概念のデザイン#7 「節の多い性格」
自分に自我が芽生えた瞬間をよく覚えている。12歳のことだった。
それまでは、泣き虫な子供だった。悲しみよりも怒りで泣いた。1つ年上の兄は、僕とは違って学校にきちんと通い、私立進学校の中学で成績も良く、母のお気に入りだった。おこづかいの金額にも差をつけられていた。家庭内に明確な権力勾配があり、兄がどれだけイヤミなことを言おうが、喧嘩の悪者になるのは激情する僕の方で、両親から冷めた目で見られた。その差別的な目線に腹が立って、さらに泣いた。
ある日、何度も繰り返したように、夕食時の