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白鳥の強さと小ささ Mファイナル3日目5/11第1試合

リアルではファイナル4日目が終わったところだから、そこから2日遅れちゃってるけど、ファイナル3日目、5/10の第1試合を見ていこう。

前傾姿勢なのにアガリ逃し

東1局0本場

序盤にハギーが役牌をポン。中盤になってテンパイ臭い。

勝又の手は赤だらけで高いけど、スピードで追いつかない。タッキーは配牌オリ。

そんな状況で、親の白鳥は役牌ポンドラ2の手牌↓から、

ハギーには無筋の1pを切った。

手牌だけ見ると当たり前のように見えるけど、この打牌を白鳥は対局後インタビューで東1局は内容が悪かったと評した。

たしかに白鳥らしくない。

この日の解説の仲林は、白鳥のことをオールラウンド型と言ったけど、俺の印象として白鳥は神経質型だ。鳴いた1000点とか2000点の流れ弾に当たることをものすごく嫌う。

本人もわかっててバランスを多少は雑押し寄りにしようという意識はあるから、常に神経質すぎるとも限らないんだけど、元の性格がやたら細かいのもあって、神経質寄りであることはこの先も変わらないんじゃないかと思う。つまり小さめの男だ。

そんなタイプも踏まえてこの局面を見てみると、ほんと白鳥らしくない。

ドラが4pだから、この手は47p25sの1シャンテンと見たいところだけど、出ていく1p2pともにハギーには無筋だし、7pはフリテンだ。押すにはだいぶ苦しい。

ここはグッと我慢で4s3sを切ってくのがいつもの白鳥のバランスだろう。

ハギーの手は点数不明でとくに高そうじゃないんだけど、それでもそれくらい気にするもんなんだよな。

Mリーガー全体では4s3s切りが7~8割、1p切りが2~3割くらいかなーと思う。

んで、麻雀の不条理と言うべきか、このあとのツモは1p3pとくるんだわ。なので安全策を取って4s3sを切ってたら2000オールをアガれてた。

アガりたいという欲望から1pを強引に押した結果、逆にテンパイ止まりとなって流局することになった。

白鳥の裏目

東1局1本場

親の白鳥はダブ東をポンしてる。ここ↓から、

8mを切ったんだけど、これも失敗だった的なことを言っていた。カン7mのメンツを失敗し、2000点の振り込みとなってアガリを逃したと。

んー、これはしょうがなくね? 場況を見ると、明らかにカン7mよりカン3sがいい。実際カン7mは山に1枚生き、カン3sは3枚生きだった。これは結果論だろ。

ソーズ789のメンツをしくったことも言ってたな。しくらないためには、ここ↓から、

実戦では8sを切ったけど、中を切るべきだったことになる。

字牌ポンのバラ手から手をめいっぱい広げることは、俺もできないし大半の人はできてないけど、これはそうしたほうがいいみたいね。以前わせりんがそんなことを書いてて、その目で実戦を見てみると、手を広げずに失敗したケースのほうが広げて失敗したケースより多い気がする。

なので、この8s切りは、たしかに失敗は失敗なんだと思う。

タッキーの適当リーチ

東2局0本場

タッキーは、ここ↓から赤5p切りのテンパイ取り。

解説席では「1s切りのテンパイ外しじゃないんだ?」という意外そうな声。

タッキーはピンズもソーズもくっつきが悪かったという。そうなのかな? ピンズのくっつきがそこまで悪いという印象は受けない。ソーズは258sが7枚見えだから、じつは見た目より悪い。

取りダマのあと、4sが1枚切られてから、ここ↓でツモ切りリーチ。

結果、流局。3人テンパイとなり、ノーテン罰符も得られなかった。ここでリーチした最大の理由は3sが切られて1枚減ったことだと、本人がまつかよインタビューで語った。

控室配信では、ヒサトはここだな、他は問題ないと言ってたね。ヒサトがどう打つのが正解だと思ってたかはわからないけど。

タッキーの、待ちの形は悪いけど、手変わりを待つ時間がなくなってきたからそのままリーチ。こういう恫喝リーチはあまりいい結果を呼ばないよ。

1sを切ってテンパイを外し、だいぶ時間はかかるけど、5pを引いてこんなシャンポン待ちテンパイ↓ そのまま最後までダマ。

そう打ったほうが良かったんじゃないか。恫喝リーチは押し引きだけで有利になろうという格下相手の打法だわ。

ハギーのビタオリ

東2局2本場

下家の勝又から親リーを受けて、ハギーはここ↓から

当たり牌の白を止めた。

ハギーの欠点は手組にあって、押し引きは甘くないんだよな。これは打っちゃいそう…という当たり牌をよく止める。

この白はリーチの前巡に切られてるから当たる可能性は低い…みたいな牌も止める。自分を甘やかさないよな。

白鳥のマトリクス読み

この局の終盤となって、白鳥の最終ツモでの手牌↓

テンパイしたけど、親リーに通ってない筋は58p69pのみ。5pを切ればノーテン罰符をもらえるけど、これは切れん……と思いきや、白鳥は長考の末に5pプッシュ。解説陣は驚愕。

じゃが「すげー!」
優「フリテンで出アガリできないんですよ。すごいなー」
じゃが「いや、これすごいよ」
じゃが「いやー、この5pすごいねー」
優「すごいんですけどほんとに」
じゃが「これ話を聞いてみたい。なんで打てたんだろう?」

白鳥は対局後のまつかよインタビューで語った。

まつかよ「解説に来ていた仲林さんがすげーと言ってた局がありまして、東2局1本場、勝又選手のリーチに対して、ハイテイでフリテン58s待ちテンパイになって5pを押したところ。なんで押せるの?という話をしてました」

※ハイテイではない。最終ツモだ。

白鳥「いやいやいや、それ言ってるだけですよ。押します押します。仲林さんも鈴木優さんも押しますから。5mと5sが4枚ずつ見えて、きわめつけは6sが4枚見えて、勝又さん2m切りリーチで、2mに関連する1mとか3mも全部切れてるんで、2mよりいい単騎のチートイツしかなかったんですよね。だからドラ単騎か白が本命だなって感じで、5pはかなり通しやすい部類だったんですけど、もう一回ちゃんと考えて、メンツ手がないかどうかってところの精査だけです」

これはゆうせーさんがめっちゃ詳しく記事にしてる↓

うーん、そういうふうに読めるもんなの?

読みってさ、実戦中に使えるものと、あとから牌譜を並べて検討できるものは違う。実戦では時間がないから、この場ではメンツを作れないからチートイしかないなんて判断できるんかね?

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