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レポート「まちの暮らしをつくろうゼミ〜私たちの暮らす地球の歴史を歩きながら感じよう〜」


はじめに


皆さまこんばんは🌖
ふくまち大学「まちのエディター」の瀬戸川です。

この一週間ほどですっかり寒くなりましたね。昨年の秋に買い足した長袖のブラウスの出番が全く作れないことに寂しさを覚えながら、気づけばもう厚手のニットばかりが心地よい、そんな今年の秋を過ごしています。

おかげさまでふくまち大学の開学から3ヶ月が経ちました。レポート記事の形で皆さまにお届けできていない講座やゼミがまだまだいくつもあり心苦しいのですが、当日の風景はinstagramでも随時発信しているのでそちらもぜひご覧くださいね。

また、「はじめまして」の方は、こちらの記事も併せてご覧ください🔰。


「まちの暮らしをつくろうゼミ」とは?


さて今回お届けするのは、9月11日に開催された「まちの暮らしをつくろうゼミ」です。

「まちの暮らしをつくろうゼミ」では、''心豊かにたのしく暮らすヒント''を得るため、暮らしにまつわるさまざまなテーマについて考える学びの場づくりを目指しています。


第一回目となる今回のテーマはなんと「地球46億年の旅」・・・!

地球誕生から現在に至るまでの46億年という壮大な歴史を、約4.6kmの距離に置き換えて、実際にこの距離を歩きながら歴史を語感で感じていきます。

講師を務めるのは土田佳奈さん。「まちのマネージャー」という肩書きで日々ふくまち大学のさまざまなイベントの運営サポートにあたっている佳奈さんが、今回は企画立案から当日の進行役までを担当されます。

「暮らし」と「地球の歴史」という2つのキーワード、一見すると、なんだかとても距離が遠いように感じられます。(私も実は、初めて講座のタイトルを聞いた時にはその壮大さに驚きました💭)

なぜこの時間を「まちの暮らしをつくろうゼミ」と銘打ち、その中で「地球の歴史」を体感するプログラムを実施するのか。まずは佳奈せんせいがこの時間に込めた思いをシェアします。

みなさんは「エコ」という言葉を聞いてどんなイメージを持つでしょうか?経済をあらわすエコノミーや、生態系をあらわすエコロジーという言葉に共通する「エコ」。

なんとなく環境にやさしいイメージを持たれる方も多いと思いますが、元々は''家''という意味なんです。ちょっと意外ですよね。これを元にすると、エコノミー(経済)=「家の運営・管理」エコロジー(生態系)=「家の知識」となります。「家の運営や管理」をするには、「家の知識」を学ぶ必要があります。

では、私たちの「家」とはどこでしょうか?・・・大きく広げると、私たちが住むこの「地球」とも言えます。・・・なんだかとても壮大な話になってきました(笑)。でも実際のところ、私たちは地球に住んでいて、地球をつくっているのは私たち一人ひとりの暮らしなんです。

「いやいや、テーマが壮大すぎて想像がつかないよ!」というお声も聞こえてきそうですが・・・とにもかくにも。足元の暮らしを見つめ直す前に、まずは私たちの住む「地球」についていっしょに五感を使い学んでみませんか?

「暮らし」について考える前に、まずは「地球」のことを感じてみる。手始めに今日は46億年の歴史を4.6kmに置き換えて歩きながら感じてみよう・・・!ということで、当日は朝からたくさんの方にお集まりいただきました。

中には虫取り網を持参(!)のお子さんもいらしたり、皆さんそれぞれに気合十分。このところ不安定な天気が続いていただけに、快晴の日差しが気持ちよく、そして嬉しいスタートになりました。


集合地点である浜町のクラフトブリッジからの出発を前に、まずは佳奈せんせいから、2つのアドバイス。

  1. 五感をフルに使おう!私たちは普段の暮らしの中で「視覚」ばっかりを使いがち。だからこそ、今日は聴覚や触覚、嗅覚を大事に。

  2. 46億年の歴史は数々の学者さんの汗と涙の結晶だけど、「本当のこと」は、今ここにいる誰にもわからない。だからこそ、「想像力」を豊かに!想像しながら歩こう!


この2つを大切に意識しながら、いよいよクラフトブリッジを出発します。
ここから先、私たちが一歩踏み出すごとに、地球の歴史にとって約50万年の時が過ぎていくことになります・・・!(やっぱり、とっても壮大・・・🌏)


足羽川〜足羽山付近を歩きながら


さっそく、地球にとっての1月1日 、地球が生まれた瞬間からスタートします・・!

