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不登校youtuberゆたぼんは中学に通うべきか?

不登校youtuberゆたぼんとは?

まずは事実関係を押さえておきます。

少年革命家ゆたぼんというyoutuberがいます。

彼は小4のときに先生に理不尽に叩かれたことがきっかけで不登校になりました。他に、周りの子たちがロボットに見えたからという理由も挙げてます。

そのあとyoutuberになりました。

不登校になった説明動画↓では、

将来はラジオのパーソナリティになって、不登校の子どもに勇気を与えたい。子どもピースボートを作って、世界を回り戦争をなくしたいなど、壮大なことも語ってます。

この動画は492万回再生。すさまじい数字です。いいね3.2万、悪いね17万。彼の動画はアンチの方が多いのが特徴です。

あまりにアンチが多く、粘着系もいたため、誹謗中傷への対処を弁護士に頼み、和解金の総額が300万円弱という動画もあります。まさに炎上系youtuberです。粘着アンチは義務教育を否定するのが許せなかったという60代とか。

新聞

いろんな有名人とコラボしてて、茂木健一郎(脳科学者)さん、はあちゅう(ブロガ―)さん、青汁王子、立花孝志(N国)さんなどなど。まだまだいっぱいいます。有力youtuberとして、他のyoutuberと乗り合う関係を持てる存在だということです。

茂木

動画が終わるときは毎回、

人生は冒険だ。
自由に生きよう!
死んだらアカン!
じゃ!

という決まり文句で終わります。

金髪にしたから卒業式に出してもらえず、あとからもらった卒業証書を破いた動画もあります。

そのあと家族ぐるみで大阪から沖縄に移住。

今年の春に中1となり、中学に行かない宣言をしました。

これがまた話題になり、父親とひろゆき氏のバトルなどが起こり、けっこう広く話題になってます。

この記事↓が詳しいですね。

YouTubeには「ゆたぼんよ聞け」などの動画が山ほど上がってます。

学校へ行け派の論点

代表はひろゆき氏かな。彼の

「子供を学校に通わせないで、身の回りの出来事を学ぶことで生きる力を云々という頭の悪い親がいますが、身の回り生活からどうやって虚数の概念を学べるのか聞いてみたいです」
「『虚数なんて知る必要がない』と考える人は知識が足りないし、子供の成長に制限をかけてることに気づかないならアホでしょ」

という発言には説得力があります。

父親に責任があり、そういう親には罰則を作るべきと主張してます。

あと、説得力あるのはメンタリストDaiGoさん。統計的に見ると学校に行くとIQが年間1~5くらい上がり、その効果は一生続く。その結果、経済的な豊かさから寿命の長さまで変わるというやつ↓

そして、義務教育を受けなかった経験から忠告してるやつ↓とか。

学校へ行かなくてもいい派はいるのかな? 不明。これは扱う必要性がそんなになさそうなので、探しません。

学校とは子どもの収容施設

ここから先は自分の意見になります。

自分の特徴として、本を2冊書いてるくらい教育に詳しくて、その教育というのは、社会的な意味とか、かかる金の効率などの観点が強いのが特徴です。偏差値がどうみたいなミクロな話は語りません。

ぼくの教育への見方の一例を挙げましょう。学校というのは、勉強を教わったり人間関係を学ぶ場所だとされており、それは間違ってないですけど、それと同じくらい重要なのは子どもの収容施設だということです。学校に子どもを丸投げできなかったら、親は安心して働けません。そして、街に子どもがあふれてしまうと、社会的に不都合が増えます。日本にストリートチルドレンがいないのは、先生が身体を張って子どもの面倒を見てくれるからなんですね。他国では警察がやってる仕事の一部を日本では教員が担ってます。

