企業文化をアップデートする

※この記事はLayerX 2022アドベントカレンダー(概念) の最終日の記事です。

どうも、すべての経済活動を、デジタル化したい福島です。

前回「企業文化に投資する」という投稿をしました。それに合わせて「LayerX羅針盤」というものを公開し、ありがたいことに大反響をいただきました。

2022年12月23日現在で21万viewとなっており、大変多くの方に読んでいただいき、とても驚いています。面接でも必ず「羅針盤読みました」「文化に投資する会社として魅力を感じます」といった嬉しいお言葉をいただきます。

一方で、「LayerXの文化ってもう完成されていて自分が加わる隙がなさそうですね」「トップダウンでここまで文化が決まってるのですね」といった少し違和感を感じるような指摘をいただくこともあります。そこのギャップを解消したいという思いで本日の「企業文化をアップデートする」というお話ができればと思います。

羅針盤はどうやってできたのか?

羅針盤の編集自体は私がしていますが、羅針盤に書かれている内容は私が決めたことではありません。また羅針盤に書かれていることは何かこのために作ったというもでもありません。私がLayerX社員の活動を日々観察する中で「いいなあ」「これは全員で真似したい行動だな」と思うものを言語化してまとめたものです。羅針盤の内容はLayerXの社員の行動そのものであり、内容としてはとてもボトムアップなものなのです。

今後も羅針盤自体はアップデートし続けていきます。しかし羅針盤からなるLayerXの文化は「福島が決めている文化」というわけでは決してありません。会社としての活動の中で、Trustful Team(※LayerXの行動指針の1つです)な仲間たちが、プロとして自律して考えて工夫して出てきた行動を、私や役員が気づいた中でピックアップして言語化していっています。

文化を形作ってるのは一人一人の従業員なのです。彼ら彼女らの高いプロ意識からなる、真似したくなる・賞賛したくなるような行動が「文化」なのです。

文化はトップが定めるのか?

そもそも文化はトップが決めるものなのでしょうか?いや決められるのでしょうか?

みなさんがたとえば「アメリカの文化」と聞かれた時想像するものは何でしょうか?

フロンティア精神、肉食文化、大規模な産業化による合理性etc

これは果たしてトップが決めているのでしょうか?トップである大統領が「肉を食べろ」といっているから皆食べているのでしょうか?「フロンティア精神をもて」といってるからみんな挑戦するのでしょうか?

私はNOだと思います。

文化とはあるコミュニティで自然に発生する行動様式だと私は思います。

トップができることは、すでにそこにある行動を「言語化する」「賞賛する」「ネガティブであることを伝える」ことによって方向づけていく。その中でコミュニティの構成員と合意をとりながら「これが私たちの価値観だよね」「こう振る舞うことがかっこいいよね」「こうあるのが自然だよね」と相互に確認・アップデートしながら作っていくものと思います。

会社の文化は国ほど歴史があるわけでもなく、構成員が多いわけでもないですが基本的には似たようなものと私は捉えています。

トップの仕事はメッセージング

一方で、トップの仕事で大事なのは「メッセージの発信」であり、それにより方向性を示すことと思います。

羅針盤はまさにその位置付けとした社内外へのメッセージングなのです。

羅針盤の発信以外にもメッセージの発信として様々な取り組みを行っています。

たとえばLayerXでは創業当初から「社長賞」という名の表彰をかつては毎年、今は半期毎に行っています。社長賞は業績など定量的成果ではなく、「LayerXらしさ」を体現した行動指針賞とも言えるものです。

そのほかに、毎月の締め会で、「fukkyy's TOPIC」という時間を作っています。「この行動は良かった」「こういう行動をみんなに真似してほしい」というものをピックアップします。またただピックアップするだけでなく、「この行動は羅針盤のこの項目に紐づいていたから評価した」というように、メンバーそれぞれの行動と価値観が紐づくように説明を心がけています。

これらはトップが必ずやるべきメッセージングだと思っています。これをやるのは私がそういう役割だからです。LayerXの文化は私のものではなく、従業員のもの、顧客/ビジネスパートナー/株主も含めたステークホルダーの皆様と作っていくものです。つまりLayerXの文化は関わりようによってどうとでも変えられるのです。

これからもアップデートは続く。その主役はあなた

LayerXは今まさにスケール期にあります。毎月続々と新しい仲間が加わっております。

入社時に毎回「LayerXにどんどん異文化を持ち込んでカルチャーアドしてほしい」と話しています。

LayerXには「型に投資する / アップデートする」という文化があり、今正解とされているものをどんどん変えていくことを推奨しています。

また「ジーンプールエンジニアリング」という文化もあります。これは特に転職してくる仲間や新卒で入ってくる仲間から積極的に学ぼうという文化です。「ここっておかしくないですか?」「前職だとこういうall handsをしていて有意義だった」「マーケとしてこういうトライをしてみては?」etc

LayerXの仲間になるプロフェッショナルは中途なら前職・新卒なら学生時代にそれぞれの組織で活躍しています。そしてそのいい部分とは多分に組織の文化、個人の姿勢に表れていると思います。そういった良い行動を言語化し、当たり前に昇華するものが「企業文化」と思います。

LayerXの文化のアップデートはこれからも続きます。事業も組織も生き物のように変わっていきますが、その中で企業文化も変化していきます。意図的により良いものにアップデートしていきます。

今の会社は完全でも何でもなく、どんどん介在し変えていく余地があります。

その主役は経営陣でもトップでもなく、あなたなのです。

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