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拘りや小話

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ブランドや時計の歴史や技術、当店の拘りについて書いた記事をまとめております。
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#機械式腕時計

徹底解析『Cal.Hシリーズ』【後編】

今回は時計の中身『ムーブメント』に関するお話。 ちょっとコアな話になるかもしれませんが、現ハミルトンオーナーの方にもこれからハミルトンオーナーになる方にも、ぜひ知っておいていただきたいことが沢山ありますので、ぜひ最後までご覧いただければ幸いです(^^♪ 多少長編になりますので【前編】【後編】に分けてご紹介していきます。 是非前編と合わせてご覧ください ↓ 前編ではHシリーズの3針を中心にご紹介しましたが、本日はクロノグラフやレギュレーターのムーブメント紹介です。

ハミルトンの歴史【前編】アメリカと共に

今回は九州最大規模の商品ラインナップを誇り、福岡天賞堂のメインブランドである“HAMILTON(ハミルトン) ”というブランドを詳しくご紹介させて頂きたいと思います。 多少長編になりますので【前編】【後編】に分けてご紹介していきます。 創業は1892年。現在でこそ、スイスメイドウォッチとしてブランドが知れ渡っていますが、アメリカで誕生した時計ブランドとなり、当時は、蒸気機関車の鉄道時計を製作していたウォッチブランドです。 1900年代初頭に、アメリカの鉄道は路線を含

ハミルトンの歴史【後編】キングオブロックとレトロフューチャー

今回は九州最大規模の商品ラインナップを誇り、福岡天賞堂のメインブランドである“HAMILTON(ハミルトン) ”というブランドを詳しくご紹介させて頂きたいと思います。 多少長編になりますので【前編】【後編】に分けてご紹介していきます。 1957年には、ハミルトンの歴史を知る上で、避けることの出来ないモデルが誕生。 前記の「ブルーハワイ」、「メン・イン・ブラック」シリーズといった映画に登場し、ハミルトンのアイコンウォッチともされている『ベンチュラ』です。 世界初の電

革新的な最新技術Nivachron

今期の新作としてこれから発売されるモデルに備わる新たな技術として“HAMILTON(ハミルトン) ”が革新を起こします。 2011年以来、ハミルトンはエボーシュメーカー(ETA社)との共同開発で80時間のロングパワーリザーブや型に収まらないブランドであるハミルトンの数多くのモデルに必要な特殊機能を備えた専用キャリバーを多く開発してきました。 2020年は、更なる躍進を遂げようと画期的な新しい非磁性合金『Nivachron』製のひげゼンマイを導入し、ハミルトンウォッチの

時計店スタッフが拘る筆記用具

Caran D'ache エクリドール レトロ パラジウムコート 万年筆  ※当店商品ではありません 腕時計の世界に身を置いていると『拘り』という言葉をよく耳にします。 腕時計が好きな方には「靴」「鞄」「財布」「カメラ」、そして「筆記用具」にも同じ位の情熱を注ぎこむ方が多くいらっしゃいます。 ■僕も腕時計の世界をより深く理解する為に、普段から『拘る』という行為を出来るだけ多く経験する様にしております 日々の実務の中において頻度の多い「筆記用具」は、文明が始まってから今

腕時計はなぜ左手に?

■腕時計って普通は左手につけるんですか? たまにそんな質問を頂きます。 販売している僕らも「それが普通だから」と、あまり深く考えず説明をしてしまいがちです。 ふと通勤電車で吊革に目をやると、腕時計を左手にはめている人が圧倒的に多いことに気づきます。 こうした光景も、実は時計の技術との関係があるのです。 ■昔の時計は今よりずっと弱かった 18世紀までの時計は大きく、重たく、簡単に腕に着けられるものではありませんでした。 懐中時計としてベストのポケットなどに忍ばせ、時