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エイリアン3


【ネタバレあり注意】

今作の舞台は、囚人が送られる惑星の監獄施設。
監獄と言っても労働させるための施設であり、独房など監獄らしい描写がないので、ガラの悪い工員が働く製鉄所のような雰囲気。

前作で数名が生き残ったのだが、眠りながら地球に向かった宇宙船でトラブルが発生し、自動で発進した脱出艇が舞台となる惑星に墜落してしまう。
その墜落によって、主人公以外は冒頭から亡くなってしまうという鬱展開で始まる。
前作での主人公の命がけの頑張りが無駄になっていて、最初から無力感が大きい。

案の定、乗っていた宇宙船にエイリアンの卵なのか直接フェイスハガーなのかが残っていて、脱出艇にもフェイスハガーが入り込んでいる。
そのため新たなエイリアンが産まれ、監獄施設が襲われるという流れになる。

今作でフェイスハガーは犬に取り付く。
よって、犬からエイリアンが誕生する。

あとからウィキペディア読んで知ったのだが、犬から産まれたので犬の形態や性質を持っていたらしい。
その事実に、視聴中は気づかなかった。
劇中でリプリーがこれまでと姿が異なるような発言していたが、違いがよく分からなかった。
これまでのシリーズ作と同じで、あまりエイリアンの全体像が映るシーンがないためかもしれない。

一応、四足歩行して、動きが素早いという設定らしい。
その割には、逃げる人を追いかけているとき全然追いついていなかったけど。
それもあって素早いという印象を持たなかった。

言われてみれば、一度だけ目にも止まらぬ動きをしたシーンがあったが、そういうことなのね。
人にも追いつけないのに、そこだけ速かったので違和感を覚えた。

下手に設定を知ってしまったがゆえに、ツッコミどころが増えてしまった。

今作は、囚人たちが武器無しでエイリアンに立ち向かうという展開が、話の大筋となる。
武器が無いため、鋳造施設へおびき寄せて倒そうとする。
エイリアンをおびき出す餌は囚人たちだ。
命をかけた追いかけっこが展開される。

もしエイリアンが素早すぎたら、囚人たちなんて一瞬で餌食になってしまうから、素早いという設定だったけど素早さ控えめだったんでしょうね。
まあ、一瞬で狩られて追いかけっこがすぐ済んでしまうのも、それはそれで絶望感が大きくてよかったかもしれないと思いますが。

エイリアンとの対決とは別に、リプリーが寄生されているというのもストーリーの柱になっている。
体内をスキャンして寄生されていることを知り、しかもそれがクイーンだと知る。
状況的に映画の序盤には寄生されていたと思われるのだが、ラストまで外に出てこない。
これまでの中で体内滞在時間最長記録ではないだろうか。
作品内の時間経過が正確に読み取れないから、実はあまり時間が経過していないのかもしれない。
もしくは、クイーンだから通常とは少し違うという設定なのだろうか。

ラストにリプリーは、体内のクイーンを解き放たないために、自ら溶鉱炉へ身を投げる。
本当に、リプリーは正義感が強い。
地球へエイリアンを持ち込んではいけないという信念で、最後は命を絶つ。
初めてエイリアン3を視聴したとき、このシーンで、えっ、エイリアンシリーズ終わり?と思った記憶がある。
まあ、4ではSF的展開で復活するんですが。

元々施設にしたメンバーで、最後に生き残ったのは囚人一人。
考えてみれば、これまでエイリアンと遭遇した人間は、この囚人以外は主人公含め全てすべていなくなっている。
(リプリーの身柄を確保するためにやってきた奴らは、まともにエイリアンと対峙していないので数に入れていません)
エイリアン怖し。

本作は公開当時、評論家から酷評を受けたとのことなのだが、自分としては普通に楽しめた。
2を観てからあまり時間を置かずに観たのだが、2は今の基準で見ると映像としてイマイチな場面が多かったのに対して、3は特殊効果が必要となるような場面が少なく、舞台となった施設のセットはしっかり作られていたので、お金がかけられている印象を受けて安っぽさは感じなかった。
正直大作感はなかったが、酷評されるほどの内容とは思わなかった。

さあ、4も観よう。

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