美容外科を目指す人に②形成→美容(前編)

初期研修が終わって3年目から美容に行く人が増えています。俗に研修医上がりが揶揄されることもありますが、形成外科専門医も以前にも増して美容へ転向する人が増えているようですね。

たびたび耳にするのがベテラン形成外科医の悲哀です。
知識も技術も経験もあるのに研修医上がりと同じかそれ以下の扱いでトホホな話。

この気持ちは良く分かりますが、会社組織として考えた時、1例として、会社にとって有用なのは1時間で10件埋没できる研修医上がりか、1時間で5件埋没する形成専門医かどちらでしょうか。特に大手では前者の方が評価されがちです。形成外科専門医はトラブった時もカバーできるよ!と主張できるかもしれませんが、そのような医者は数は必要ありません。旗艦院もしくは同地域に少数いればいいので最初からそれほど席がないのです。

全ての美容外科でこうではありませんが、積極的にリクルート活動を行っている大手ほどこのような傾向が強いと思います。「会社が求めているもの」と「自分が差し出せるもの」がある程度合致していないと上記のような悲哀が生まれます。難しい修正技術よりも短時間で大きな売上を上げられる時間単価、利益率が高い医者が評価されるのです。一般の社会では当たり前と言えば当たり前なのですが、サービス業だけでなく医療の側面もあるため私も含め違和感を感じる人は多いと思います。

全国展開している大手は経営のノウハウや集客の仕組み、幅広いサービスメニューの知識を得られる反面、売上を上げられない人は肩身が狭くなるのかなと感じます。

以上は大手へ就職した時のあるあるのお話なので、形成外科のスキルが無駄だということでは決してありません。自分のスキル・強みを判断してそこに自分の居場所を作れるかを考える必要があります。欲を言えば簡単に他人に真似されない参入障壁が高い技術があって、それを生かせる職場だと最高ですね。就職先を探す際のご参考になれば。

次回は、非形成外科医の自分の場合どうだったかを。

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