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牛角に行くか、チファジャに行くか

「そろそろ焼肉食べ放題行くか」という気分になると、それから数日吟味する。牛角か、チファジャか。

京都近郊で暮らしたことが無い人に説明すると、チファジャは大変リーズナブルな焼肉チェーン店で数年前は一層大変大変リーズナブルで京都の学生たちの味方だった。最近あまり耳にしない気がするが、お店の近くを通ると「ッチャッチャッチャ」というリズムのオリジナルソングが聞こえてきてしばらく頭から離れない。

ちなみに「チファジャ」は韓国語で「よっしゃー!!!!」って意味らしいよ、と教えられたことがあるが、ソースは定かではない。


この2店を比べるにあたり、まず値段はチファジャがスタンダードコース2,500円、エクセレントコース3,800円。

牛角はお気軽コース2,980円、牛角コース3,480円、堪能コース4,380円。

最低betはチファジャの方が安い、さすが。

さらに時間に関しても牛角は一番高いコースにしても90分制限、ラストオーダーが70分で来てしまう。チファジャは高いコースだと120分使わせてもらえる。


そして私を悩ませる要素その1。

チファジャにはプッコチがあるのだ。

プッコチは韓国の青唐辛子でめちゃくちゃ辛い。これをお肉とサムジャンと一緒にサンチュに包んで食べるとめちゃくちゃ辛くてうまい。私はこれがとても好きで、どれくらい好きかって言うと売っているお店が見つけられなくて代わりに苗を買って育てて収穫したくらいだ。(韓国食材店にありました。ちなみに自分で育てた苗から出来た唐辛子はそんなに辛くなかった)

チファジャは16種類の調味料を選んで好きにオーダーすることが出来る。その中にプッコチも含まれていて、他にも岩塩やマヨネーズ、コチュジャン、フライドガーリックなど、これらを組み合わせれば肉の可能性は無限大である。

それから私は一品の牛すじ煮込みが好きだ。あれをご飯にかけて食べるのが好きだ。


一方、牛角のストロングポイントは子ども心をくすぐるメニューが沢山ある。

ステーキを焼いて別添えのソースにまぶしたり、網の上でチーズフォンデュをしてみたり、薄い肉をさっとあぶって卵にひたして月見カルビっていうのもある。

そして私を悩ませる要素その2。ミノの存在である。

私はミノが好きだ。ミノが万人受けしないことを実は知っている。知っているけど誰かと焼肉に行って「ミノ頼んでいい?」と聞くとダメとは言われないことも知っている。そして1人前を実質1人で食べる。

牛角は一番高いコースにしても、ミノは「ミノしゃぶ」で、薄いミノしかない。チファジャは安いコースにも上ミノがある。


要素その3、タン。チファジャの安いコースはタンが厚切りの豚タンになる。牛角は豚タンでも薄いタンだ。タンは薄い方がいい。
もちろん両者とも高いコースにすれば普通の牛タンがある。


最後の要素、デザート。

牛角は一番高いコースにしようが何にしようが、デザートは一品しか頼めない(店舗によっては食べ放題らしいが)。チファジャはデザートバーがあり、ソフトクリームに自分で色々とトッピング出来るのだ。あれが……めっちゃ好きだ。ていうか、クリームチーズソフトクリームがうまい。うまい上になんか色々かけたりできるんだ、すごい。


悩む要素がありすぎるだろ!というわけで、数日悩む。

悩んで悩んで悩んだ結果、この時は牛角の一番高い堪能コースを選んだ。ほぼ5000円。

悩んだ時の決まり文句は「一旦、これにしてみてそうでもないなってなったら次からやめよう」である。

高いのにした決め手。それはスパイシーラムの存在だった。

ジンギスカンとスパイシーチキンはそれぞれ真ん中のコースからある。でもスパイシーラムは高い方にしかなかった。

それが決め手だった。


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結果としてスパイシーラム大勝利だった。

っていうか、普通にラムが美味しかった。臭くもないし(元々ラム好きだから丁度いいくらいって程度かもやけど)、何より厚みが丁度よかった。

ジンギスカン、といっても、薄さは色々ある。この前、スーパーで買ったジンギスカン用のラム肉セットはぺらっぺらで、焼くとくしゃくしゃになってしまった。北海道で食べたお店でも焼肉のような薄さのところもあれば、角切りステーキみたいなのもある。果たして牛角のジンギスカンは…と思ったら、中庸の姿勢だった。

とても丁度良い。

そして、ジンギスカンといっても漬けこみダレではなく、甘めのソースが別添えで出てくるのだ。このソースも美味しい。

そしてこのスパイシーパウダー。サイゼリアのスパイスパウダーもいいけど、それの何倍もパンチがあるし、サクサクしていて美味しい。このパウダーも焼いてから付けてくださいね~という別添えスタイルだった。

そう、この牛角の調味料別添えスタイルが好きなのだ。

豚タン梅の梅ソースも、月見カルビの卵も、ステーキのソースも、必ず余るので他の肉もつけて食べる。最後はご飯にかける。

そして気づいてしまったが、スパイシーチキンとジンギスカンがあれば、スパイシーラムは生成できるわけだ。

そしてラムを何とかおかわりして、熟成赤身肉ステーキがやっぱりうまいなぁとかやっていたらラストオーダーの時間が来た。

一番高いコースしか冷麺は頼めないが、もう冷麺は入らなかった。


うんうん、高いコースにして良かった。大満足。


この日、私は人との外食自体久しぶりで、そんな体に肉を詰め込んだもんだから路上で本当に動けなくなった。

やっぱり何ごとも一度やってみないと分からない。

この日の結論は、次からは牛角は真ん中のコースでフィックスですね、だった。

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