こういうふうに、教育というものを社会の中で考えるのがぼくの見方の特徴となります。

さて、ゆたぼんの話です。

大きな欠落が生じる

まずね、ひろゆきさん、メンタリストDaiGoさんなどが言ってることは正しいと思います。人生の長期の損得で考えたら、中学は行った方がいいですね。その方が得です。

小4から不登校となり、すでに2年経過してます。中学もまったく行かないとしたら、だいぶ大きく欠落します。勉強のかなりの部分は習得可能でしょうけど、すべては無理でしょうね。何かしら大きく欠落します。

フィリピンとのハーフで、義務教育を受けなかった人が、漢字が読めなくてどうするの?と言ってる話ですよ。

父親がホームスクーリングとか言ってますけど、まったく信用できません。うんこ漢字ドリルくらいはやってほしいところです。

ひろゆきの言ってる虚数などは、高校を出た人でも半分くらいは説明できないと思うし、まったく必要ないと思いますけどね。虚数とは2乗すると-1になる数字です。虚数について書きたいことがあるんですけど、あまりにもどうでもいい話なので末尾に付記しておきます。

凡人の大量生産システム

義務教育ができたのって19世紀後半です。日本では明治時代の前半で、これは西欧諸国に比べて、そこまで遅れてなかったんですね。

それはどういう時代だったかというと、工場による大量生産、民衆による大量消費システムが発達していく時代でした。つまり、義務教育というのは凡人の大量生産システムです。天才も馬鹿も一緒にして、凡人を大量生産するシステムが義務教育です。

じつは、①義務教育、②オートメーションによる大量生産システム、③マクドナルドみたいなフランチャイズビジネス、この3つは19世紀後半から発達してきた20世紀文明であり、同質のものなんですよ。ひと言で言うなら大衆社会を支えるインフラです。

何も根拠を示さないと信頼性がないと思いますので、参考文献を示しますと、これ↓です。

これは類書がほぼない異端の本で、個人的には名著だと思います。

子どもが受けられる最大の社会保障

さて、義務教育=凡人の大量生産システムを個人の側から見ると、社会でやっていける(潰しが効く)最低ラインを身に付けさせてくれる機関となります。老人向け社会保障の代表が年金なら、若者向け代表は義務教育です。あれは社会保障なんですよ。

義務教育が欠落してる人は、どこかでバイトしようとしたときにも、読み書きとか、お金の計算とか、命令系統の理解とか、共同作業する感覚とか、コミュニケーションの基本とか、作業への根気強さとか、何かしらの点で欠落が生じやすくなります。普通の人ならできることを、できるようにさせてくれるのが義務教育です。

義務教育とは、20世紀文明を代表する公共インフラで、それに背を向けるというのは健康保険に入らないのと同じようなことです。

義務教育の放棄は、それくらい大きな社会保障の放棄となります。ほぼ損するし、何かしらの欠落に将来苦しむでしょう。

公立中学はこの世の地獄

ただね、その一方で、公教育って役所が管理してるものだから、時代の変化についていくのが数十年は遅れます。10年や20年じゃなく30年とか40年は遅れてますから、時代遅れがはなはだしいです。

ぼくの持論として、中学とくに公立中学は地獄であるというのがあります。なぜ公立を名指しするかといったら、当人の選択がまったく入ってない環境だからです。今の時代に、選べない環境って義務教育と刑務所くらいです。病院だって選べます。

いろんな人を一緒にするからいじめも発生します。陽キャばかりの集団だったら陰キャがいじめられますし、陰キャばかりだったら陽キャがいじめられます。どんな子が多いかは行ってみないとわからず、いじめられるかも運まかせ。基本的人権が認められてない環境です。

ゆたぼんが動画で挙げてる服装管理とか、校則とか、たしかに、こんなのやってらんねーやって思います。それが当たり前だと思うのは、我慢するのが常識だという先入観があるからで、無駄な我慢なんてない方がいいに決まってます。

社会に出たらもっと理不尽なことが多いから、学校で慣れておいた方がいいというロジックがあります。それはその通りなんですけど、それは学校が遅れてることの正当化に過ぎません。要するに社畜製造機で、とがった個人を削って平均化させます。

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