三麻ヘッダー

【データ三麻】14 警戒すべき手とは?

この章では押し引きについて検討します。まずは放銃した場合の失点を見ることで、優先的にケアすべき手は何かを見ていきます。

条件別のアガリ素点は?

(表14-1)をご覧ください。この表は様々な状況におけるアガリ素点を、親子、ツモロン別、抜きドラの枚数ごとに分類したものです。ロンアガリ素点を見れば振ったときの失点がわかるので、この点数に注目します。

まず、子のリーチ非一発(リーチして一発がつかなかったアガリ)の抜きドラ枚数別のロンアガリ素点を見ると、抜きドラ0枚が5900点、抜きドラ2枚だと1万点です。抜きドラ0枚だと6000点で、抜きドラ1枚増えるごとに2000点ずつ増えるイメージです。

親の場合は、抜きドラ0枚なら8500点、抜きドラ2枚だと1万4700点です。親だと抜きドラ0枚は8500点、抜きドラ1枚ごとに3000点ずつ増えると考えられます。

リーチはテンパイが100%確定している上、打点も低くありません。とすればリーチへの警戒は必須です。

次に、子のフーロした染め手について見てみると、抜きドラ0枚が7800点、抜きドラ2枚が1万1800点です。抜きドラ0枚でも平均でマンガンあって、リーチより打点が高くなっています。染め手は捨牌が偏りやすく対策しやすいこともあって、染め手への警戒も必須です。

そして今度はフーロしたトイトイについて見てみると、子の抜きドラ0枚が8700点、抜きドラ2枚が1万2400点です。なんと染め手以上の高打点となっています。

また、3フーロ時におけるトイトイ複合割合は33%もあり、2フーロ時の10%、1フーロ時の3%よりはるかに多くなっています。ということはトイトイは察知しやすい役だということで、トイトイを警戒することも重要です。

なお役牌フーロ手で、染め手・トイトイでない場合には、抜きドラ0枚の子のロンアガリ素点は3300点(抜きドラ2枚だと7700点)です。またクイタン・抜きドラ0枚の子のロンアガリ素点は3800点(抜きドラ2枚だと8100点)です。染め手やトイトイの半分程度の打点なので、抜きドラが2枚あったりドラポンでない限り、警戒の必要性が下がります。

以上をまとめると、とくに警戒すべきは、リーチ、染め手、トイトイ、ドラポン、抜きドラ2枚のフーロ手です。これらへの守備を高めることが高打点への放銃回避につながり、守備力の向上に直結します。

抜きドラ枚数別の点数を比較すると、抜きドラが1枚増えるごとにアガリ点は子で2000点、親は3000点増えます。これも押さえたい数字です。

なお、ダマテンの子の抜きドラ0枚のアガリ素点は5500点、抜きドラ2枚のアガリ素点は9400点となり、そこそこの点数です。これはダマにする以上は打点十分のケースが多いからです。振ったときの失点はあなどれませんが、ダマでテンパイしている確率はフーロの場合よりだいぶ下がるので、基本は無視です。ダマに振ると高いという事実のみ押さえておきましょう。

つぎに、抜きドラなしの場合にどう考えるべきか説明します。抜きドラなしルールの牌譜はないので、抜きドラありのデータから数値を推測するしかありません。

結論から言うと、抜きドラなしは抜きドラ0枚と同視しえます。つまり、(表14-1)の抜きドラなしの欄を見ればOKです。

反論として、抜きドラなしルールでは役作りの比重が高まることから、抜きドラありルールの抜きドラ0枚よりも高くなるという予想がありえます。しかし、天鳳四麻における赤なしと赤ありの役複合割合を比較したところ、それほどの違いは見られませんでした。それを考慮すると、役作りの比重が高まることの影響は軽微であり、「抜きドラ0枚と大きく変わらない」「多少増えるがそれは誤差の範囲内」と考えて良いと思います。

つまり、抜きドラなしルールであっても、とくに警戒すべき手は、リーチ、染め手、トイトイ、ドラポンであるという結論は同様です。


抜きドラの枚数別アガリ素点は超重要!

まず3章全体の話になりますけど、すごくいい結果になってるかなと思います。自分の打ってる基準と近いところが多かったので、これはたぶん、まとめとしてそのまま実戦に使えるのかなと思います。

表に抜きドラの枚数ごとのアガリ素点というのがありますが、これはむちゃくちゃ重要です。この平均打点を見るために本を買うまであります。リーチって読みにくいですけど、抜きドラは見えてる情報で、それを使って押し引きするっていうのはめちゃくちゃ大事です。自分の感覚とほぼ一緒の点数やったんで、ちょっとびっくりしてますが。

ただ、鳴きのほうは状況によって変わるところが多いんで、参考でもいいんかなと思いますね。ドラとか役牌の有無で打点が前後するっていうか見える情報に左右されるんで。鳴きとか染め手の打点は、平均打点を覚えてそのまま使うんじゃなくて、見えてる情報を使って打点を予想するようにすると良いと思います。

抜きドラなしはこの数値通りに考えていいか?

みーにん これ、抜きドラなしのデータとして、抜きドラありのデータから0枚のときを抽出してそのまま使ってます。
ただし、抜きドラが来る可能性がないルールと、これから来る可能性があるルールで今は0枚なのでは打ち方が変わってくるかもしれない。手役重視になるという。そこらへんについてはどう思いますか? アバンテスさんは抜きドラない三麻も打ちますか?

たまに打ちます。たしかに抜きドラが無かったら手役重視寄りになるんですけど、抜きドラありで0枚のときも打点を作りにいくことがあるんで、ちょっとわからないですね。

抜きドラありで0枚のときにピンフのみはダマにする場合がありますけど、抜きドラなしだったらほとんどリーチするでしょうね。そういう違いはあります。でも逆に、ダマでマンガンの手なら抜きドラなしの方がダマが増える気がするんですよね。なので、抜きドラ0枚で平均打点がどう動くのかはわからないです。

みーにん 体感的にMJでの打点は抜きドラ0. 5枚くらいあるイメージです。ただ、その数字に根拠がない。数値がないので。
そこで、本文では、「四麻における赤なしと赤ありの役複合割合を比較したところ、それほどの違いは見られないので、役作りの比重が高まることの影響は軽微であり、「抜きドラ0枚と大きく変わらない」「多少増えるがそれは誤差の範囲内」と考えて良い」としました。

んー、とりあえず抜きドラなしルールの素点に関しては違和感なかったです。

本にはない福地の感想

このデータは素晴らしいですね。
三麻は抜きドラの枚数がすべてじゃね?って気がしますけど、データを見ると、
抜きドラ0枚の子のロンアガリで、染め手が7777点、トイトイが8639点、リーチ非一発が5926点、役牌が3303点、クイタンが3820点。
抜きドラ2枚の子のロンアガリで、リーチ非一発が11995点、役牌が7676点、クイタンが8101点。
つまり、染め手やトイトイは抜きドラ2枚に相当し、リーチは1枚に相当すると。そんな打点の構造がわかってきます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?