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韓国にとっての朝鮮半島統一

韓国大統領選挙の結果が出て、新大統領が誕生した日、「日・韓関係なにが問題なのか?~ 和解のために」という講演を行いました。主催は、大韓民国憲法92条に定められている「民主平和統一諮問会議」の日本東部協議会です。大韓民国憲法には「平和的統一政策の樹立に関する大統領の諮問に応じるために民主統一諮問会議を設けることができる」と明記され、その議長は時の大統領が務めています。党派に関わらず、韓国民、在外同胞全てが、対象となって諮問委員が選ばれています。国会議員時代には日韓友好議員連盟に所属し、またIT&デジタル先進国として、韓国に何度も視察しにいきましたが、民主平和統一諮問会議の事は知りませんでした。

大国の政治に翻弄され、同じ民族で南北に分断されている国家が隣に存在しているのです。日本は、これまで、韓国と北朝鮮に対しては、それぞれ別の国として対応してきました。政治の世界に長くいましたが、南北統一に関して、日本が出来ることは何か、という議論をしたことありません。また、そのような議論がなされている事を聞いたこともありません。韓国にとっては、北に残された親戚がいるでしょうし、また拉致された家族もいるでしょう、それでも同じ民族として平和的統一を望んで諮問会議があるのです。民主平和統一諮問会議で講演を行ったことをきっかけに、改めて南北が分断された歴史、そして将来、平和的統一が行われるために何が出来るのかを考えさせられました。もちろん統一の前には長い道のりがあり、先ずは、南北の平和が前提です。終戦宣言、そして平和協定と着実な一歩を踏み出す事に際して、日本が出来ることは何か、ということです。

講演は、第1部の「韓国ドラマ主題歌」音楽会に続き、第2部として行われました。音楽会で演奏された曲は、ワイフと共にNetflixで韓流ドラマを見ているので、知っている曲が多く、会場も盛り上がっていました。1部と2部を逆にしてくれれば良かったのに・・・と思いながら、演奏を聴いていました。

第2部は、50分の講演でしたが、内容を一言で表すと「未来志向の日韓関係」と両国が表現するけれど、その背景は異なることを理解しながら進む必要があるという話です。日本の未来志向は、過去の事は無かった事にしての未来志向。韓国の未来志向は、過去の事を踏まえての未来志向なのです。併合した国と併合された国は、同じスタートには立てないのです。事実は消えない、消せないので、国家としてと言うよりも日本人として、併合された側に寄り添うことが大事だと思います。新たな大統領との未来志向、日本は併合した側だということを忘れてはいけません。国家間の賠償は法的に整理がついたとしても、人間同士は簡単には整理がつかないのです。

20歳、僕が秘書見習い時代に尊敬する県議会議員の大先輩から教わったことがあります。「勘定で喧嘩しても、感情では喧嘩するな」と、法律やお金でトラブっても解決は出来るが、人の感情でトラブれば解決できないと。国家間も同じだと思います。昔の日本人がしたことは、未来の日本人がエンドレスで背負うことになるのです。その覚悟がなくて、他国への侵攻や戦争など起こすべきではありません。戦前の政治家は、戦前の日本人が選んでいるのです。

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