見出し画像

ピンクが好きなインド人

残念ながら、インド人でワインの味がわかってる人はとても少ない…。

レストランに行って、インド人を観察しているとわかる。
そもそもレストランやバーのスタッフもワインの注ぎ方を知らない。
ワイナリーでもそう。
ワインを扱う人たちがこれでは、美味しいワインが飲めるわけがない。
5スターホテル内のレストランでも駄目なところはある。

去年のインドのワイン生産量は20%減。
理由は、需要が下がったから、とのこと。
インドワインのクオリティが上がっていくのはまだまだ先になりそう。

とはいえ、レストランに行けばワインリストを置いてる店は多いし、カップルだと大抵ワインを飲んでいる。
そしてそれは大抵、スパークリングかロゼなのだ。

インドのワイナリーツアーにいくと、インド女子は絶対に「ピンク」のスパークリングを買う。
そんなインドの「ピンク」なスパークリング最高峰。

Zampa L'amour Brut Rose
Shiraz
INR 2500

Grover Zampaのスパークリングロゼは他にもあるが、こちらお値段高いだけあって、味は雲泥の差。
こちらも、ワイナリー以外でも買えるが、バンガロールでないと手に入りづらい希少品。
インド女子たちはワイン一本に2500ルピーは出さないので、いくらピンクが好きでもこちらは買っていかない。
確かに欧米ワインに比べると、このクオリティこの価格は高いかなと思わないでもない。

これをデリーで開けたときは、いつもは最初に開けるスパークリングだが、友人がケーキを持ってきてくれたので、最後に開けることにした。

キンキンに冷えたスパークリングロゼは、いちごのような甘酸っぱさがありつつも、後から泡の辛さが迸る。
それがこの、フルーツケーキとマッチして、みんな感動していた。
多少高くても、この鮮やかなピンクと、心底震えるフルーティーさで上がるテンションには代えられないものがあり…バンガロールに行くと必ず買う一本である。

そしてもう一つのインドピンクがこれ。

YORK Rose
Zinfandel
INR 780

YORKはマハラシュトラ州のナシークにある小さなワイナリー。
こちらのワインは生産量が少ないので、デリーはもちろん、同じマハラシュトラの大都市ムンバイでもなかなか見かけない。
それなのに、先日たまたま通りかかったローカルワインショップに置いていた奇跡の一本!
ロゼが飲みたくてマテウスでも買おうかと思っていたらこれが出てきて、驚いた!
幸運にも地下の店だったからなのか、保存状態が良かった!

YORKはなかなかいいワインを作っていると思うのだが、特にこのロゼはインドで一番だと思う。
インド最大のシェアを誇るSulaもジンファンデルのロゼを作っているし、Grover ZampaもShirazで作っているが、間違いなくロゼならYORKのほうが上。
なのに、価格は安い。本当にコスパがいいワインとはこのこと。
ナシークに行ったら必ず買う一本である。

ジンファンデルらしい、フルーティーで、透明感溢れる爽やかな口当たり。そしてロゼらしい軽やかな苦味もあり、インドワインにしては上出来なロゼだと思う。

実はこのYORKのロゼ、伊勢丹新宿店のワインコーナーでも見つけた。
デリーでもなかなか見ないYORKをまさか東京で見るとは!
さすが伊勢丹!すごいバイヤーがいるんだな、と思っていたが、これには後日談があり、本当にびっくりだった。
この件は別の機会に話したいと思う。

ロックダウン前まで毎月開催してたワイン会でも好評だったこの二本…
今ならこのピンクがインド残留日本人の心をバラ色にしてくれそう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?