No.80 直らないもの

ガラスの破片を一つ……また一つと集める。
彼との思い出が詰まった大切な大切な宝物。
ガラス細工の職人を目指した彼が、初めてのプレゼントにメッセージを彫ったガラス盾を作ってくれた。

ガラス片にボンドをつけて引っ付ける。
何度も……何度も。
視界が滲んでくる。
もう直らないってわかってるのにね。

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