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生まれて初めてジャニーズにハマった話

2022年の11月、自分の中では衝撃的な出会いがあった。ジャニーズに人生で初めてハマったのである。

30代も折り返しの年齢になるが、好きな音楽の範囲が限定的で、流行にも疎いため音楽番組は年末の紅白くらいしかまともに視聴して来なかった。Adoさんの「うっせぇわ」、瑛人さんの「香水」があれだけ流行していたときも、まともに曲を聴いたのが発表から1年以上過ぎてからだったほど、日本の音楽シーンに対する関心が薄かった。当然ジャニーズの知識も全くといっていいほどなく、メンバーの名前と顔が完全に一致するグループとなるとSMAPまで遡らなければならなかった。ジャニーズにハマることは生涯ないだろうという意識が潜在的にあったように思う。だからこそ余計に、それがひっくり返された衝撃が大きく、忘備録として残しておきたくなった。

これから、私がTravis Japanというジャニーズグループにハマった経緯を書こうと思う。自分のための記録だが、「第三者が何かにハマったときの記録を読むのが楽しい」という実体験もあるため、この記録も誰かにとっての楽しみになれば幸いだ。

川島如恵留との出会い

よくテレビで見掛けるジャニーズの方ですら名前があやふやであるケースがほとんどである私だが、例外がある。クイズ番組に出ているジャニーズの子たちである。

もともとクイズ番組が好きで、テレビの視聴時間の9割ほどをクイズ番組が占めていた時期があった。多くのレギュラークイズ番組は大勢の芸能人がゲストで登場し、回によってできる人・できない人の格差が生まれていく。その中で結果を残し、何度も呼ばれるようになり、安定して難問を解くポジションにいたったタレントは「クイズが強い人」という認識へと変わる。私にとって、「クイズが強い人」であることは好感度を高める十分な理由である。

「ジャニーズだけどクイズが強い人」として私が初めて認識したのが、SnowManの阿部亮平(あべ・りょうへい)さん、次いでTravisJapanの川島如恵留(かわしま・のえる)さんだった。この2人は、ジャンルによる得意・不得意はあるものの、初登場から回を増すごとに苦手分野を減らして早押しに強くなっていったのが印象的だった。またクイズ番組内での立ち居振る舞いも真面目さ・爽やかさが際立っており、好青年という印象が強い2人でもあった。2人とも番組内で軽やかにアクロバットを披露していたため、ジャニーズは全員アクロバットが当たり前にできる人の集まりなんだなと感心していたこともある。実際には安定してアクロバットできる方が少数派で、彼らが特別だと後で知った。

SnowManのデビューが決まったとき、クイズ番組内で阿部さんが報告しているのを見て、ジャニーズJrはデビューして初めて単独でCDをリリースできる立場なのだと知った(正直Jrとデビュー組の違いもよく分かっていなかった)。クイズ番組での知識のみだったが、礼儀正しい阿部さんへの好感度は高く、「クイズでも頑張っていたし、デビューできて良かったね」という気持ちでSnowManのデビュー曲「D.D.」のMVは見に行った記憶がある。

阿部さんを目当てに視聴したためか、MVでは思ったより阿部さんが目立っていないなあという印象を持ちつつも、スタイリッシュで格好いい曲だし、ダンスもダイナミックで良いなあ、SnowManって他にこういうメンバーがいたんだなあ、と一通り確認して満足した。このとき深掘りしていたら、ひょっとしたらまた違った道もあったかもしれないが、当時のタイミングではそうはならなかった。

その後も私はクイズ番組を見続け、ジャニーズクイズ部として露出が増えた彼らの奮闘をクイズをめぐるドラマの一環として楽しんだ。川島如恵留さんが昨年3月にグループでアメリカへ修行に行くと知ったのも、確かクイズ番組内の告知がきっかけであったと思う。如恵留さんが留学したら、ジャニーズクイズ部は大きな柱を一本失うことになって大変じゃないか、と漠然と感じたことは覚えているが、もちろんこの時点での私は熱心なファンではない。良い結果につながると良いねと、一視聴者の立場から心の中でエールを送るのみだった。

TravisJapanのデビューを知る

2022年11月某日、何の拍子であったか正確には覚えていない(休日にTwitterを見ていてふと目に入った何かのツイートだったと思う)、TravisJapanが世界デビューを果たしMVを公開したという情報を見た。「TravisJapanって確か川島如恵留さんのグループだよね、デビューしたんだ!」という驚きと喜びがあり、SnowManのときと同様に、MVがあるなら見てみようとYouTubeへ飛んだ。

TravisJapanのデビューシングル「JUST DANCE!」のMVで、私は初めて彼らの音楽に触れることになった。

最初の印象は「めちゃくちゃ楽しそうに踊るなあ!」だった。世界デビューという言葉に相応しく、懐かしささえ感じるようなアメリカの風景と、とにかく楽しげな群衆に多国籍の風を感じた。

MV自体も色鮮やかで演出も好みだったが、それ以上に魅力的だったのが彼らの満面の笑顔でのダンスパフォーマンスだ。特に黒髪でたまにセンターになる子(後で名前を覚えた松田元太さん)のとびきりの笑顔が素敵だなと感じ、惹かれるものがあった。またクイズ番組でしか知らなかった如恵留さんが歌いながら踊っている姿も初めて見るもので、それがいたく新鮮に映った。

自分でも意外なほどMVが気に入り、何回か繰り返し見た。その後、関連動画に「Dance Practice」なるものがあるのを見て、これは何だろう?と思いクリックした(振り付けを定点で撮影する動画をDance Practiceと呼ぶこともこの時点では知らなかった)。

