ワークとライフに役立つネット記事(13)~何故日本人は学ばないのか

 今回の記事は、「何故日本人は学ばないのか」を論じた記事です。
 国際比較で見たときに、日本は、圧倒的に「大人が学ばない国」になっています。
 そもそも、日本人のイメージする「大人の学び」は、仕事を終えて自宅に戻った後に、一人で机にかじりついて勉強するような形です。しかし、記事によれば、「大人の学び」とは、他者との関わりの中で、「社会的に」「共創的に」営まれるものであり、他者の存在しない学びのイメージは、極めて視野が狭いと指摘されています。学びとは、真似し合い、教え合い、創造し合い、高め合い、他者を通じた動機付けを受けながら行われるものであり、他者との交流範囲の広さが、そのモチベーションに大きく影響するというのです。
 そして、日本人は、他者との交流が非常に少なく(つまり孤独)、知らない他者を信頼しない傾向も強く、「社会開拓力」を持っていないことが指摘されています。そのため、「大人の学び」にとって重要な、他者とのつながりを作ることが非常に苦手であり、しかも、このことを問題とも思っていないというのです。
 記事では、「つながりの貧困」が「学びの貧困」を生み出すことから、「他者とのつながりのための仕掛け」の工夫やアイデアの重要性が強く主張されています。
 
 職場における業務上必要なやり取りを除くと、日常の中で他者と接する機会が殆どないという人は、日本では決して珍しくないと思います。そういう環境が学びのモチベーションを大きく損ねているという指摘は、目から鱗でした。
 確かに、色々な人と接して刺激を受けないと、「自分はものを知らない」「自分の世界は狭い」「もっと勉強しなければ」と痛感することもなくなってしまいます。まして、年功制組織に長年どっぷり浸かり、閉じた人間関係の中で「上の人」「偉い人」と扱われるようになると、他者から刺激を受ける機会は全くなくなってしまうでしょう。職場に閉じこもって仕事ばかりしている日本のマネージャー層が全く学ばなくなるのも、必然といえます。
 「部下が勉強しない」と嘆く管理職は、それが鏡に映った自分の姿であることに気付いていないのです。
 
 職場外はもちろん、職場内においても、業務上の必要から離れて、色々な人とフラットに交流する機会を積極的に持つこと(組織としてそのような接触機会を積極的に勧奨すること)は、とても大切です。意識して、知らない人と知り合う機会、知っている人の知らない面を知り合う機会を作っていきましょう!