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薬学生へ、病院実習に必要なもの(実習を上手く行うコツは?)

 薬学生は5年生の時に薬局・病院でそれぞれ11週間の実務実習を行います。ほとんどの薬学生さんが「なにを用意してくればいいのだろうか?」「何を知っていればいいのだろうか?」と考えてしまいがちです。

 自分の主観も入ってしまいますが、特に病院実習で必要なことについてお話していきたいと思います。


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1.そもそも知識は重要ではない

 薬学生さんが来る前に気にすること、それは薬の知識や、手技のことだと思います。
 もちろんそれも大切ではあるのですが、自分から言わせてもらえば、別に知らなくてもいい。最低限は知っていてほしいですけど、知らない人はたぶんOSCEやCBT通らないと思うので。
 学生さんが何をしに来ているのか? もちろん学びに来ているんですよね、なので知らないことは学んで吸収していってくれればいいと自分は思っています。
 もちろん話している中で、「~って知ってる?」「どうしてこういうことをしていると思う?」と聞くことはありますが、あくまで知っているかの確認で、知らなくても怒ったりしません。学生さんに聞いてわからないと黙ってしまうことが多いのですが、そんなに遠慮しなくてもいいと思います。自分は「感でもいいから答えてみて」といいます。自分の考えて答えてくれた方が本人の成長になると思うからです。正直間違えたところで叱ったりしません。
 まぁ中にはすぐ怒る薬剤師もいるかもしれませんし、マウントを取りたがる人もいるかもしれません。そういう人は小さい人だなとか、社会の勉強だと思いましょう😊


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2.必要なもの、実習をうまくやるコツ

 病院の薬剤師同士でも話し合うのですが、薬学生さんに求めていること。
 それは・・・

①.元気よくあいさつ
②.学ぶ姿勢
③.やる気

 自分はこの3つで十分だと思います。
 まず挨拶ですが、挨拶はコミュニケーションの第一歩とも言います。挨拶ができないと、こいつ挨拶もできないのか・・・と正直関わりたくなくなります。
 ここまでする必要はないと思いますが、自分が実習の時は朝来た時いる人にあいさつをして、帰る時もいる人やその日お世話になった人にはありがとうございましたとあいさつしてまわりました😉
 このぐらいすると「あぁまじめな実習生だな、えらいな」と薬剤師からも好感が持てますし、話しやすいですよね!
 まずは自分から歩み寄らないと薬剤師から歩み寄ってくれるかわかりません。
 何度も言います、「挨拶は超大切です」
 聞き飛ばしましたが、以前来た実習生は一番最初のあいさつで「うっす」って言われました。そのあとはなおしてましたが😅

 続いて学ぶ姿勢です。例えば教えてもメモを取らなかったり、説明しても聞いていなかったり、患者さんに説明してねといったことを全然言わなかったり。緊張して言えないのならしょうがないですけどね。

 まず、メモをとっているとそれだけでしっかり聞いているなと教えている本人も、周りで見ている人も思います。また説明してねと言われ、それをしないと、こいつ言っても意味ないなとなってしまいます。言われたことをしないならそれだけ、学ぶチャンスを失っているということです。

 そして最後にやる気です。学ぶ姿勢にも近いのですが、やる気がなくただこなしているだけ、静かにしているだけ、言われないと何もしない。こういう受け身なのはいけません。ダメと言われていなければ、積極的にカルテを見せてもらったり、質問をしたり、指導についていきましょう。
 自分の話ばかりで恐縮ですが、自分が実習生の時はその病院が病棟業務をまだ始めておらず、指導についていったのが3件くらいでした。病院希望だった自分はなるべく色々なことが知りたいととにかく質問をしていましたね。
 そしてやる気があるというのは伝わるものです。やる気の分だけ薬剤師も答えてくれます。同僚の薬剤師も「やる気がない奴は適当に教えるからいいよ」と言っているぐらいです。
 実務実習は馬鹿にしないでくださいね。国家試験に役立つようなことがいっぱいあります。それを本で見るだけでなく、現場で見れる貴重な機会です。そしてそれを体感することで記憶にも残りやすいです。
 実習を上手く行うために以上の3つしっかり頭に留めてください😉