さあ、出発です!


足羽川沿いを歩き、堤防の芝生に腰を下ろしたところで、3月1日。
この時代の地球では、約千年間降ったと言われる雨が大きな水溜まりになり、やがて海が誕生します・・・!

太陽の日差しが眩しい中ではありますが、みんなで芝生に腰を下ろしながら目を閉じて、千年のあいだ降り続いた雨の音、そして大きな大きな海を想像します。

日差し降り注ぐ堤防で、長年降り続いたと言われる雨を想像します



さて、足羽川を越えたらいよいよ足羽山!山道をゆっくりと登りながら、5月1日までやってきました。
この時地球では「シアノバクテリア」が誕生し、地球の酸素が増えていくことになります。

足羽山の清々しい空気に癒されます

足羽山の爽やかな空気を大きく胸に吸い込みながら、地球に生まれたばかりの酸素の成り立ちを感じます。


7月1日に到来した氷河期を経て一気に時代が進み、足羽山を下山する頃にはあっという間に11月1日。氷河期の終焉とともに「ハイパーハリケーン」が発生します。海水がぐるぐるとかき混ぜられることにより平均気温が上昇し、生き物の進化が一気に進んでいきます。


11月16日、今からおよそ5億4000年前。いわゆるカンブリア紀に、生き物の体に「目」が誕生します。12月13日、地球上に森林の誕生したことで小さな小さな爬虫類たちが生まれ、そしてついに12月20日、恐竜の時代がやってきます。

参加してくれたお子さんの知識量の豊かさに、みんなびっくり!


人間の祖先が誕生したのはなんと12月31日のこと。4.6kmの行程においてはもうゴールも目前です。

4.6kmを歩き通したあとは、全員汗だくです

12月31日。今から30万年前、ついにホモサピエンスが誕生しました。そして12月31日23時59分59秒に産業革命が発生、私たちが生きる現代へと辿り着きます。


46億年を4.6kmに置き換えると、私たちの一歩は50万年に換算できます。
人類の歴史は、誕生からまだわずか30万年。今日歩いてきた4.6kmという行程のうち、わずか一歩にも満たないんです。


地球の歴史がいかに長いものであるか。そして、人類の歴史が地球にとっていかに短い存在であるか。

自分の五感を使ってこの距離を歩いてみると、地球の歴史の長さと人類の歴史の短さの対比が体の中に流れ込んでくるような、「この場所・この時間」に対しての感覚が研ぎ澄まされてくるような・・・。

佳奈せんせいや参加者の皆さんと一緒に、そんな感覚を共有することができました。


佳奈せんせいからのメッセージと、皆さんからの感想


最後に、佳奈せんせいから皆さんへメッセージ。

「今ここにいるのは本当に奇跡的なことである、ということ。生き物に''目''ができたのは、今からわずか5億4000年前。私たちが日々、自分の足で歩き、自分の手を使い、生活しているのは、生き物のひとつひとつの進化の結果です。
皆さんは生まれながらにしていろんなものを持っています。私も奇跡の存在、そして皆さんも奇跡の存在。今この瞬間を共有できるのは、地球がもつ46億年という長い歴史から見たら、本当に奇跡的なこと。だから、いまこの瞬間を大切にしてほしい」

そしてご参加いただいた皆さんからも、

「今・ここ」を強く実感し、「地球を使わせてもらっている」という意識を持てた

「これまで、近しい存在の人が亡くなった時くらいしか''生きる''ということについて考えたことがなかった。今日地球の歴史を歩きながら感じることで、改めて''生きる''ということを考えた。今ここにある奇跡を思いっきり満喫して楽しんで生きたい」

といった、たくさんの素敵な感想をシェアしていただきました。
また、こういった「福井のまちなかを歩きながら体感する」プログラムについて、ぜひまた開催してほしい!とのお声もいただいています。

「まちの暮らしをつくろうゼミ」第2回開催は現時点では未定ですが、皆さんからのお声をもとに、今回とはまた違ったベクトルから福井のまちなかを感じ、そして暮らしに想いを馳せる時間を持つことができればと考えています。

今後の
講座やイベントの情報はInstagramをはじめとした各種媒体で随時発信していきますので、ぜひフォローをお願いします!まとまった情報を見たい方はNotionをチェックしてくださいね。

それでは、まちなかであなたに会えることを楽しみにしています。
次回のレポート記事もお楽しみに!

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