精神科入院⑬

二泊三日の外泊はあっという間に終わってしまった。次の外泊許可が下りるまで、息子には会えない。
また会えるからね。また会ったらいっぱい遊ぼう。
お庭に居たにゃんこちゃんなてなでしてあげよう。大きな池に居た白鳥さんも見に行こう。
そう約束してお別れしたね。
今度はもっと長い時間一緒に居られるといいな。
そしていっぱい眠たくなるまで喋ろうね。

病院に戻ってきた。また入院生活が始まった。
私の退院は１０月の終わり。今は９月の初め。だからまだまだだな。
息子と一緒にまた住めるのかな？
あの記憶の無い家に私は住めるんだろうか？
何かそう考えるととてつもなく不安になってくる。
私にとって、あの家はなぜか嫌な感じがして、仕方が無い。なぜだかよく分からないけど。
私にはまだまだ越えなきゃ行けない壁が待ち構えているような気がした。
また暫くして障がい者生活支援センターで、本を読んでいると、アルコール依存症の自助会の運営をやってる人に、偶然会った。
私は話を聞いて貰うことにした。
息子とは何とか打ち解ける事が出来て、距離は縮んだけど、嫁ぎ先に帰るのが怖いと。その人は、怖いのなら無理して帰る必要は無いと思う。
きっと、何かがあって、嫁ぎ先を遠ざけたいと言う気持ちがあるんじゃないのかと言われる。
私は、母親からも夫からも何があったのか聞いてはいるけど、何も思い出させない。
退院してからのことを、帰るのは嫁ぎ先か実家か考えようと思った。つづく