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3.実習中のコミュニケーション

 実習生さんの中にはコミュ障なかたや、物静かな方、人と関わるのが苦手な方もいると思いますが、それでもコミュニケーションは大切です。
 例えばお昼休憩を薬剤師と一緒に取ることもあると思います。その中で静かにしゃべらずに食べていると最初は薬剤師も「どこ出身?」とか「どの教科が得意なの?」と聞いたりしますが、だんだんネタもなくなってきます。学生さんからも遠慮せず会話に混ざっていきましょう。
 仕事の話でもいいと思いますし、プライベートなことでもいいと思います。例えば「給料って高いんですか?」「当直つて大変ですか?」「どこの大学だったんですか?」「休みの日は何してるんですか?」などです。そうすることで親密度が上がればいろいろと声かけてくれるので楽しく実習を行うことができますよ😉

 ちなみに僕が思う大学のルールの悪いところなのですが、聞くとよく「大学から薬剤師さんは~先生と呼ぶように」とか「私語は慎むように言われている」という話も聞きます。これは本当に悪いルールですね。まず~先生と呼ばせる。もちろん病院からそうするように言われているならしょうがないですが、~先生ということで何となく距離を感じますよね。自分は~さんでいいと思っています。また私語を慎むようにとありますが、もちろんまじめに教えている時などはまじめに聞く必要はあります。でも私語を一切だめというのはあまりにひどい。コミュニケーションとれないではないか・・・と思ってしまいます。まぁ律儀に守っている生徒も少ないとは思いますが、守必要もないと思いますので、実習前にご注意を。わからなければ最初に「先生と呼んだ方がいいですか? 大学から言われたのですが」と聞いておきましょう。私語は病院実習の雰囲気で判断しましょう👍

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4.実習の記録

 皆さんが苦労されるのが実習の記録。まず何をどう書けばいいのか。病院ごとに指定があったり、どのくらい書けと言われるなど様々。パソコンで書いたり手書きで書くところもあると思います。同期の友達は「2枚以上書け」と言われたそうですが、自分はたくさん書くことに意味はないと思います。むしろまとまっている方がいいと思います。箇条書きでもいいと思っています。
 自分が一番書いて欲しいのは実習生さんの考えです。指導したときに「こうすればよかった、こんなことに注意した」などです。中にはやったことだけを書いていたり、調べたことだけ書いて記録をたくさん書いていたりと、書いてる量は多いけど、実習はどうだったの? って思ってしまいます。調べることは大切ですよ、悪いことだとは思いません。それは別として、考えなども書きましょう。

 個人的に思う実習記録の1例ですが

<実習内用>
午前
退院指導に同行(心不全患者、CAG患者)
退院指導(高血圧患者)
TPN調製

午後
ワーファリン導入の服薬指導
循環器の講義

〇退院指導に同行
 病棟薬剤師に同行し、退院指導を見学した。退院指導では現在の症状の確認として、心不全患者さんでは息苦しさや、むくみを確認していた。患者さんには利尿剤が追加されており、のどが渇いたりする副作用や電解質の以上による症状について説明されていた。利尿剤による電解質異常は薬によっても異なるので調べた。特にスピロノラクトンの高K血症や、トルバプタンの高Naには注意が必要だと考えた。お薬手帳のシールでは退院時に出ている薬の情報だけでなく、持参薬の継続・中止や変更、アレルギーの有無や、調剤上の工夫などを記載していた。特に持参薬の継続・中止・変更は退院処方だけだとわからないうえに、患者さんが帰ってからどの持参薬を飲めばいいかわからない時にとても有用であり、自分も細かい部分にも気を付けて作成したいと思いました。

〇高血圧患者退院指導
 高血圧の患者の退院指導では新たに追加になったニフェジピンCRについてお話しされていた。注意点としては~

〇ワーファリンの服薬指導
 ワーファリンの服薬指導では病棟薬剤師さんと確認し重要な点を踏まえたうえで説明した。出血時の対応などいざ聞かれると答えられないこともあり、要点やその対処法なども知る必要があることを学びました。ワーファリンでは~

<感想・反省点>
 本日の実習を通して~

 長くなりましたがこんな感じですかね。書こうと思うと色々書けてしまうのですが、やはり今後どうしていこうとか、どういうことが重要だと思ったのかなどを書いてくれるといいですね。教えたことが書いてないと教えた身としては聞いてなかったのかな? と思ってしまいます。
 実習記録大変だと思いますが、頑張りましょう😊


  今回はここまでにしたいと思います。
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