなものになっていくでしょう。国内企業も乗る人の生き方を規定してあげるブランドのようなものになっていかないといけないのです。
例えば、スタバでMacを広げて耳にAirpodsをつけて、腕にAppleWatchをつけて、ポケットにiPhoneを入れるというのは、もはや生き方ではないでしょうか。
アップルは単なる製品ではなく、ライフスタイル自体をデザインしているわけです。
つまり、トヨタが「トヨタフォン」をつくればいいのです。車だけにこだわる必要は全くありません。
例えば、パリコレはなぜパリでやるのか。また、今マインドフルネス言葉が流行っていますが、これはもともと東洋にあった考え方を横文字にしたものです。
西洋人は、西洋人をカッコよく見せようと必死です。しかし、目的ありきのマインドフルネスが本当に理解されているのかはなはだ疑問です。
まずは、我々が変な外来語をやめて、東洋的なカッコよさをつくっていくべきです。「東洋はカッコいい」そう私たちが思えるように、そういうイメージをブランディングするようになれば、日本企業は未来の競争にもきっと勝てるはずです。
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