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冠危険因子という言葉聞いたことがあるでしょうか。狭心症や心筋梗塞などをきたす因子を指し、高血圧や糖尿病などがあります。そしてそれらの病気の結果起こることが動脈硬化です。動脈硬化とは血液の通り道である動脈の壁が厚く、硬くなった状態です。本来弾力がある壁が、コレステロールなどが溜まり、やがて硬くなってしまいます。硬くなった動脈は詰まりやすくなるだけでなく弾力を失い破れやすくもなります。


この動脈硬化は全身で起こる可能性がありますが、起こった場所によっては出る症状も変わります。脳で動脈硬化により血管が詰まれば脳梗塞、心臓で詰まれば心筋梗塞、足の動脈で詰まれば閉塞性動脈硬化症という病気になります。


動脈硬化は何年何十年もかけて少しずつ起こります。冒頭でも書いたように生活の中に危険因子というものがあり、高血圧糖尿病脂質異常症喫煙習慣運動不足などの因子により動脈硬化を発症する可能性が高くなります。まずはこの危険因子を一つ一つ見直し、正しい治療と正しい生活習慣を送る必要があります。


ではどのようにすれば動脈硬化を防ぐことができるのでしょうか。動脈硬化を進行させる要因は人それぞれですが、自分にはどれが当てはまるかを評価する必要があります。といっても多かれ少なかれどれも当てはまるかもしれません。まずは自分に何ができるのかということから考えてみるといいかもしれません。そして根拠や理由を知ることも大切です。


例えば運動です。運動することで動脈硬化を予防できると聞きますがどういうメカニズムなのでしょうか。


まず運動の中でも効果があるとされているのが有酸素運動です。有酸素運動とは20~30分以上持続して行える運動で、ウォーキングやサイクリング、水泳、マラソンなどがあります。この有酸素運動をすることによって血管の内側の機能を改善することができるとされています。運動により一酸化窒素(NO)という物質を産生、増加させます。NOは炎症を抑え、抗酸化作用があります。また血管の表面の筋肉を緩めて血管が広がりやすくなります。この他にも高血圧では血圧を下げる効果、脂質異常症では中性脂肪を下げる効果、糖尿病では血糖値を低下させる作用などが報告されています。また有酸素運動は肥満改善にも効果的です。さらに食事療法による介入を行うことでその効果をかなり高くすることができます。
動脈硬化がよくないことと、運動が大切なことは知っていても、なぜそうなのかということまではわからない方が多いのではないでしょうか。根拠や理由を知ることで取り組みや、日々の生活を変える手助けになればと思います。