寝正月の代償

正月休み、私は「寝正月」を選んだ。日々の疲れを癒やすため、ただひたすらに休息をとる。それは、まるで時間を忘れたかのような、長い眠りと静けさの連続だった。しかし、この静かな休日が、思わぬ代償をもたらすことになるとは、その時はまだ気づいていなかった。

休み明けの朝、目が覚めたときから、何かがおかしいことに気がついた。体が重く、動きが鈍い。起き上がるのも一苦労で、足を床につけると、筋肉の痛みが走った。まるで、長時間の運動をした後のような筋肉痛だ。しかし、私がしたのはただひたすらに休むことだけだった。

普段、適度な運動や活動をしていると、体はそれに慣れている。だが、長い間、ほとんど動かないでいると、体はその不活動に反応してしまう。筋肉は使用されないと衰え、急な動きには強く反応する。まるで、長い眠りから覚めた動物のように、体は不慣れな動きに戸惑う。

その日一日、私は通常の業務に苦労した。階段を上るのも一苦労で、いつもなら軽々とこなせる作業も、今日ばかりは時間がかかる。体は重く、疲労感が抜けない。仕事の合間にストレッチをしてみたが、筋肉は硬く、なかなか柔軟性が戻らない。

年末年始に「寝正月は私が生きるための儀式」なんて馬鹿げたことをいって寝正月を堪能していないで、最低限の運動だけでもすればよかった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?