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訪問介護事業所の業務説明書3(毎月発生業務 居宅からの情報受け取り)

訪問介護事業所での毎月発生する業務の居宅からの情報受け取りを見ていきましょう。
この記事から見た方は、よろしければ初めからもご参照ください。

目的

新規の利用者の受け入れにあたり、利用者の情報を居宅介護支援事業所より受け取る。

フロー図

3.2. 居宅からの情報受け取り (1)

詳細

アセスメント、計画書をケアマネから受け取ります。(FAXでもらうことが多い。)
ただし、この時点で、ケアマネ側でアセスメント、計画書ができていないことも多く、その際は、少なくともサービス担当者会議前には、利用者基本情報のみをもらう。
今後は提供票・別表を毎月もらうことになります。

介護業界の情報連携手段は基本、電話とFAXです。
IT業界の方が介護業界を知っていくうえでおそらく一番最初に驚くのがここだと思います。Slackやチャットはもちろん、メールさえ使われることは少ないです。

備考・留意事項

居宅介護支援事業所と訪問介護が同法人で、それらを利用している利用者 かつ 居宅介護支援事業所と訪問介護が同じ請求ソフトを使用している場合、請求ソフト内で、ケアプラン等のデータ連携はシームレスに行うことが可能になります。しかし、同法人内でもソフトが別々のものを使っていることも多いです。

上記以外の場合(外部居宅介護支援事業所→訪問介護や同法人でも請求ソフトが違う場合)は、紙媒体での受け渡しとなります。紙での受け渡しの場合、訪問介護側で紙を見て請求ソフトにデータを入力する作業が発生するため、負担となっており、改善してほしい旨の要望があがることが多いです。

しかし、国がインターフェースを統一するなどで動かないかぎり、ここの改善は現実的ではない(請求ソフト間でインターフェースを統一するような動きはなく、自社の製品優位性を確保するためにも、そのような動きをすることは考えにくい)という状況でした。

しかし、2019/05/22に発出された「居宅介護支援事業所と訪問介護などのサービス提供事業所間における情報連携の標準仕様について」で厚労省は請求ソフトベンダーに連携できるように協力を依頼している(ただし、強制力は無し)。

特殊な業務ケースならまだしも、通常業務で必ず必要なケースで、データ連携をすれば効率的だと誰が見ても明らかであるのに、介護保険が施行された2000年から約20年間もずっとこのような状況であることは、介護業界のICT化を表しています。

各請求ベンダーは基本的に対応していっているようです。
直近では、株式会社グッドツリーのケア樹が対応したとのこと。

また、請求ベンダー最大手のひとつ、NDソフトウェア株式会社では動画でも解説されています。

また、これまでもずっと何もしていないわけではなく、市区町村によっては独自の対応を行っています。

例えば、福岡市の場合は、福岡市が運営している「ケアノート」により、居宅支援事業所 – 介護サービス事業所のみならず、医療機関、家族等と情報連携を試みています。


次は、アセスメント作成を見ていきましょう。


最後まで読んで頂きありがとうございます! 家族や身近な人を介護している人に向けて、 介護福祉エンジニアとして有効な情報を共有できたらと思っています。 共感いただけたら、サポート頂けると嬉しいです!