この動画を見たことが全ての始まりと言ってもいいかもしれない。遅いにも程があるが、私はこのときようやく気付いた。「この人たちダンスめっっっっっっちゃ上手い」。

MVの時点でもダンスの上手さは伝わっていたのだが、MVは演出上メンバーのアップや別の場所のカットも入るため、ダンスをフルで見られるわけではない。定点カメラで全体を見ながらだとその上手さをよりつぶさに確認でき、受ける衝撃が段違いだったのである。

浮遊しているかの如くの跳躍、しかもそれがタイミングもポーズも全員ぴったり揃う美しさ。定点カメラなのに全く飽きないフォーメーションのスムーズな変更。手の振りの緩急のつけ方。各メンバーにスポットが当たって楽しませる構成。音楽ド素人の私にも一目瞭然なほど高レベルだった。ろくに音楽に詳しくもないくせに、ジャニーズというアイドル像に対して潜在的に抱えていたある種の偏見(あくまでアイドルであることが優先するためダンスのプロフェッショナルではない)が打ち砕かれた瞬間だった。

圧巻のパフォーマンスにドはまり

Dance Practiceを見た時点で慌ててTravisJapanについて検索し、これまでの経歴やメンバーの名前をざっと調べ、他の動画も見始めた。次の驚きはAGTの動画だった。

如恵留さんが英語のスピーチでアメリカの観衆を沸かせている!全員の渾身のパフォーマンスでスタンディングオベーション!

AGT(アメリカズ・ゴット・タレント)というアメリカの大型オーディション番組の存在も、恥ずかしながらこのとき初めて知った。この動画を最初に見たときは「すごい」としか言いようがなく、消化するのにも時間がかかった。

如恵留さんが英語を得意にしていることはクイズ番組内の発言で知っていたが、あんな大舞台でジョークすら交えつつ、自分の想いをしっかりと伝えられている姿に感動した。結成から10年、メンバーの脱退・編入を経てもデビューできないまま同期や後輩のデビューを見送り続け、苦汁を舐めてきたことも分かった上だと「夢を叶えるためにすべてを捨ててきた(意訳)」というスピーチの重みを感じた。この動画で初めて聴いた「夢のHollywood」の歌もダンスも素晴らしかった(最初に聴いたときは、これが彼らのオリジナル曲だとは知らなかった)。

ここまで来るともう完全に夢中になってしまい、片っ端からパフォーマンスを中心に動画を漁り始めた。

アメリカで4位、世界9位に輝いた世界的なダンスコンテストのパフォーマンス。

オリジナル曲「BIG BANG BOY」と「The Show」のパフォーマンス。

激し目に踊りながら、数曲、のびやかな生歌もセットのパフォーマンス。

+81(ジャニーズ楽曲のダンス専門チャンネル)で、A・RA・SHIのダンスパフォーマンス。

彼らのパフォーマンスになぜこれだけ衝撃を受け、こんなにも惹かれたのか? とにかく個々のダンススキルが高く、精度の高いシンクロダンスの美しさを魅力的に思ったこともそうだけれど、スキルの高さゆえに遊びを取り入れる余地があったり、踊っているときに全身で「楽しさ」が発露されていたり、アイコンタクトやふとした接触から彼らの関係性が見えたり――そうしたことの積み重ねが、TravisJapanにしか生み出せない無二のパフォーマンスを実現しているのではないかと思う。

それに彼らはダンスだけではなく、実に伸びやかに歌い、ハモリも美しい。比較対象が自分の中にないのでジャニーズ内でどれくらいのレベルなのかは分からないが、全員一定以上の歌唱力はあると聴いていて思ったし、歌声を魅力の一つに挙げても良さそうなくらいだ。ただ激しいダンスをしながら歌うことは単純な歌唱力とはまた別の話で、ダンスパフォーマンスを売りにするなら両立が難しそうである点はネックかもしれない。

また、繰り返しパフォーマンス動画を見るうちに気づいたのが、ダンスのフォーメーションの多彩さである。センターがずっとセンターを位置取ることがあまりなく、各メンバーに何処かしらスポットが当たる構成で、めまぐるしくポジションが変化する。メンバーの表情が鮮明に見えるという点ではカメラに一人一人が抜かれるのも良いのだが、TravisJapanの場合は基本的に「定点カメラで見せてほしい」と思ってしまう。彼らのフォーメーションの切り替えすら芸術的に魅せる技術も含めて、パフォーマンスの完成度が高いと感じるからだ。

定点カメラのDance Practice動画はたくさんあがっていたので、ありがたく何度も見ている。この記事を見に来てくれるのは恐らくTravisJapanファンの方だと思うが、そうではない方が読んでくれたのなら、彼らのパフォーマンス動画をいくつか視聴してみて欲しい。

Travis Japanの飛躍を願って

長々と語ったが、まとめると「2022年11月、彼らのパフォーマンスに撃ち抜かれてTravisJapanべた惚れ状態になってしまった」というのが現状である。この後、バラエティ的な動画も順番に視聴してメンバーの顔と名前を覚え、彼らの真面目さ、素直さ、ひたむきさ、かわいさ、お茶目さを知り、よりTravisJapanが愛しくなった。これからも応援したい気持ちが強くなり、年末にFC入会を決めた。個人としてはTravisJapanの入り口でもあった川島如恵留さんを推している。地方住まいであることやコロナ禍もあってライブに行けるかは分からないが、円盤が出るなら是が非でも購入するつもりである。

ジャニーズ界隈は色々とショッキングなニュースが取り沙汰されることも多く、事務所に対する風当たりも強い。TravisJapanも決して順風満帆なデビューとはいえないようだ。しかし、彼らがデビューという1つの夢を叶えられたこと、私自身が彼らに気付く幸運に恵まれたことを祝したいと思う。

2023年、TravisJapanを応援します。


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