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訪問介護事業所の業務説明書1(はじめに)

はじめに

介護福祉エンジニアの福村浩治(ふくむらこうじ)です。
私は約10年、介護保険報酬請求ソフトの開発を経験し、介護保険制度および現場の業務知識を把握していきました。

私がエンジニアとして介護に特化し始めた10数年前には、「介護テック」なんて言葉もなかったですし、介護のIT企業は請求ソフトベンダーしかほぼ存在しませんでした。しかし今や「介護テック」と検索していただくと、いくつもの企業サイト、実証実験、団体を見つけることが出来るでしょう。

そのため、「介護?まだまだ他人事だよ」「40歳を超えたので介護保険は払っているけど、詳しくは知らないよ」といった方が介護の案件にアサインされることや、他業種から介護に参入するといったケースもありえるでしょう。

ここでは、私が介護の現場レベルでの業務を見える化していきます。また、ICT活用により業務改善できると考えられる箇所も併せて記載します。
前述したような方が、介護を知るきっかけの一助となるような記事にしていきたいと思います。

「そもそも、おまえ 誰やねん」と思った方は、こちらのサイトで私のことを知っていただければ幸いです。

対象読者

介護保険報酬請求ソフトエンジニア
介護事業所向け経営コンサルタント
介護分野に新規参入を検討している方

留意事項

本記事は、私の約10年における請求ソフト開発経験において、実際の事業所や国保連合会などへのヒアリングなどをソースとしています。介護事業所は同じサービスを提供していても業務運用の流れが違うことがよくあります。これは様々な理由がありますが、一例としては都道府県によるローカルルールがあることによっても引き起こされています(例:*市では*票を記載して提出しなくてはいけない)。

本記事では極力、共通的な内容を記載するようにしますが、みなさんがお会いする事業所の実際の業務とすべてが一致するわけではないことを留意してください。

訪問介護事業所の全体像

介護サービスは複数存在しますが、今回は訪問介護について記載していきます。(全体としてどんなサービスがあるか、概要を知りたい方は厚生労働の該当サイトを参照ください。)

まずは訪問介護事業所に在籍する職種について見ていきましょう。

 サービス提供責任者
「サ責」と呼称される。
一人で40人~50人の利用者を担当している。

社員ヘルパー
訪問介護事業所の正社員のヘルパー。

登録ヘルパー
派遣やパートで働くヘルパー。
自宅から利用者宅に直接行くことが多く、月末に1回程度しか事業所には来ないことが多い。その際に、実施記録書を事業所に渡す。

事務方
請求ソフトの入力や、利用者への請求書作成など、事務処理を行う。

訪問介護事業所の業務として、毎月発生する業務と、不定期に都度発生する業務に大別されます。
毎月発生する業務は、介護サービスの提供とそれの付帯作業となります。
特に、月末~介護保険報酬請求の締め切りとなる10日までは、事務作業が集中するため、繁忙期となります。

さて、次のnoteでは、毎月発生する業務をみていきましょう。


最後まで読んで頂きありがとうございます! 家族や身近な人を介護している人に向けて、 介護福祉エンジニアとして有効な情報を共有できたらと思っています。 共感いただけたら、サポート頂けると嬉しいです!