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父への手紙は無駄だった

必要なのは手紙じゃないか

父に週1で会いに行くようになった。

「もともと会いに来るような間柄じゃなかった。もう会うこともないだろう」と元妻に言ってたというのはかわいそうすぎたから。

もう耳がほとんど聞こえない。電話できないから、連絡手段がハガキになる。不便きわまりない。というか俺はハガキを出したことないわ。元妻がたまに、丸首シャツがほしいとか、筆ペンみたいなペンが欲しいとかってハガキを受け取り、買っていってる。

父はもともと他人の話を聞くことにあまり関心がないんだろう。向こうから「順調か?」「順調そうで何よりだ」と言われるだけの会話。こっちからのコミュニケーションなし。

そういうふわっと丸めたしたコミュニケーション嫌いなんだよな。それって何も疎通してねーじゃん。情報なり感情なり何かをやり取りしねーと意味ねーと思うんだわ。

たとえばさ、
俺「最近、娘1号にこんなことがあってさ」
父「そういうのはわかるなー。誠が小さいときにこんなことがあった」
俺「えー、そんな話は初めて聞いた」
みたいな感じが理想じゃね?

事実経過という情報提供 → なんらかの感想+なんらかの情報 → なんらかの感想
みたいなのがコミュニケーションだと思うんだわ。

というわけで、行くときに手紙を書いていくことにした。

一度目の訪問

前もって書くほどマメじゃねーから、行きの電車の中で書いていく。電車内できれいに書くのは難しいけど、まあ読めりゃいいわけで。漢字を書けねーかなと思ったけど、やってみたら予想以上に漢字を書けた。問題なし。

ただ、何を書くかが難しい。俺の最近の仕事の状況として、出版の人ではなくなってnoterになったというのは、どういう書き方をしても理解できないと思う。ほぼ同業者である60代の漫画原作者・来賀さんですら理解できないわけで。

父にとってネットというのは、無修正エロを無料で無限に見られる以外の認識あるのかな? 年配の人にネットの説明をするほど難しいことはない。

俺の趣味について書こうとしても、父はダンスといったら社交ダンスしか知らない。ヒップホップという言葉を知らなかったのには驚いた。俺のダンスライフに1ミリも興味ないと思う。俺より年下のzeRoさんですら、たまに身体を動かすのはいいよなという文化度zeRoの感想しかないわけで、男にダンスの話をしても無駄だ。

俺の仕事であり趣味でもある麻雀の話にしても、歌舞伎町に打ちにいくのは楽しいと言ったとしても、知らない人と打つの? 怖くないか? 歌舞伎町? ヤ〇ザが相手?くらいの認識だと思う。

できる話がねーぞ。家族の話ならまだ書きやすいんだけど。

みたいなことを思いながら書いてたら、予想外にいっぱい書けた。電車に1時間くらい乗るからね。

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