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切れ者部長がハマって揺れ崩れる中、巨体の陰に隠れて駆け抜けた俺( ー`дー´)キリッ

アドゲー患者にコロナ騒動はない

コロナ騒動で引きこもりが増える中、まったく引きこもる気もなく、新宿に集まる一群の人々がいた。人は彼らをアドゲー中毒者と呼ぶ。

これは、そんなアドゲー中毒者の魂の戦記である。

あれは何曜日のことだったか、脳が焼かれてしまって思い出せないのだが、夜22時頃に家を出て新宿へ向かった。

何のためか? 呼ばれるんだよ。俺たちは何者かに呼ばれて新宿に集まるのさ。野犬が夜になると広場に集まって、ワオーンと雄たけびを上げるのと一緒だ。

馬鹿店は雑居ビルの4階にある。そのビルに到着したら、エレベーター前に倒れてるねーちゃんがいた。周囲に仲間がいて介抱しようとしてるのに、ねーちゃんは仲間に対してなんか怒鳴っている。酔っ払い軍団だ。

アドゲーに脳を焼かれた者は、こういうどうでもいいことには1秒も時間を使わない。チラッと視線をやって終了だ。仮に、ねーちゃんがすっぽんぽんで倒れてても、チラッと見て通りすぎる。よっぱらいのねーちゃんではアドレナリンが出ないんじゃ。わしらにアドレナリンを出させてくれるのは、赤や青の原色に塗られた麻雀牌だけなんだわ。

店に入ったら3卓立ってた。まずまずの繁盛ぶりで何よりだ。

10分程度待ったあと、そのうちの1卓に案内された。

切れ者部長が珍しくハマってた

俺と入れ替わりに抜けたにーちゃんに目で挨拶されたけど、誰だったんだ? 脳を焼かれちゃって、人の顔は覚えられねーんだわ。

入った卓の上家は切れ者部長だった。ときどき一緒になる人だ。

いろんな判断とか、牌を切る速さとか、点棒やチップの支払い方とか、すべてが迅速。迅速すぎて、かなりイラチな性格であるとわかる。俺はこのゲームは百戦錬磨なんだ( -`д-´)キリッって態度で語っている。

しかしこの日、切れ者部長はハマりまくってたみたいで、すべての判断に迷いがあった。どう打ってもハマってしまう。しかし止めて帰るわけにもいかない。そんな心境が目に見えるようだった。

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