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鰻の小骨は時にチクチクと心を不安でむしばむ

ん?

そう思ったらすぐうがいを。

人は失敗や成功体験を元に学習する生き物。

これ迄魚の骨を飲み込んでしまったことは何度かあった。

大きい骨ならどうにかして排出しようとするが、サンマなどの小骨は「えいっ!」と押し流してしまうことが常だった。

その誤った過去の成功体験が自分を苦しめることになろうとは。

或る日の昼下がり


GWのとある日わたしは鰻(うなぎ)を食べに行った。

お店に対するマイナスイメージに繋がるといけないので詳しいことには触れないが、これまで食べた鰻の中ではダントツに美味しい鰻だったと思う。

ふっくらフワフワの鰻✨


あまりの美味しさに夢中で頬張った。

箸を動かす手が止まらない。

うな重の残りが3分の1程度になった頃だろうか?
左喉の奥に小骨の引っかかった感覚があった。

「まぁ食べてるうちに取れるかな」

と思い食べ続けたがチクチクは消えない。

お茶で流しこもうにも全く動いてくれる気配がない。

これは確実に刺さっているか厄介な所に引っかかっている。

とはいえ、その時は大して気にしていなかった。
そのうち取れるだろうと思っていたのだ。


友人との別れ

一緒に食事をした友達と別れ、不安が増してきてスマホで調べる。

「鰻 小骨 取れない」

どのサイトを見ても、(小)骨が引っかかったときは飲み込もうとしてはいけない。

ということが明示されていた。


募る不安。

うがいが適!とされていたので急ぎうがいをした。

取れる気配が無い。

GW中であいにく病院もやっていない。


小骨で病院?

わたしも今回の件があるまではそう思ったかもしれないが、この時はすぐにでも病院で診てもらいたい気持ちだった。

時間が経つほど取りづらくなりそうだったのと、単純に自分では解決しようも無い不安から解放されたかったからだ。

ただ、少し救いだったのが「小骨は様子見で大丈夫」「粘膜の自浄作用で自然と取れることがある」と書いてある記事もあり少しホッとした。

とはいえ、取れなかったり、化膿などで悪化する可能性もあるようで、不安を引きずったまま自宅に戻った。

自宅で更に必死にうがいをするも動かざること山の如し。

恐ろしく動かない。

途方に暮れながらも、寝ている間に何とやらという理想的な展開を夢に見ながら眠りについた。

不安からか眠りが浅く、夜中目覚めた時にまだ「チクリ」という感覚があった時は絶望的だった。

そしてまた眠りについた。


翌朝

目覚めて恐る恐る唾を飲む。

喉に触れる。

?!

ぬか喜びするまいと、何度も何度も様々な角度に首を動かして確かめる。

あの嫌なチクリという感覚がないのだ!

それでも1度骨が刺さってささくれ気味の心はまだ疑うことを辞めなかった。

家族には、確信は無いけど抜けた可能性がある。

と伝えた。

その日は最後まで、食事をしても飲み物を飲んでもチクチクした感覚はなく、いわゆる風邪の時のような咽頭痛のみになっていた。

しかし、あんなにどうしても取れなかったものが身体の自浄作用で本当に取れるのかと半信半疑だった。

信じたい気持ちと、油断するなと思う気持ちが半々だった。


のとの痛みの再発


少しづつ回復していた喉の痛み。
鰻を食べた日から2日が経ち、もう大丈夫だろうという気持ちになっていた。

大丈夫。骨は本当に取れたんだ!

だがその2日後また不安に襲われる。

喉の痛みが再発したのだ。

とはいえ、チクチク感はない。
ヒリヒリと痛む感じだ。

もしかすると、骨が粘膜に埋もれて炎症を起こしているのかもしれないという嫌な予感がよぎる。

見えない場所なだけに不安が募る。

たいした痛みではない。
だが痛いのは間違いない。
取れたのであれば傷はもう塞がっていてもおかしくはない。

悪い想像が進みすぎて、想像の中では全身麻酔で手術をしていた。

うなぎの小骨除去手術。

日曜で病院にも行けないため、翌日にはすっかり痛みが消えていることを淡く期待しながら眠りについた。

結局耳鼻科に行くことを決意


痛みも大したことないので悩んだ。

放っておけば治るかもしれない。

それでも、このまま妄想小骨と共存していくよりは専門家に見てもらうことを選んだ。

病院は苦手ではないが、耳鼻科で喉の奥を見られるのは結構苦手だ。
もしかしたら内視鏡もあるかもしれないと思いさらに憂鬱になった。

帰りにはミスドを買って帰ろう。
気を紛らわすためにそんなことばかり考えていた。

順番が来て、いつものごとく嗚咽しそうな診察。

それでも1人悶々としているよりはマシだった気がする。


「骨ないね〜」

先生はあっけらかんと言った。

「大丈夫ですか?!」

「いや、大丈夫じゃないよ。喉の奥まで真っ赤っか」

もはや自分的にはどうでもよかった。(よくないが)

おそらく小骨の傷からバイキンでも入り炎症を起こしたのだろう。(ヒリヒリ)


それで思ったんだ。

不安な時は自分で調べるよりも信頼できる人に聞けってね!


うなぎの小骨、決して侮ることなかれ。

今回は自然に抜けたようだが、そうでないケースもあるそう。
とにかく痛みがある場合は安心を買うためにも受診がおすすめだ。

連休中の小骨には御用心だってばよ。



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