難病紹介 顕微鏡的多発血管炎(指定難病43)


顕微鏡的多発血管炎は、腎臓、肺、皮膚、神経などの臓器に分布する小型血管(顕微鏡で観察できる太さの細小動・静脈や毛細血管)の血管壁に炎症をおこし、出血したり血栓を形成したりするために、臓器・組織に血流障害や壊死がおこり臓器機能が損なわれる病気。とくに、腎臓の糸球体と呼ばれる毛細血管および肺の肺胞を取り囲む毛細血管の壊死をともなう炎症が特徴的。全国の年間発生数は約1,400人と推定されている。欧米に比べて我が国に多い血管炎。難病の申請をされている方は9,120人(平成28年度医療受給者証保持者数)。50~60歳以上の高齢者に多く発症する。難治性血管炎に関する調査研究班のデータベースでは発症時の平均年齢女性は71歳で女性にやや多いと言われている。原因は不明だが、好中球の細胞質に含まれる酵素タンパク質であるミエロペルオキダーゼ(MPO)に対する自己抗体(抗好中球細胞質抗体;ANCA)が高率に検出されることから、他の膠原病と同様に自己免疫異常が背景に存在すると考えられている。また、好中球が細菌などの外敵と戦うときに使用する好中球細胞外トラップ(NETs)と呼ばれる仕組みがこの病気の発症にかかわることも分かってきた。遺伝性の病気ではないが、病気の罹りやすさに影響する遺伝子多型が複数見つかっている。発熱、全身倦怠感、体重減少などの全身症状とともに腎糸球体や肺胞の小型血管の障害による症状や検査異常がよくみられる。腎臓の障害により血尿、尿検査異常(尿潜血反応陽性、蛋白尿、赤血球円柱など)、腎機能低下がおこり、肺の障害により肺胞出血や間質性肺炎(胸部レントゲン検査やCT検査でみつかります)がおこり、喀血、血痰、空咳、息切れの症状がみられる。また、関節痛、筋痛、皮疹(紫斑、皮下出血、皮膚潰瘍など)、末梢神経症状(手足のしびれや筋力低下)などもみられる。全身症状にともない腎臓や肺の障害が短期間に進行する場合が多いが、ときに尿検査での血尿の持続や肺線維症などが慢性に経過し他の症状を伴わない場合もある。血液検査で炎症反応(C反応性蛋白)や抗好中球細胞質抗体(ANCA) が陽性になることが多く、特にANCAを測定すれば早期発見につながる。

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引用:希少難病ネットつながる理事長 香取久之


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