LayerX、決済事業やるってよ

※この記事は、【LayerX Advent Calendar】62日目の記事です。

どうも。すべての経済活動を、デジタル化し、ハタラクをバクラクに変えたい福島です。

今日は図々しくもアドベントカレンダー3度目の登場です。どうしても伝えたいことがありの登場です。

LayerX、決済事業やるってよ

LayerXで決済事業を来年はじめますというお話です。そのための立ち上げメンバーを絶賛募集します!

LayerXが決済? LayerXって請求書SaaSの会社じゃないの?と皆様の頭に「?」が浮かんでいるのが容易に想像できます。

実はLayerXがやっている「請求書受取SaaS」と「決済」はめちゃくちゃ相性が良いのです。

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LayerXでは先日、ブランド名称を「バクラク」にリブランディングしました。より幅広いお客様にも覚えてもらいやすくという狙いのリブランディングです。

この記事でも触れてますが、第二章としてBtoB決済市場への挑戦をしていきたいと思っています。請求書やBtoB取引の分野は、とにかく多くの会社がアナログ、手作業を前提としていて非常に大きな負の体験が残っています。この体験はSaaSの提供だけでは解決することが難しく、より深い決済の体験まで自分たちが提供しないと解決できないと考えています。

請求書受取と請求書発行の違い

決済の話に入る前にまず、LayerXがやっている「請求書受取SaaSとは」というお話をしたいと思います。

請求書の処理は請求書受取(買掛・支払)の業務と請求書発行(売掛・入金)の業務に別れます。この2つの業務は全く性質の異なるもので、LayerXは前者の請求書受取(買掛・支払)にフォーカスしたSaaSを提供しています。

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よく「請求書のSaaSってたくさんあるよね」といわれますが、この認識は実際は正しく有りません。

請求書「発行」のSaaSは確かに数多く存在します。一方で、請求書「受取」のSaaSはほとんど存在してません。

例えば、2021年12月14日現在(※記事執筆時)でSaaS比較最大手のBoxilで「請求書発行」「請求書受取」のそれぞれを検索すると、「請求書発行」のクエリでは24件ヒットするのに対し、「請求書受取」のクエリでは2件しかがヒットしません。

請求書発行の業務は自社のフォーマットでpdfもしくはurlを発行する業務なのに対して、請求書受取の業務は各社からくる様々なフォーマットの請求書を認識する業務です。ここが非常に難易度が高く、請求書受取SaaSが少ない要因になっています。

また新規参入も増えづらい構造になっています。数が少ないとはいえ世の中にすでに請求書受取SaaSがある以上、新規サービスは必ず既存のサービス(バクラク請求書)と比較されます。

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請求書受取SaaSの難しさは、各社の請求書フォーマットがバラバラであるという点にあります。

ここである一定の認識精度を出すにはある一定以上の請求書データが必要です。一方、一定の認識精度を越えないと既存サービス(バクラク請求書)をお客様は選びますので、新規参入者はサービスを最低レベルに乗せるためのデータを得ることができません。このコールドスタート問題が技術障壁以上に高い参入障壁に変わってきています。(弊社は市場の初期に参入することでこの問題を解決しました。がいまはもうこの方法は通用しません。)

請求書受取SaaSはなぜ決済と相性がいいのか

そして、LayerXでは、単なる請求書受取SaaSをこえて、BtoB取引市場のデジタル化という大きなテーマに取り組もうと考えています。請求書受取SaaSを足場にしつつ、決済の領域にも拡大していきます。

では、そもそも請求書受取SaaSと決済はなぜ相性がいいのでしょう?

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上記は請求書受取業務の流れなのですが、請求書は受け取って終わりではなく、必ずどの会社も100%、受け取ったあとに「支払い」という業務をしています。当たり前の話に聞こえるのですがこの点こそが請求書受取SaaSと決済の相性の良さなのです。

逆に請求書発行の業務を考えてみると、請求書を発行したあとできることは基本的に「入金催促」「入金確認」のみです。お金に関わっているようで実は商流にお金が乗っていません。一方、請求書受取の業務は請求書を受け取ったあと実際に支払業務を行います。どの企業も100%行います。お金が商流に乗っているのは請求書受取の業務なのです。

そして請求書受取業務と支払い(決済)業務は分断されています。多くの会社が手入力で振込データをつくっていたり、目視で口座番号をチェックしています。少し進んだ企業でも、振込データは自動で作っているものの、そのデータをネットバンキングのサイトにでアップロードし都度承認するといったような一手間を行っています。

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※都度このようなデータをつくって振り込みをしています。(データはすべてサンプルで架空のものです。)

一般的にネットバンキングは、IEでアクセスし、銀行の証明書が入ったPCでしかアクセスできません。支払業務を行うためにわざわざ出社し、会社のPCから作業するといったようなことで起こっています。

こういった請求書受取の業務と支払い(決済)業務の分断による負のUXこそが、LayerXが解決したい点であり、決済事業を始める理由です。

LayerXが考える決済事業とそのポテンシャル

LayerXでは現在やっている請求書の事業を単なるSaaS事業とはとらえてません。日本全体で1200兆円といわれる「BtoB取引の市場」をデジタル化する事業と考えています。

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今後、決済やファイナンス領域に侵食していきます。何か流行りだから決済をやるんだよね、株価のためにFintechといいたいんだよねみたいなことは考えてません。

前述したように、業務と決済が、業務とファイナンスが分断していることでユーザーは負の体験をしています。SaaSのソフトウェアをどんなに磨き込んでもここは解決できません。

我々は、決済やファイナンス領域に侵食することで、「決済レス」「ファイナンスレス」というような体験を作り出します。決済やファイナンスが業務にシームレスに溶け込みもはや意識することなく利便性を享受できる。そんな世界を目指しています。

「ユーザーにとって決済が溶け込んだいい体験」をつくることで結果的に大きなビジネスインパクトも予想されます。

例えば海外の類似企業では、請求書受取SaaSに決済を融合させることでARPUを2.5倍(!)にするケースがでています。また海外SaaSでは単純なサブスクオンリーの会社は減っており、shopify, snowflakeなどを代表するように、決済連動・データ連動の従量課金型の会社が増加しています。日本でも遅かれ早かれこの流れが到来するでしょう。

改めてLayerXは、日本全体で1200兆円といわれる「BtoB取引の市場」をデジタル化することを目指しています。

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現在、LayerXで処理している請求書は金額ベースで年換算で約2400億円の規模になっています。日本全体の1200兆円の決済規模とくらべるとまだまだ小さい金額ですが、リリース11ヶ月でこの数値までたどり着いています。

LayerXは5年後にこの処理金額を数十後半~100倍に成長させていくつもりです。そうなるとLayerXのSaaSを経由して処理される請求書処理金額は10兆円を越えてくるでしょう。その10兆円がシームレスに通る決済をLayerXが作ると考えるとちょっとワクワクしてきませんか?

決済事業のメンバー募集

というわけで、この領域での新規立ち上げメンバーを絶賛採用中です。SaaSや請求書という文脈では興味がなかった方も、兆円単位での規模の決済事業、1200兆円にものぼるBtoB取引市場のデジタル化ときいてピンときた方、興味を持った方はぜひこれを機会に応募してみてください。



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