退職願いは必ずもらう。労務の超基本。
もうすぐ新年度ですね。
年度末年度初めのこの時期は、人事異動(新規入社)も盛んな時期です。
新入社員もあれば、残念なことではありますが、「この間、入ったばかりなのに、もう辞めた(退職)」ということもあります。
あくまで肌感覚ですが、10年ぐらい前から、退職について「急に来なくなる(出勤しない)」という方が増えています。
そういった事案の相談も増えました。
僕も人事担当者として「社員が急に来なくなる」の経験がありますが、決して気分のよいものではありません。余計な仕事が増えたようなものです。
「立つ鳥跡を濁さず」と言いますが、「辞めるところだからどうでもいいや」とでも思うのでしょうか。
なかには辞めたくても辞められないような、いわゆる「ブラック」な会社もあるとは思います。でも完全に本人さんの「常識はずれ」「わがまま」の事案も多く見受けられます。
身勝手な「急にこない」退職ですが、会社側としては、注意すべき点があります。
「来ない」からと言って、ただ漫然と自己都合退職の務処理をすると、後から本人が「解雇された」と行政機関に申し出るケースもあります。
来ない時は、客観的に「これなら自己都合退職をしたと判断できるに値する」といった取扱いが必要です。
就業規則に無断欠勤が続いた場合の事務処理について、書いておくことも必要です。
そうすれば、いざという時の物事の進め方にあわてなくて済みます。
出勤を促す電話、郵便、場合によっては内容証明の送付もあります。それらは記録をしておきます。とにかく、記録は重要。
しかし一番大事なのは、「退職願(届)」をもらうことです。
普通退職をした場合であっても、退職願(届)が、「口頭」で行われてしまったがために、自己都合、事業主都合で、もめるケースがあるのです。
「自己都合退職」で退職したのに「解雇された」と行政に申し出る方が、実際にいるのです。
退職願いがあっても、退職願いがなくても、そう申し出る方はいますが、やはり退職願いがない方が、その割合は高いです。
経験が無い方だと「そんなことがあるのか」想像がつかないかもしれませんが、実際にあるんです!
ハローワークからも、「離職票をもってこられた〇〇さんですが、解雇されたと言っています。実際はどうですか?」の電話が来ることがあります。
その時に、退職願があれば「退職願に自筆で自己都合退職と書いてます。原本があります」と言えば、これは大きな証拠になります。
「自ら退職を申し出た」と、客観的に分かるものは「退職願(届)」のみと言っても過言ではありません。
事務処理の適正化、後のトラブル防止の為にも、必ず「退職願(届)」をもらうことは重要視してください。
どうしても退職願がもらえないこともありますが、
基本的な考え方は、何が何でも退職時は「退職願い」をもらう。
これぐらいの気持ちが必要です。
意外と、退職を口頭で済ます会社さんも多いのですが、面倒くさがってはいけませんよ。何事も押さえるべきポイントは、押さえておきましょう。
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