ハギーを追う Mファイナル初日5/8第2試合
引き続き第2試合の観戦記。勝手な感想を書いていきます。ハギーの話が中心になってます。
多井隆晴 ✕ 萩原聖人 ✕ 伊達朱里紗 ✕ 松ヶ瀬隆弥
セミ最終戦は内容が悪かった
ハギーはセミファイナル最終戦の内容が悪かった。高い手が好きなタイプって条件戦は苦手な傾向がある。条件戦って順位操作だからね。高い手を好きな人はそりゃ苦手だよ。
だったら最終戦には出なくていいと思うんだけど、ドラフト1位だから最終戦を締めるべきって理由で選ばれたんじゃないか。表情もずっと不安そうだった。
それがファイナルになったらどうなんだろう?と思ってた。結論から言うと、この日の内容は良かったと思う。いいアガリがいくつかあり、いい一打もあった。それを見ていこう。
いいリーチ
東1局
上家の隆晴から親リーが入ってる局面で、ハギーもテンパイ↓
2s切ってテンパイを取るのは当然だけど、リーチかダマか?
ハギーは即リーチ。日吉とツッチーは意外そうな声を出したけど、これは絶対リーチだよ。メンタン赤は勝負手だ。5m引きや6m引きで待ちがよくなる可能性を待つよりも、目の前の打点を上げて勝負手にすること。
アガれなかったけど、いいリーチだったと思う。
柔軟性あるドラ切り
東1局1本場
7巡目、ハギーの手↓
メンツ手とチートイの両天秤。ドラの8sが浮いてる。何を切るか?
ここでハギーはドラ8s切り。いいわ。
ハギーの欠点は、赤やドラが2枚以上ある手でも、無理目な三色などを狙って手を狭めてしまうことだ。マンガン以上が確定してる手をもっと大事にしろよと。
この手は赤2が確定してて、メンツ手とチートイを決めかねてるわけだから、単独のドラよりも今の両天秤を大事にしたほうがいい。
現状でチートイ1シャンテン、メンツ手2シャンテンだから、チートイに決めて2sか3sを切る打ち方もあって、そっちが主流かもしれない。でも次に8m5p5sを引いたら、メンツ手としても1シャンテンになって、そっちも捨てられなくなる。また、6pとか6sを引いてメンツ手2シャンテンに進む道もあるからね。
こういう柔軟性は以前のハギーにはなかった。
この手は結果、チートイのノーチャンスの7p単騎ハネマンで伊達ちゃんを仕留めた。伊達ちゃんのミスではなく、誰でも打つ牌だった。ハギーの手の進め方が良かったわ。
石橋を叩いて渡らない多井
東2局
下家の親、ハギーからダブリーが入ってる局。隆晴の手↓
1シャンテンになった。
ダブリーにダブ東が当たると高いけど、とはいえ何%当たるんだ? 数牌の1pだって、まだ通ってない牌がいっぱいある中で、たいした放銃率じゃない。ましてや字牌の東なんて。
ここで現物の7mを切ると、この先の6m8m9mなど周辺のツモが使えなくなってしまう。捨牌1段目は中抜きせず、ション牌の字牌を切っていったほうがいいんだよな。
守備派とされる隆晴だけど、そういう観点は持ってて、過度に守備的な打牌は馬鹿にする。「そんなの何%当たるんだよ?」と。
なのに、その隆晴にして、ここは長考の結果、現物の7mを切った。Mリーグの重さだなーと思ったわ。結果がすべてだもんな。こういう異常なまでの慎重さがあるから大崩れしないんだよな。
この局は結局、隆晴が追いかけリーチして700・1300をツモった。
昭和打法の先切り
東3局
5巡目、ハギーの手↓
ここでハギーは2pを切った。良くない。
安全牌を抱えたいってことだけど、タンヤオ確定のテンパイチャンスが減り、さらに3mを頭に固定するからドラ2mを使える可能性がなくなる。2pを持っておけば、2mや4m引きで3pを切る選択肢も持てる。
ここで2pを切るのは、序盤に切った牌の外側で待ちたいという昭和麻雀の発想だ。それが可能になるにはカン7mの引きが必要で、受け入れがけっこう狭い。マンズが3メンチャン等だったらどうせテンパるから迷彩に走ってもいいんけど、受け入れが狭いこの手は決め打ちしないほうがいい。
だが結果として、これがハギーの勝因になった。
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