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【中国語教材】【映画】『こんにちは、わたしのお母さん』NHKラジオ講座のステップアップ中国語

 中国語の先生になったからといって、特別な勉強法があるわけではなく、日々地味に教材を読んでいる。
 中国語を自主学習するひとつの難関はリスニング。実際の会話での発音というのは、教科書の音声データよりずっとぞんざいに発音されることが多い。リスニングの教材は聞き取れても、実際の会話を聴き取るのはさらにハードルが高い。自分で学ぶとしたら、映画やドラマを見ながらスクリプトを確認するのがよいだろう。
 今回紹介するのは、NHKラジオ講座のステップアップ中国語の教材で、2021年の中国映画『こんにちは、わたしのお母さん』から中級レベルの会話を抜き出して構成されている。NHKラジオで2022年10-12月に放送され、2024年春からも再放送の予定がある。

 メインのテキストは中級レベルで理解できる部分を抜き出して詳細に解説する。上級レベルでも勉強になるようなより長い場面のスクリプトや、中国語の解説も掲載している。中国語の解説では、日本と中国の習慣の違いや、映画のモチーフ、80年代の習慣など詳細に描かれており勉強になる。
 音声データは別途お金を出して買う必要がある(しかもちょっと高い)。しかし、動画配信サービスにもこの映画の字幕版があり、映像を見ながら学びたい、映画全体のストーリーを確認しながら読みたい場合には動画配信を見たほうがよいかもしれない。
 映画の内容は、何をやってもダメで受験にも失敗した女の子が、過去にタイムスリップしてお母さんに恩返しをするというファミリードラマ。80年代のレトロな街で、ユーモラスな登場人物たちが笑いを誘う。 

『こんにちは、私のお母さん』
原題:《你好,李焕英》
監督・主演:ジア・リン(賈玲)
制作国:中国
2021年中国公開、2022年日本公開

 タメ口のせりふは実際の会話に近い語り口なのではないかと思う。ひそひそ話をする場面や、酔ってろれつが回らない場面があるので、聞き取りのレベルが高い。
 この映画はジア・リン(賈玲)監督が自身の母親をモデルに描いた物語で、自らが娘役で主演も務めている。映画ではぽっちゃりした体形が愛らしいが、2024年の春節には新作《热辣滚烫》(日本映画『百円の恋』のリメイク)を公開し、ボクシングに挑戦する女性を演じ、50キロの減量に成功したスリムな姿を披露したという。


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