見出し画像

②錠剤カプセルの一包化


 患者さんによっては内服薬の種類がたくさんある場合があります。10種類以上ある方も少なくありません。特に高齢な方が多い中で沢山の薬を飲むのは大変ですし、飲み間違いのリスクもあります。

 そんな時に使えるのが一包化です😉

一包化

 これならお薬を飲むのも楽になりますよね。

 一包化する際には分包機というものを使います。これは病院によって使用している機械が違うかと思います。自分が使っている分包機はカセッターが約250種類あり、そこに錠剤を入れておけば勝手にそこから錠剤を分包してくれます。カセッターがないものは数字が書かれたマス目状のテーブルが出てくるので手で入れていきます。

 当病院では分包する薬剤が2種類以上ある場合は自動で分包機にデータが飛び、患者氏名を選択するだけで一包化することができます。

 ちなみに自己調節することが多い、眠剤なんかは一包化されないようにしていますが、すべて一包化しているところもありますね。病院ごとにルールが違ったりします。

 基本的には自動で楽なのですが、カセッターがないものを手で入れるものが多いときは大変です。カセッターがあっても半錠にしたりするもがあるときは大変ですね。半錠にするときは専用のはさみを使用したりします。

画像1

 はさみみたいですが、刃がなく短いです。錠剤には割線というのがあり、その線に沿って切ることができます。ただし、もろい薬剤は砕けてしまったりするので注意です。またそもそも割線がなかったり、割ってはいけない薬剤もあるので注意です。たまに割線みたいなのがあるのに、割線じゃないとメーカーが言っていたりすることもあります(笑)。

 アンサングシンデレラで石原さとみが、ニフェジピンCR錠を割っていたのを見て怒っていましたね。


・半錠したときの問題

 半錠にした際に端数がでることが多い(7日で処方が多いため)


 取っておくと・・・

 1.品質上の問題(いつのものかわからない、いつまで使えるのかわからない)

 2.再使用時の間違い


 捨ててしまうと・・・

 1.病院の損失

 当院では1日だけ取っておいて、その日の最後に捨てるようにしています。個人的にはすぐに捨ててもいいと思いますが、よく出るもの、高価なもののみ取っておけばいいのでは? と思っています。 場所によっては分包して日付と薬剤名を書いておくところもあります。


 ・分包機

 先ほども分包機には種類があると言いましたが、自分病院の分包機は分包速度が速くないです。小さい薬局などはカセッターがなく全部手巻きなところもありますね。門前薬局(病院やクリニックの前にある薬局)などは90日分の処方が出ることが多く、患者数も多いので、比較的早い分包機を使用しているのではないでしょうか。

 アンサングシンデレラで薬局薬剤師であった小野塚役こと成田 凌も機械には文句を言っていましたね。


 ・一包化時に困ったこと

 1.機械の不調

 どの機械でも言えますが、なぞのエラーが出たりするときは焦ります。特に新人の時なんかはどう対応していいかわからず先輩薬剤師に助けを求めに行きました。特に当直中なんかはひやひやです


 2.ロール紙の取り付け

 一包化の分包機は、分包する透明なシートがロールになっています。それがなくなったら取り付けるんですが、その取り付けるのがほんとに大変。取り付け手順や、取り付け方が複雑で、今でも久しぶりにやるとどうやるのか忘れたりします。間違えると分包機が止まったり、エラーが出たりします。

 3.大量の分包

 入院患者は基本的に最大7日分ですが、退院時は異なります。それでも基本7~30日分(長くても)なのですが、たま~に90日分が出たりします。

 以前あったのが、退院2時間前に退院処方が90日分処方。そのうち2剤は1日6錠で手入れしないといけない(つまり540錠×2を手でばらしてから手でいれていかないといけない)。しかもそのう1つは在庫が足りず、外の院外薬局さんに借りに行く。借りて戻ってきたら、患者が早く帰りたいからと催促されていると看護師から電話。急いで分包するも分包機のスピードが遅くすぐにはできない。結局1.5時間くらい時間がかかり、その間に看護師や看護助手から「まだですか?」と電話や直接くること6回・・・・😅

 しかもその間他の患者の分包ができないので、退院処方はたまるばかり。その分包に調剤要員が1人削られているので本当にやばかったです💦


次回「③外用剤の計数調剤」

メインページ

病院薬剤師業務

#薬剤師 #病院薬剤師 #調剤 #薬剤師の仕事 #病棟業務 #一包化

最後まで見ていただいてありがとうございます。 もしサポートいただければ、今後の活動の経費にあてたいと思います。よろしくお願いします😊