フクダサキ

映画サイト、広告、音楽やエンタメ企業を経て、いまはフリーでものづくりをしています。

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「JUNK HEAD」

〈SFカルトストップモーションアニメ〉「JUNK HEAD」を吉祥寺のアップリンクで観てきた。〈SFカルトストップモーションアニメ〉という言葉は実際使われたことないと思うが、その言葉どおりで、SFでカルトでストップモーションアニメで、もっと言うと不気味なフィギュアが織りなすサブカル色強めの世界。 とにかく普通の部分が少ないので説明が簡単じゃないが、約100分の上映時間を、全て見逃すまいと喰い入るようにして観ていたら、あっという間にエンドロールだった。 監督はこの映画を作る前

    • 「アメリカン・ユートピア」

      2ヶ月前くらいから、まわりの音楽関係の知人たちの間で話題にになっていたこの作品は、緊急事態宣言の影響などで公開日調整や延期となっていて、皆がいつかと待ち望んでいたようだ。私もそのひとりで、6月に入り都内でもようやく解禁され、足早に劇場へ向かった。 トーキング・ヘッズのフロントマンを務めていたデヴィット・バーンがワールドツアー「アメリカン・ユートピア」のブロードウェイ版の映像化をするにあたり、スパイク・リーに依頼し実現したという作品で、監督をスパイク・リーに立てるあたり、バー

      • 「スリーパー」

        映画は1973年の作品だが、その200年後が舞台のSFコメディ。 男(ウディアレン )が冷凍保存され、200年後の世界で覚醒し、全体主義社会から追われながら生きるうちに、出会った女性と恋仲になったり、革命運動に加担していく。 単にSFとくくってしまうと首を捻りたくなるのは、一貫してウディアレン が作品を皮肉まじりに作っているからだ。故意にチープな装置や美術を使って(その皮肉の象徴として、家事代行ロボットだったり、セックスマシーンだったり、未来型ドラッグのような球体が登場する

        • 「ウディ・アレンの誰でも知りたがっているくせにちょっと聞きにくいSEXのすべてについて教えましょう」

          短編7編からなるこの作品は、タイトルどおりに為になるものではないので、何かを期待して観るものではないかもしれない。しかし、その中にも自分の仮面にかぶった部分と近いものを一つくらいは見つけられるのではないだろうか。 「これでおあいこ」や「羽根むしられて」などの短編作家でもあるウディアレンにはたやすいことなのだろうが、こうもくだらないことばかりを延々と考えられる能力には脱帽せずにいられない。それでも映画という映像作品として観るとなると、ウディアレン のギャグの指向性にそこそこ理

        「JUNK HEAD」

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        • 映画箱
          2本
        • ウディアレン
          3本

        記事

          「ウディアレンのバナナ」

          70年代アメリカの政治運動、反戦運動の真っただ中で、そういったものを皮肉ったコメディ作品なんだけど、大筋よりも小ネタで笑わせてくれるのは昔から変わらないウディスタイル。 終始にドリフの往年のコントのようなドタバタな笑いが散りばめられていてテンポよく笑わせてくれる。さえないアメリカ人が、彼女に振られてあれよあれよと架空の共和国の革命軍に入ってしまったり、最終的にはその小国の大統領になってしまうんだけど、冒頭と末尾は現場ニュースの形式で見せてくれて上手く仕上げてある。 若き日

          「ウディアレンのバナナ」