見出し画像

カメラ&レンズ価格高騰におけるカメラマンの未来とは

カメラでお仕事をされている方はもうお分かりかと思いますが、近年のカメラ・レンズの価格は高騰し続けてばかりです。
それが、業界にとって、我々カメラマンにとって危機感を抱かざるを得ません。

3月10日、いつも拝見しているカメラマンの西田航(にしだ・わたる)さんが、Twitter上でこのようなツィートをされていました。

また、YouTubeではさらに詳しく説明されていました。

これは一流であろうと、地元密着型でも、結局同じです。
色々と考えさせられる内容でした。
今回の記事は、カメラ価格高騰におけるプロカメラマンの未来について、私なりにお話します。

近年のカメラ・レンズ価格は高過ぎる

カメラをお持ちの方は、もうお分かりかと思います。
今更感がありますが、カメラ価格の高騰すぎる現状はすでに「Amazing Graph」運営者の平原正隆さんがブログに書かれています。

これはもう1年前の記事なので情報が多少古いですが、現状の最上位機はこんな感じです。

  • Canon EOS R3 → 748,000円(キヤノンオンラインショップ販売価格)

  • Nikon Z9 → 698,500円(ニコンダイレクト販売価格)

  • SONY α1 → 880,000円(ソニーストア販売価格)

  • FUJIFILM GFX100s → 768,900円(富士フイルムモール販売価格)

と、軽く50万円を超えています。
ここに挙げているのは、GFX100sがラージフォーマット(中判)以外はフルサイズ。
さらに、Z9・α1はフラッグシップモデルです。
位置付けに関係なく、メーカーが高価格は当たり前とやむを得ない状況になっているのか、ユーザーが諦めてしまっているのか…
価格高騰は止まる気配がありません。
(そもそもプロ機という位置付けではあるんですが)

このように、会社員が月々安定した収入の中で「趣味として」購入するなら、何も言いません。(人によりますが、撮影技量などに対するスペックオーバーな面は否めません。)
問題は、写真で生計を立てている人たちの立場です。(私もそうです)
一流のカメラマンでさえ、今後撮影料が上がる見込みがほぼない状況です。なのに、このような最新機器の購入に踏み込むことすらできない人が増えています。
西田さんが仰る通り、プロカメラマンが自然に淘汰されるのも無理はありません。

最新のカメラでないとダメなのか?

上記動画の中で、西田さんはこのように仰っています。

ネームバリューがある方は、はっきり言ってもう機材なんて選び放題なので、それだけちゃんと稼げてますしね。
なので機材選び放題で、必然的にそこのクオリティも上がってくるってことになる訳ですよ。
西田航氏YouTube(西田航2nd)「カメラ価格高騰でプロカメラマンが自然に淘汰されていく未来のお話」より
https://youtu.be/UPQgJDohjwI

一流となれば、カメラマンとしての価値(ネームバリュー)、最新のカメラとなると、撮ったらキレイだし、リピートに繋がる。
それは異議ありません。
しかしそれはグラビアやポートレイト、広告写真の話になるのではないか?と思ってしまいます。(違っていればご教授ください)

中には、最新のカメラでなくてもいい、という分野も。
例えば、私が関わっているスクールフォトがそうです。
卒業アルバムへの掲載は、そんなに大きく引き伸ばすことがありません。
また、生徒様及び保護者様へ販売するデータにしても、大きさ・キレイさはL判程度で十分なくらいです。JPEGのSサイズでも大き過ぎるくらいなんですが…
(ちなみにフィルム時代であった学生の頃は、L判で販売されていました)

だから、技量・目的や場面によっては、オーバースペックなこともあるわけです。
趣味はともかく、大きく引き伸ばす必要のない場面などでは、ミドルクラスでも十分なのでは、と思います。
上記、Amazing Graph平原さんのブログ記事にある締め括りの一言が、プロ・アマ問わず現状のカメラ界に釘を刺しています。

その超高級ハイスペックカメラ、本当に必要ですか?
Amazing Graph「ボディ平均価格42万円。カメラ業界の異常性」より
https://a-graph.jp/2021/04/22/43859

私なりの結論

一言で表すと、機器選びは「適材適所」が大事。
カメラマンを続けるなら、キヤノン・ニコンでなくてもいいのでは?と思ってしまいます。しかも高額なフラッグシップ機でなくても、高画素機でなくてもいいのかと。
価格が抑えられても、高画質で発色がいいカメラがあるんですから。
(注:私は過去の経験上、ソニーをお薦めするつもりはありません)

一流カメラマンは、キヤノンかニコンを使い続けるかと思います。
それは世界シェアの広さと標準的な発色、高い信頼性、幅広い製品のラインアップ、手厚いサポート体制で有利だから。
しかし、高価であるのは事実です。
購入価格及びメンテナンス費用を回収できる体力があるのは、ほんの一握りでしかないように思います。

※カメラ選びや写真の仕事について、更に詳しいことは別の機会で述べます

ただ、最近の半導体不足や社会情勢などに関係なく、カメラ・レンズの価格が高価なのは
「カメラメーカーとして当然」
というべきなのか
「ユーザーとして仕方なし」
と思わざるを得ないのか?
業界全体として、ユーザー目線で「高過ぎる!」という声は出ないのでしょうか?
それとも黙殺されてしまっているだけなのでしょうか?

「写真の文化」を次の世代に引き継ぐために。
私自身で何かできることは何か?と聞かれれば、こう答えるだけだと思います。

私の今ある機材で
最大限の作品を生み出せるよう
知恵と技術を磨いていくのみ

お読みいただき、ありがとうございました。
よろしければ「スキ」や、ご意見・ご感想・ご質問などコメント欄へご記入いただけると嬉しいです。

私自身の作品づくりはもちろん、カメラや写真の明るい未来を信じて活動します。 いただいたサポートは、喜んで有効に使わせていただきます。